内閣委員会
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会
会議録情報#0
昭和三十二年五月七日(火曜日)
午前十一時六分開会
―――――――――――――
委員の異動
四月二十七日委員井村徳二君辞任につ
き、その補欠として前田佳都男君を議
長において指名した。
四月三十日委員横川正市君辞任につ
き、その補欠として松本治一郎君を議
長において指名した。
四月六日委員谷口弥三郎君辞任につ
き、その補欠として井村徳二君を議長
において指名した。
―――――――――――――
出席者は左の通り。
委員長 亀田 得治君
理事
上原 正吉君
大谷藤之介君
秋山 長造君
竹下 豐次君
委員
植竹 春彦君
木村篤太郎君
迫水 久常君
平島 敏夫君
前田佳都男君
松岡 平市君
松村 秀逸君
伊藤 顕道君
田畑 金光君
永岡 光治君
松本治一郎君
八木 幸吉君
国務大臣
内閣総理大臣 岸 信介君
建 設 大 臣 南條 徳男君
国 務 大 臣 小滝 彬君
政府委員
法制局長官 林 修三君
法制局次長 高辻 正巳君
総理府恩給局長 八巻淳之輔君
行政管理政務次
官 楠美 省吾君
行政管理庁監察
部長 岡松進次郎君
防衛庁次長 増原 恵吉君
防衛庁長官官房
長 門叶 宗雄君
防衛庁防衛局長 林 一夫君
防衛庁装備局長 小山 雄二君
建設省住宅局長
事務取扱 鬼丸 勝之君
事務局側
常任委員会專門
員 杉田正三郎君
説明員
厚生省引揚援護
局援護課長 小池 欣一君
参考人
日本住宅公団副
総裁 河野 一之君
日本住宅公団理
事 吉田安三郎君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
○国の防衛に関する調査の件
(国の防衛に関する件)
○参考人の出席要求に関する件
○国家行政組織に関する調査の件
(住宅公団金岡団地の住宅建設に関
する件)
○臨時恩給等調査会設置法案(内閣提
出、衆議院送付)
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この発言だけを見る →午前十一時六分開会
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委員の異動
四月二十七日委員井村徳二君辞任につ
き、その補欠として前田佳都男君を議
長において指名した。
四月三十日委員横川正市君辞任につ
き、その補欠として松本治一郎君を議
長において指名した。
四月六日委員谷口弥三郎君辞任につ
き、その補欠として井村徳二君を議長
において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 亀田 得治君
理事
上原 正吉君
大谷藤之介君
秋山 長造君
竹下 豐次君
委員
植竹 春彦君
木村篤太郎君
迫水 久常君
平島 敏夫君
前田佳都男君
松岡 平市君
松村 秀逸君
伊藤 顕道君
田畑 金光君
永岡 光治君
松本治一郎君
八木 幸吉君
国務大臣
内閣総理大臣 岸 信介君
建 設 大 臣 南條 徳男君
国 務 大 臣 小滝 彬君
政府委員
法制局長官 林 修三君
法制局次長 高辻 正巳君
総理府恩給局長 八巻淳之輔君
行政管理政務次
官 楠美 省吾君
行政管理庁監察
部長 岡松進次郎君
防衛庁次長 増原 恵吉君
防衛庁長官官房
長 門叶 宗雄君
防衛庁防衛局長 林 一夫君
防衛庁装備局長 小山 雄二君
建設省住宅局長
事務取扱 鬼丸 勝之君
事務局側
常任委員会專門
員 杉田正三郎君
説明員
厚生省引揚援護
局援護課長 小池 欣一君
参考人
日本住宅公団副
総裁 河野 一之君
日本住宅公団理
事 吉田安三郎君
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本日の会議に付した案件
○国の防衛に関する調査の件
(国の防衛に関する件)
○参考人の出席要求に関する件
○国家行政組織に関する調査の件
(住宅公団金岡団地の住宅建設に関
する件)
○臨時恩給等調査会設置法案(内閣提
出、衆議院送付)
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亀
亀田得治#1
○委員長(亀田得治君) これより内閣委員会を開会いたします。
委員の変更について御報告いたします。四月二十六日付、成田一郎君及び木島虎藏君が辞任され、その補欠として植竹春彦君及び井村徳二君が選任されました。四月二十七日付、井村徳二君が辞任され、その補欠として前田佳都男君が選任されました。四月三十日付、横川正市君が辞任され、その補欠として松本治一郎君が選任されました。五月六日付、谷口弥三郎君が辞任され、その補欠として井村徳二君が選任されました。以上御報告いたします。
