小山亮の発言 (運輸委員会)
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○小山(亮)委員 これは現実の問題としまして、現在海技試験官である人が、海上の仕事の方が非常に景気がよくて給料が非常によくなってきた。それがために試験官を辞職しまして海上へどんどん出ていく人が多い。それがためにどっちかというと比較的優秀である、前途のあるような試験官は、むしろ海に行ってしまう。どこへも行かれないような試験官だけが残っているというふうになると、素質の悪い試験官が残るのじゃないかという、私は非常な心配がある。でありますから特にこの場合あなたの方で、そういう試験官に一たん任命したら長くその職にとどまっておる人、そしてまた素質のいい人、それをいかにして求めるか。それにはどれだけの、たとえば経歴が、船長の職をとるか機関長の職をとって十年なら十年の経歴があるということだけが、必ずしもいいのじゃない。それはある人によっては三年でも五年でも十分にやれる人もある。それからたとえば学校は商船大学を出た人がいい場合もあれば、必ずしも商船大学を出なくても実地でたたき上げた人でも試験官になり得る、こういうような条文があってもいいのじゃないかと私は思うのです。これは日本の試験だけが学歴ということを非常に重大視しております。しかし英国においては学歴は一つも問題にしてない。特にイギリスには官立の商船学校というものはございませんから、私立の商船学校だけであります。しかも優秀な船長といわれるような人たちは、何も学校を出ていない人が多いのです。
〔委員長退席、山本(友)委員長代
理着席〕
そういう点から顧みて、優秀な試験官というものはどれだけの資格でなければならぬかということは、ただ単に運輸省の船員局だけの基準というような、非常に何かベールに包まれた中でいろいろなことが決定されるような感じを持つ。その感じをこの際払拭したい。そこで私はあなたに伺うのです。新しい試験官の任命の方式——私はここで今法案がこの委員会で通るか通らないかというときに、この問題をことさらにいろいろなこまかい質問をして、法案を長引かそうという考えはない。ただ私が今日ここで申し上げましたことを、船員局長として、当局としてお聞きになって、なるほどそれはそうでなければならぬということを考えられたならば、できるだけ早い機会に、これに対して、新しき時代に即応したような新しい試験官の資格というものを早急に御決定になって、少くも文書か何かではっきりとわかるように、明確になさることがいいと思いますが、これに対して私はここではあえて希望だけ申し上げておきます。本来ならばこの法案をもっと十分に審議したかったけれども、これが衆議院に回ってきたのはようやく今ごろになって、これを審議する時間がなかった。この重大なる船舶職員法を、一回の質疑もなく、議会を通過させるというようなことはあり得ない。でありますからあえて私は聞くのでありますが、こういうような問題はまだ疑義の存するところが多々ある。でありますからこの点については、特に当局の方で資格というものを明確になさる御意思があるかどうか伺いたい。