和歌森太郎の発言 (内閣委員会公聴会)
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○和歌森公述人 お答えします。明治以来の日本の異常な発展――異常と申してもいいと思いますが、そういう発展に、根源において日本人の民族的エネルギーと申しますか、そういうものが燃え盛ったということは十分認められると思います。それがどういう方向行へったか、あの時代、あの国際社会の中において、日本のあり方から見まして、そのように燃え盛ってああいう国家を作ったということはそれ相応に意義があり、とうといことであったと私は思います。しかしまたその後この大正、昭和という時代において、日本の大衆の経済的な困窮とか、社会不安とかいうものを打開し、解決していく行き方として進んだ方向、民族の行き方は賢明でなかったというふうに思うのであります。そういう時代になおかつ明治のときのりっぱであったイデオロギーや体制を押しかぶせて、そうしてぐんぐん不幸な方向へ行ったということを私たちは認めなくちゃいけないのじゃないか。確かに昭和の戦争はわれわれにとって不幸であったと思うのです。そういう知恵、働きを持って機動力を持っているということが明治の精神の一面であった。全面的に明治を否定するものではありませんが、明治の一面が大正、昭和の時代をうまく解決していくのに制約となった。そういう一面にこの一月十一日というふうなものが、いわば連想的ですが関連があるのじゃないか、そういう点で、素朴な気持で国民感情に従ってこれを設定することは、ごくすなおに考えて何でもないことだと私は思うのでありますが、何かその後に来る影響、関連ということについての不安を感ずるということはやはり申し上げざるを得ないのであります。