この発言だけを見る →委員の変更について御報告いたします。四月二十六日付、成田一郎君及び木島虎藏君が辞任され、その補欠として植竹春彦君及び井村徳二君が選任されました。四月二十七日付、井村徳二君が辞任され、その補欠として前田佳都男君が選任されました。四月三十日付、横川正市君が辞任され、その補欠として松本治一郎君が選任されました。五月六日付、谷口弥三郎君が辞任され、その補欠として井村徳二君が選任されました。以上御報告いたします。
亀
秋
秋山長造#3
○秋山長造君 私は核兵器と憲法の問題についてごく率直にお尋ねをいたします。まず第一にお尋ねしたいことは、一体日本の自衛隊が核兵器を持つということは日本の憲法に違反するものである、こう私考えるのですが、総理大臣の御見解を伺いたい。
この発言だけを見る →岸
岸信介#4
○国務大臣(岸信介君) 核兵器という言葉で用いられている各秘の兵器を、私はことごとく技術的に承知いたしませんけれども、名前が核兵器であればそれが憲法違反だ、秋山委員のお考えはそういうふうなようでありますが、そういう性質のものじゃないのじゃないか。一方から言えば、われわれは、やはり憲法の精神は自衛ということであり、その自衛権の内容を持つ一つの力を備えていくというのが、今のわれわれの憲法解釈上それが当然できることである。しこうしてそれぞれ科学の発達等からやはり兵器の発達というようなものにつきましては、科学的の研究をしていかなければならぬという建前におきまして、いつまでも竹やりで自衛するという性格のものではなかろう。しかし今日いわゆる核兵器という言葉で言われておるその中心をなす原水爆のごときもの、これは当然われわれは自衛権の内容としてそういうものを持つということは、憲法上許されないということについては、私も異論ないのでございますけれども、今言っておる科学的の技術的の研究なり、発達というものと見合せて、あくまでも憲法の精神であるところの、われわれは他から侵略される場合において、その侵略を阻止するという性格のもの以上を持つということは、これは憲法が禁止しておることであり、憲法に反することである。そこのにらみ合せの問題でありまして、ただ核兵器と名がっくから一切いけないのだと、こういうことは私は行き過ぎじゃないかと、こう思っております。
この発言だけを見る →秋
秋山長造#5
○秋山長造君 総理大臣は、核兵器というときわめてばく然としたでたらめな名称のように、呼び名のようにおっしゃるけれども、核兵器という以上はおのずからその性格なり範囲などというものはきまったものだと思う。何でもかんでも核兵器といえるものではない、核兵器だから核兵器だ。現に政府自身がイギリスやソ連、アメリカに対して核実験の中止の申し入れをなさったり、あるいは実験の禁止についての国際的なアッピールをなさっておる。書面を見ましても、これは当然のごとく核兵器々々々という言葉を使っておられるじゃありませんか。にもかかわらず今ここで質問をすれば、一がいに核兵器といってもその内容はいろいろだ、というきわめてぼやかした御返事しかいただけないということは、私はなはだ不満なんだ。その点について政府あるいは総理大臣は、核兵器々々々と口ぐせのように言っておられる。その核兵器というものはどういうものを言っておられるか、その点をはっきりしていただきたい。
この発言だけを見る →岸
岸信介#6
○国務大臣(岸信介君) 私どもが強く諸外国に向って、ことに英、米、ソ連に向ってその実験の禁止を要望しておるのは、言うまでもなく原水爆と一般に言われておる、今実験をやろうとしておるが、そういうものでありまして、そういうものに対する何については、私どもは強く反対をし、またそういうものを持つということは、日本の自衛隊に許されないということにおきましては、私どもは秋山君のお考えと同一な考えを持っております。しかしずいぶん誘導兵器の研究を自衛隊においてもいたしております。しかしその誘導兵器がことごとく核兵器であるかどうかということについては、これはずいぶん議論があるようであります。私はそういうような、今自衛隊で研究をしておるような誘導兵器を研究をし、あるいはそのうち日本の自衛力のために持つというようなことは、これは決して憲法に違反しておると、こういうふうには見ておらないのであります。
この発言だけを見る →秋
秋山長造#7
