岸信介の発言 (内閣委員会)
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○国務大臣(岸信介君) 私は実は原水爆実験禁止に対して強く反対をして、各国に反省を求めておりますが、その理由の一つは今秋山君の言われた、われわれがその損害を受けたことから生ずる国民的感情が一つの理由であることももちろんであります。またわれわれが理想として持っておる人類の福祉の上からいって、人類を破滅に及ぼすがごとき事態にわれわれがあくまでも反対するという、高い人道的見地からのわれわれの理念、もう一つは現実に科学的の根拠において、これが実験を続けられていくということが、核兵器、原水爆自身を使用して、現実に人類を破滅せしめる戦争の行為以外にたとえ実験を継続しても、それが空中に残すところの汚染で人類全体に及ぼす影響という科学的のわれわれの理由と、この三つの根拠で、実は私は強く諸外国に反省を求めておるわけでありまして、その考えにつきましては少しも変っておりません。私が先ほどから自衛権の憲法の解釈の範囲の議論をいたしましても、私の信念及び私の外国に要望しておるところのものはちっとも変っておりませんし、今秋山君が憲法がこうなっておる、日本の憲法が禁止しておるということが向うに呼びかける一つの理由であるというお話でありますが、私はそうは思わない。私の最も強く要望しておるのは、憲法がどういう規定であろうとも、今申しました三つの点から強く世界に呼びかけ、これらの国々に反省を求める当然の理由があると、かように思っております。