富川保太郎の発言 (地方行政委員会)

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○富川参考人 第一点は住民税の減収は四十九億と自治庁の発表があるが、これくらいでおさまるだろうかということですか、これは私どもお手元に差し上げましたものは、ごくわずかな調査しかするいとまがございませんで、わずかなものだけ出したわけですが、自治庁は一体所得税の減税があろうとも住民税については減税する要なし、それは税率の調整によって住民税の減収を来たさないようにするつもりである、住民税率を上げるつもりである、こういうお話でありまして、そのことについてはわれわれ賛意を表しておったわけであります。ごく最近になってこれこれの税率に直す、こういういわゆる準率が示されたわけであります。それを先月の十八日にわれわれ正式に受け取ったわけであります。それから調べたので、たくさんな資料をいただくわけには参りませんでしたが、私どもの差し出しました意見の別表につけておきましたが、第二方式ただし書きの方で大きいところでは四四%——もっともこれは三十一年、三十二年が同じ課税所得額であると考えますと、四四%以上のところが相当あると思います。そうすると大ざっぱにいうならば、住民税が半額になる、こういうような形が現われてくると思います。それで別表に従いましても大体三一%ぐらいな減収になる、こういうことが考えられるのであります。これは全国中のものはまだ集めておりませんので、市町村を合せまして四十九億であるかないかということについては、少しわかりませんが、しかし市町村民税全体のかりに三〇%影響するものだといたしますと、四十九億よりももう少し大きいものかあると思います。もっとも四十九億というのは、先ほど申し上げましたように、自然増三十四億を見込んで、三十四億の自然増はお前たちに行政水準の何のと渡す必要がない、今までの行政水準でたくさんだということであって、三十四億減税になるならば、政府の説明通りであっても、元通りしかできない、それならば増収はしないでもいいかもしれない。水準は上げないでもいいかもしれぬが、そこのところになお十五億食い込んで四十九億になるといたしますと、これは行政水準が低下するということになるのであります。これより以上に、もしも、現在少しのものを統計いたしまして三一%以上になるということでありまして、自然増額については八%の減収になるというようなことよりも、強く現われてくるとすると、われわれはとうていがまんし切れない。政府の、初め税率を加減することによって、住民税の減収は来たさないようにするという考えを信用しておったところが、その次に現われたものは増収だけでなしに、もとの三十一年の税収入さえ十五億食い込むということになったわけであります。この点は何としても納得しかねる。国税に従って地方税も減税してもらいたいという国民の声は強いと思う。しかしながら国税と地方税との比率、あるいは地方分権、地方の自主財源を強くして、地方の団体か自家依存から自主的な、ほんとうの地方分権の団体になるということには私は趣旨はだんだん遠ざかってきておる、こういうように考えておるのであります。
 それからいま一つ、政府は、もしこれにおいて不都合が起きたならば交付税、こういうような話があると今御質問がございましたが、もしもそうであるとすると、いよいよもって自主財源を失わしめて国家依存に直す、とにかくそれは国の交付税額に従ってのあんばいである。国のあんばいによってお前は生きていけ、こういう世の中になると思うのであります。交付税が多いか、あるいは少いか、交付税を設けられた趣旨は私は賛成であります。どんな貧弱なところでも、一定水準の行政水準を保つという必要は私はあると思う。しかしながら何かといえば、自主財源を削って、その分を交付税の制度で見合っていこうということは、地方分権、地方自治というものを破壊するもとの考え方である。これは大きな逆コースだと私は思う。だから交付金でまかなうというのは、私は本旨においてすでに逆行しておるから反対であると考える。その次は、もし交付金でいただくことができるといたしましても、それは交付団体においてのみ言えることであって、いわゆる富裕団体には影響がない。富裕団体は穴のあきっ通しだ。穴のあきっぱなしの富裕団体、それでは富裕団体というものはどれほど富裕かというと、それは国の考えた基準財政需要額を満たすだけの富裕だということなのであって、決してそこが理想的なというか、理想に近い地方行政をとっておる、これより以上の地方行政をとるに至らぬというようなことで、富裕団体というのではなくて、富裕団体というのは、いわゆる国の最小の死なない程度におかゆを食べさせておくという程度の地方行政の程度であれば、それより以上を富裕ということになると思うのであります。私の市では基準財政需要額はおよそ四億円であります。一般会計は三十二年度は十二億七千万円、大いに詰めて詰めまくって十二億七千万円ですけれども、それだけしか財源は当てにすることができない。それも今度の地方税法の改正があれば減収になる分は、また引っ込むと思うのであります。しかしながらそれで基準財政需要額四億で、もし富山の市政が最低水準でもいいが、やっていけるものならば、それは政府の方へお願いしなければならぬと思うほどな財政需要をまかなえば、それで富裕団体、こういう言い方になると思うのであります。だから私は今の交付金制度というのは、もしも地方自主財源に減収を来たすならば、交付税で穴埋めするなどということは、不交付団体にはさらに影響のない、穴のあきっぱなしであるということになるがら、なおこの制度は地方自治の趣旨と逆行するということで、絶対に承認し得ないと考えております。

発言情報

speech_id: 102604720X00819570312_017

発言者: 富川保太郎

speaker_id: 21853

日付: 1957-03-12

院: 衆議院

会議名: 地方行政委員会