○秋山長造君 私の質問しておるのは、自衛隊がたとえばエリコン誘導弾なるものの研究をやるということとは別の問題なんです。これは核兵器そのものについての質問をしておる。だから今日まで総理大臣以下核兵器には絶対反対だ、現にマクミラン首相に対する書簡においても、核兵器の生産、使用及び実験、とにかく一切を禁止すべきだという呼びかけをやっておられるわけなんです。にもかかわらずそういう呼びかけの裏にはただし書きがついておって、ただし自衛の範囲内なら、あるいは攻撃的でない、きわめて小型の防御的なものなら、日本さえも、世界に例のないと言われておる平和憲法を持っておる、その日本の平和憲法からでさえもあえて違反じゃないというようなただし書きがついておるようなことでは、これはもう政府がいかに口で核兵器の生産、使用、実験を行うのをやめろということを世界に訴えられたところで、これはただ今の国民感情に対する私はジェスチュアにすぎぬ、あるいは外国に対しても単なる一時的の、思いつきの感情論にすぎないという結果に私はなるのじゃないかと思うのですが、その点はどうお考えなんですか。端的にお伺いしますが、自衛の範囲内ならば、あるいはきわめて小型のものならば、あるいは防御的なものならはというようにワクさえつけば、核兵器を用いてもあえて憲法違反ではないというようにお考えになっているのかどうか。
この発言だけを見る →岸
岸信介#8
○国務大臣(岸信介君) 先ほど来お答え申し上げておりますように、この日本の憲法の精神は自衛ということに限られているのでありますから、従ってこの自衛のワク内において、いろいろな科学的の進歩と申しましても、われわれの持つところの兵器は制約されることは私どもは当然であると思います。そこで今御質問になっております、核兵器とこう称せられているところのものは、今発達の途上にありますので、いろいろな場合を予想しなければならないのでありまして、ただ核兵器という名前がつくから、原子力をどういう形において用いているものでもこれは一切いかぬ、というように窮屈に考えるということは、われわれがむしろ自衛力の増強について量より質ということを考え、われわれはやはりこの近代的科学技術の発達に即応した有効な兵器をもって、自衛を全うしなければならぬという見地から申しますと、今日われわれの普通に核兵器と考えられている原水爆やこれを中心としたようなもの、これはもっぱら攻撃用の性格を持っているものであると思いますが、そういうものを用いてはならないことはこれは当然でありますけれども、ただ言葉だけの観念でもって、核兵器と名前がつけばいかなるものもこれは憲法違反と、こういう法律的解釈につきましては、今私がお答え申し上げましたように、その自衛力の本来の本質に反せない性格を持っているものならば、原子力を用いましても私は差しつかえないのじゃないか、かように考えております。
この発言だけを見る →秋
秋山長造#9
○秋山長造君 私は重大な御発言を今初めて聞くんですが、原子力を用いた兵器でも自衛の範囲内ならばかまわない、これはその通りなんですか。原子兵器を用いてもいいのですか、自衛ということならば。
この発言だけを見る →岸
岸信介#10
○国務大臣(岸信介君) 私は科学の発達から見ますと、今火薬でいろいろなわれわれが一つの兵器を動かすとか、あるいは原子力で潜水艦が動かされるというような、一つのエネルギーとして原子力を使うというようなことが、今後発達についてはやはり予想されるであろうと思います。しかし今言っているように、一つのこの原子力それ自身がその破壊力といいますか、原水爆みたいなような形でなしに用いられる場合もあるんだろう、いろいろな発達の前途を考えてみると、ただわれわれがこの核兵器という、原子力が用いられるとか、あるいは誘導性の兵器であるとかというようなことでこれはきめられない。問題はわれわれがあくまでも自衛力の範囲であり、自衛力というワクを越えないということが、自衛権の範囲を越えないということが憲法の精神であって、やはりそういう意味における科学の発達というもの、技術の発達というものについてそれを一切制約するというものではなしに、自衛権という本来の本質ですべての兵器というものの性格をきめるべきものである、かように考えております。
この発言だけを見る →秋
秋山長造#11
○秋山長造君 自衛ということを非常に絶対的なものに考えての御答弁なんですけれども、しかし自衛権といえども私は絶対のものじゃないと思う。自衛という認定さえすれば、何でも持てる、何でもやれるというものじゃない。さらにいろいろなやはりそれに制約がかかってくると思う。原子力基本法をごらんになっても書いてある。わが国に関する限りは原子力の研究、開発及び利用は、すべて平和目的に限定される、こういうことがはっきり書いてある。だからその面からも、原子力の利用というものは何にでも使っていいというものじゃないと思うのです。その原子力基本法の第二条の大原則というものは、その自衛ということとどういう関係になるのですか。
