小平忠の発言 (予算委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○小平委員 ただいまの総理大臣なり外務大臣の御答弁を承わっておりますと、特にただいまの外相の御答弁でありますが、きわめて楽観を許されないという。先般の本会議の席上におきましてあなたの答弁されました内容、あるいはあなたの外交問題に関する演説、これは非常に経過説明というか、従来の新聞論調なりあるいは外電なりニュース等に現われる問題を、収録して御報告されたような感じを実際に抱いたのであります。同時にまたあなたの御答弁はきわめて楽観的な御答弁であっと思うのですが、ただいまの御答弁によりますと、きわめて楽観を許さないという。しかし私がなぜこの問題をお伺いいたしたかと申し上げますと、従来の政府の中近東、東ヨーロッパに対しまする考え方は非常に楽観論に終始いたしておりますから承わったのでありますが、あなたの今の御答弁はきわめて抽象的な面もありますけれども、最後の御説明によっても、楽観を許さないという。御承知のように東欧におきまするところのソ連なり西ドイツ、あるいはフランス、イギリスの情勢、さらに地中海におきまする動きの問題、これらがさらに発展をしまして、中共の周恩来がすでに各国を訪問しているというような事実の問題、あるいはアメリカが沖繩に基地を持つ第七艦隊に対するところのいろいろな動きの問題、これらを総合してみますると、このスエズ運河に端を発しました中近東問題なりあるいは東ヨーロッパの問題というものは、これは決して軽視できない。政府はこの激動する国際情勢に対処して、日ソ交渉の妥結を契機に、日本の国際的地位をいかに高めていくかということについて、誤まりない国際情勢の判断の上に立っていただきたいと私は思うのであります。
 そこで私はそういうようなことから鳩山総理大臣にさらにお伺いいたしたいのでありますが、あなたは過日モスクワにおもむかれて、日ソ交渉のいわゆる矢面に立っておられる。その交渉の最中に例のポーランド、ハンガリー、特にハンガリーの問題について、その情勢の急変によって、ソ連側から調印を二日ほど待ってくれないかと言われたということを、われわれ外電を通じて耳にしたのです。確かにポーランドにおけるあのような動揺というものが、直ちにハンガリーの問題に発展して、これは相当の問題になる、東欧に異変があるということは、当時少くとも世界の有識者はもう知っておることであるし、現にソ連内部におきましても相当動揺があった。あの調印をする前日には、ソ連の戦車隊が東部戦線に出動している。こういう激動する最中で、私はこの日ソ交渉というものはきわめて有利に展開されたはずだと思うのでありますが、この見通しと感賞の純さというか、そういう点において私はソ連を非常に有利にしたのではないかというように考えるわけであります。従ってこういうような客観情勢を達観するときに、少なくとも一国の総理、外務大臣は、鋭い烱眼と観察をもって対処していただきたい、こう思うのであります。そういう観点から、さらに一昨日の参議院の外務委員会におきまして、わが党の曽祢益氏の質問に答えて、外務大臣は、南樺太と北千島は、これは日本国有の領土でないんだ、サンフランシスコ条約においても放棄しておるんだから、ソ連に譲ってもよいというような発言をされた。それで昨日の委員会ではどうも取り消しをされたようなんです。きわめて不見識きわまることだと私は思う。この機会に外務大臣のほんとうの真意――そういうことをおっしゃるのには何か根拠があるのではないかと思う。承わっておきたいと思います。

発言情報

speech_id: 102505261X00119561130_009

発言者: 小平忠

speaker_id: 11712

日付: 1956-11-30

院: 衆議院

会議名: 予算委員会