田中稔男の発言 (地方行政委員会)

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○田中(稔)委員 申すまでもなく一国の民主政治というものは、地方自治が健全に発達するということにかかっておるのでありますが、往々にして地方自治体が少数のボスによって聾断されておる事例が伝えられておるのであります。ボスの町ボスの市というものはずいぶんあります。ここに私が御質問申し上げたいのもその一つの事例でありますが、実は福岡県の山門郡瀬高町下庄矢部川二丁目及び大竹両部落にまたがる用水路の問題であります。この用水路は本来は灌漑のための水路でありましたが、その後農耕地が漸次市街地になりまして、その用途は今はなくなって、むしろ下水の排水路及び防火用水路として重要な役割を持っておるわけであります。こういう水路を町議会の議を経ずして、少数の有力者が勝手に埋め立ててしまって、付近の住民が非常に困っておる。これは非常に古いことでありまして十年来の懸案であります。最初に問題が起りましたのは昭和二十四年ごろ少数の有力者から払い下げの要望が、町当局及び町議会にあったわけであります。その後町長が四人かわって今日に至っておりますが、その間いろいろの経緯がありましたが、ここでその詳細を申し上げることは省略いたしますが、昭和二十九年に至って三小田才太郎という人が勝手に埋め立ててしまった。そういう事態に直面しまして村民もいろいろ騒ぎ出した。そうしますと、昭和三十年一月阿部町長というのが就任しました直後、町議会の土木委員長の橋本という人が有力者側と相談をいたしまして、一つの案を出したのでありますが、それによりますと坪当り百円で払い下げる、こういうことであります。その当時の評価としましても、まあ少くとも坪当り一万四、五千円はする土地であります。それは埋め立てるために費用もかかりますけれども、そういう安い値段でこれを払い下げるということに一応試案を作ったわけであります。それはもちろん町議会の議を経たわけでもない。地元と折衝しますと、やはり地元との話し合いができない。そうこうしておりますうちに、かねて話をつけようということで中に立つものがありまして、——中に立つものというのは、町議会の土木委員の諸君でありますが、これが埋め立てを希望する少数の有力者から六万円の金を出させて、その付近の部落の人に、それは飲み食いをしても何でもいいから一つこれで目をつぶってくれ、こういうような一種の買収行為だと思いますが、それをやろうとしましたが、これもその部落の中での少数の有力者がこれに応じるという意向を見せましたが、もちろん全住民はこれに反対した。そういうふうなことで、今日までこれが片づかない問題になっております。住民の代表は町議会にもちろん当り、また県にも当りますけれども、きっぱりこれが解決しない。そこでたまりかねて行政委員会の委員長に書類が来ておりますが、私どもにも参りました。もちろんまだ大臣も御存じないし、自治庁としても御存じないと思いますけれども、そういうことを放置いたしますと、やはり地方自治の民主的な運営というものがじゅうりんされる、地方自治の健全なる発達が阻害される、ひいては一国の民主政治の健全な発展のためにも暗影を投ずると思うので、事柄はこまかい地方の問題ではありますけれども、同僚議員の御理解も得て、田中大臣が部下に命じて詳細に一つ調査をしていただきたい。適当な措置が行われますように御配慮を願いたい。きょうここで何か御見解を、即答をいただくわけじゃありませんが、質問の形を借りまして、こういうことを御要望申し上げておきます。

発言情報

speech_id: 102604720X00619570306_022

発言者: 田中稔男

speaker_id: 27262

日付: 1957-03-06

院: 衆議院

会議名: 地方行政委員会