この発言だけを見る →岸
岸信介#12
○国務大臣(岸信介君) 原子力基本法は原子力基本法として私は解釈していかなければならない問題であると思います。しかし今ここで御質問になっておるのは、憲法九条の関係における憲法論として、私はあくまでも持ち得るところの兵器は、今後原子力以外にもいろいろなものを科学の発達として考えなければならぬと思いますが、そういう場合においてわれわれは、やはり自衛権というものが憲法に許されておる範囲であって、あくまでもその自衛を全うするために持ち得る兵器というものは、自衛権という憲法に許されておる範囲内のものでなきゃいかぬ、そういう性格のものでなければいかぬということが言えるんじゃないか。今の原子力の基本法の問題とは私はおのずから別の問題である、こう思っております。
この発言だけを見る →秋
秋山長造#13
○秋山長造君 いや、それは違いますよ。原子力基本法は原子力基本法で、日本における原子力の研究、開発、利用は一切平和目的に限定するというワクがはまっておりながら、自衛隊の方は自衛隊の方でおれはそんなことは関係ないのだと、とにかくおれは自衛権の解釈次第でどんどん進めていくんだというような、そんなばかなことはないですよ。やはり原子力基本法というものは、日本国憲法というものから出発しておるのです。従って、それが自衛隊で使おうと何で使おうと、とにかく原子力基本法の平和目的に限定するというワクというものは、これは日本国に関する限り一切の分野に適用さるべきものだと思う。そんなばらばらに御解釈されては困ると思う。これは一つお考え直しを願えませんか。そういうことでは納得しませんよ。国民も納得しませんしわれわれももちろん納得できぬ。どうですか。
この発言だけを見る →岸
岸信介#14
○国務大臣(岸信介君) 私は今憲法九条におけるところの範囲の自衛権で持ち得る兵器の範囲を申し上げているわけでありまして、もちろん日本のすべての法律が憲法全体から出てきておる問題であることは、これはまあ言うを待ちませんけれども、しかし、原子力基本法にそう書いてあるから、あるいは自衛権の本質としてわれわれが当然憲法の範囲内において許されておると考えられるものまでも禁止するということは、適当でない。憲法の今の九条のワクの問題でありますから、これはこれとして考えていきたいと思っております。
この発言だけを見る →秋
秋山長造#15
○秋山長造君 総理大臣は、憲法九条の自衛権というものを非常に抽象的に考えておられると思う。私は憲法というものはそういう抽象的なものじゃないと思うのですね。やはり原水爆あるいはその他の核兵器というものに対する、日本の国民のこれだけ深刻な国民感情、これは国民感情も深刻です。しかし同時にその背後には、やはりこういう国民感情の結晶としての憲法九条、平和憲法そのものというものがその背景にあるから、さらにこれだけの国民感情の盛り上りがあり、そうしてまた対外的にも対内的にも、核兵器の使用禁止という訴えというものが迫力を持ってくるべきものだと思う。そうでなければいくら外国に対して核兵器をやめろやめろと言ったところで、実は日本自身もこれは憲法上は持とうと思えば持てないことはないのだというような抜け道を作っておいて、いくら外国に対してやめろやめろと言っても、これはやはり説得力はないと思うのですね。どうですか。これは国民感情もある。しかし同時にわれわれは世界でただ一つの核兵器の被害国でもある。同時にまた世界に例のない平和憲法というものを持っておるのですね。この三つのものが三位一体となってわれわれのバラックに厳然としてあるからこそ、総理大臣としても東南アジアに行きあるいはアメリカに行って、国際的に核兵器の生産、使用、実験の禁止というものを強力に呼びかけられる足場というものができているのだと思うのですね。それがなければアメリカだってイギリスだってソ連だってみな自衛の範囲内だと、防御的の実験にすぎないのだと、自衛のための実験にすぎないのだと、こう言っているのですから、だから日本がそれはだめだと、防御だろうと攻撃だろうと、およそ核兵器そのものがこれは本質的に反人道的であり、人類に対して破滅的なやはり影響を持つものであるがゆえに、これの禁止を呼びかけているのであって、それにただし書がついたり、いろいろな条件がついたりすべきものではないと思うのですが、どうお考えになりますか。
この発言だけを見る →岸
岸信介#16
