後藤瑛の発言 (地方行政委員会)

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○後藤参考人 遊興飲食税につきましては、一昨年の十一月に法律の改正がありまして、全国的に公給領収証制度を実施されたわけでありますが、栃木県の場合におきましては、二十七年度から県独自の公給領収証制度というものをやっておったのであります。三十年の公給領収証制度の切りかえにおきましては、単純に一応切りかえということでやっておりまして、私ども現実に三十年の十一月以降におきましては、経営者の実際の自主申告ということ一点張りできておるのであります。従いまして、年度末に遊興飲食税の最終の決算をいたしました場合の徴収の率と申しますか、納入の状態は、九九%までこれが納入されておるというような状態になっております。経営者との間におきます遊興飲食税につきましての摩擦というものは、従いまして私の力ではほとんどございません。公給領収証というものに対しましても、すでに二十七年からやっております関係で、相当に訓練されているという状態になってきているわけであります。
 それから改正案の中で、三百円から五百円までの間、それから八百円から千円までの間の税率が、従来の五%から一〇%に引き上げになるという点につきましては、ただいまお話にございましたように、経営者自体の事務能事の向上といいますか、そういう面は確かにあろうと思います。たとえば遊興飲食税の経営者自体といたしましても、非常にそういう計算能力の高いものもおります反面に、そういう計算能力というものもそうすぐれていない、場合によりますと、そろばん自体がはじけないで、筆算でやっているというようなものも中にはあるわけであります。従いまして、そういたしました場合に、五%の税率の計算というのは、なかなかむずかしい点があるわけであります。一〇%という税率の点につきましては、料金で出ました額を、単位を一つ落してその分だけを加えれはよろしいということになりますので、そういう点におきましては、経営者の税額の計算がたやすくなるということはいえると思います。私どもといたしましても、現在税率が五%、一〇%、一五%、三〇%という四つの段階に分れておりますので、実際の経営者に対しましては、税額の早見計算表というようなものを作って渡してあるわけでありますが、それにいたしましても、きわめて短かい時間にこれを計算していくということになりますと、やはり一番計算のしやすいのか一〇%、一割という計算であることは、間違いないわけであります。そういう意味におきましては、そういう事務能率の向上という点は確かにあろうと思います。特に旅館業者、たとえば観光地等における旅館等におきましては、朝一時に何組もの領収証を発給しなければならないという状態になるわけでありますが、特にそういう店におきましては、五%の段階があり、あるいは一〇%の段階があり、三五%のものかあるということになりますと、相当に熟練いたしました者におきましても、すぐに税額を計算するというのは、なかなか困難な場合があるわけであります。そういう意味におきましては、事務の能率といいますか、そういう面がたやすくなる、要するに税額の計算がたやすくなるという意味合いにおきましては、お話になりました通りだと思います。
 そういたしました場合にそれではどういうふうな問題があるかということになりますが、八百円から千円までの旅館における税率を五%から一〇%に引き上げたといたしましても、これに該当いたして参りますものは、全体のウエートからいきましてそう高くないということであります。と中しますのは、観光地等におきます旅館等におきましては、八百円から千円の段階というものは、高級の一流の旅館等においてはほとんど率が少いわけであります。特に収容率の多いような旅館におきましては、大体千円以上の宿泊料金というのか普通であります。そうしますと、そういうふうないわゆる一級に属するような旅館におきましては、今度の改正法におきましてほとんど影響かないわけであります。その逆の意味におきまして、八百円という非課税の段階が設けられましたことにつきましては、これによりまして観光地の旅館等においては、いわば零細の旅館といいますか、そういったものにつきましては八百円以下というものもあるわけであります、こういうものは今度はほとんど課税の対象にならないという面か出て参ります。と同時に、一般の連檐地における普通旅館等におきましては、八百円以上の宿泊料をとっているというのはきわめて少い状態であります。従いまして八百円の非保税の段階というものができましたために、普通旅館におきましては、私ども今考えております点におきましては、おそらく八割以上の旅館は遊興飲食税の計算をしなくても済むというような形になるのではないかというふうに考えておるわけであります。そういう意味合いにおきまして、八百円から千円以上の段階において一割という税率の引き上げになったという点におきましては、一部のところで増税になったような形にはなりますけれども、いわゆる一般大衆的なものについてはほとんど落ちてきておるので、残ったものに対してはみな同じような税率を適用するということが運営上適当ではないかというふうに考えております。
 それから飲食店におきまする三百円から五百円までのものにつきまして、従来の五%から一〇%になるわけでありますが、この点につきましては確かに八百円から千円の旅館の場合と同じような問題があるわけでありますけれども、従来の三百円から三百円に免税点が引き上げになったというそのこと自体によりまして、一人一回の料金三百円以上ということになりますと、東京の場合はあるいはいろいろ問題があるかもしれませんけれども、特にいなかの方の飲食店に参りますと、きわめて少い状態になってくるわけであります。従いまして三百円の免税点以下のものが相当に多いという形になって参りますから、残りましたものに対しましてはやはり同じような一律の税率を使うということが適当ではないか、と同町に三百円以上のものを占める割合が非常に少い。たとえば、何パーセントになりますか知りませんけれども、非常に少い店につきましては公給領収証の発給ということを免除するというような運営の仕方を、政令の規定等で作られるという話を聞いておるわけでありますが、そういうふうな段階が出て参りますと、大部分の飲食店が落ちてしまう。遊興飲食税の計算をしなくても済む、あるいは公給領収証の発給をしなくても済むというような状態が出てくるのではないか。そういう意味合いにおきましては、税率が単一化されるということは——私ども現実に仕事をしておりまして、現在のように四つの段階になる税率はできるだけ単一化してほしい。それで低い料金の一般大衆に関係のあるような部分については、これは今度の改正で相当に落ちていきますので、残りましたものについてはできるだけ単一化の、経営者がお客から税金を取ります場合に計算のしやすい形に持っていくということを主張しておったわけでございまして、そういう意味合いにおきましては三百円から五百円の間、八百から千円までの間か従来の五%から一〇%の引き上げになるという面におきましても、残ります業者の数が少いという点において適当なことではないか、私どもとしてはそれでかえって運営がしやすいのではないかというふうに考えておるわけであります。それともう一つ、三百円から五百円という問題につきましては、たとえばいわゆる婦女子の接待のない相当高級な料理店におきまして、税率がこのたびは、五%あるいは一〇%という段階になりますけれども、いなかの方の小料理店等におきまして婦女子の接待があるという場合には、いわゆる遊興ということになりまして一五%の税率を適用するというような形が出て参るわけであります。そういうような状態におきましても、一つの税率そのもののアンバランスがあるんじゃないかというふうに考えておりまして、このあたりの税率が単一化されるという点におきましては、従来以上に運営がしやすくなるということを考えておるわけであります。

発言情報

speech_id: 102604720X00819570312_009

発言者: 後藤瑛

speaker_id: 1860

日付: 1957-03-12

院: 衆議院

会議名: 地方行政委員会