○国務大臣(岸信介君) 私は実は原水爆実験禁止に対して強く反対をして、各国に反省を求めておりますが、その理由の一つは今秋山君の言われた、われわれがその損害を受けたことから生ずる国民的感情が一つの理由であることももちろんであります。またわれわれが理想として持っておる人類の福祉の上からいって、人類を破滅に及ぼすがごとき事態にわれわれがあくまでも反対するという、高い人道的見地からのわれわれの理念、もう一つは現実に科学的の根拠において、これが実験を続けられていくということが、核兵器、原水爆自身を使用して、現実に人類を破滅せしめる戦争の行為以外にたとえ実験を継続しても、それが空中に残すところの汚染で人類全体に及ぼす影響という科学的のわれわれの理由と、この三つの根拠で、実は私は強く諸外国に反省を求めておるわけでありまして、その考えにつきましては少しも変っておりません。私が先ほどから自衛権の憲法の解釈の範囲の議論をいたしましても、私の信念及び私の外国に要望しておるところのものはちっとも変っておりませんし、今秋山君が憲法がこうなっておる、日本の憲法が禁止しておるということが向うに呼びかける一つの理由であるというお話でありますが、私はそうは思わない。私の最も強く要望しておるのは、憲法がどういう規定であろうとも、今申しました三つの点から強く世界に呼びかけ、これらの国々に反省を求める当然の理由があると、かように思っております。
この発言だけを見る →秋
秋山長造#17
○秋山長造君 これは言葉をお返しするようで恐縮ですけれども、これは憲法があるということは理由にならぬとおっしゃるけれども、私は有力な理由の一つだろうと思うのです。これは有力な足場ですよ、あなたが外国に訴えられる場合に。外国に対してこの核兵器を持ってはいかぬということを呼びかける以上は、現にわれわれ自身もこれは持つつもりもないし、また日本の基本法である憲法でも禁止されておるのだということは、これはあなたの外国に呼びかけられる場合の有力な足場になると思うのですね。それが三文の値打もないようにあなたがおっしゃるのは、私ははなはだ不穏当だと思う。
さらにお尋ねしますが、総理大臣は先だっての二十五日の予算委員会で、湯山君の質問に対して、核兵器というものは、私は今日の憲法の解釈において、自衛権の立場からいってこれは憲法上適当でない、こういうように思っておりますと、こういうようにはっきり答弁されているのです。だからこのときの総理大臣のお考えは、これはやはり自衛権といっても、自衛権なるがゆえに絶対なものではない、自衛権にもおのずから限度がある、だからこの核兵器というようなものは、これは自衛のためだとか攻撃のためだとかいうような次元とは、別な次元で考えるべき性質のものではないか、そういう性質のものであるがゆえに、ここまでこれは世論が沸騰し、また日本の国民あるいはそれを代表して総理大臣が世界に対して繰り返し繰り返し訴えられておるのではないかと思う。そうでなければ、この核兵器というものに自衛権というものを持ち込んできたら、これはどこの国だって、みな攻撃のために持っておるということは言ってないのですから、みなそれぞれ防御のために、自衛のために実験をし、自衛のために生産をし、自衛のために使用しようとしておるのだと言っておるのであるから、これは非常に説得力が弱まる。にもかかわらず、これはあくまで憲法の解釈論としてはこうだ、実際政策としては岸内閣は持つつもりはないけれども、しかし憲法の解釈上は持とうと思えば持てるのだという、そういう逃げ道をこれは作っておかなければならぬ必要がどこにあるのですか。私はそれを疑わざるを得ない。
この発言だけを見る →さらにお尋ねしますが、総理大臣は先だっての二十五日の予算委員会で、湯山君の質問に対して、核兵器というものは、私は今日の憲法の解釈において、自衛権の立場からいってこれは憲法上適当でない、こういうように思っておりますと、こういうようにはっきり答弁されているのです。だからこのときの総理大臣のお考えは、これはやはり自衛権といっても、自衛権なるがゆえに絶対なものではない、自衛権にもおのずから限度がある、だからこの核兵器というようなものは、これは自衛のためだとか攻撃のためだとかいうような次元とは、別な次元で考えるべき性質のものではないか、そういう性質のものであるがゆえに、ここまでこれは世論が沸騰し、また日本の国民あるいはそれを代表して総理大臣が世界に対して繰り返し繰り返し訴えられておるのではないかと思う。そうでなければ、この核兵器というものに自衛権というものを持ち込んできたら、これはどこの国だって、みな攻撃のために持っておるということは言ってないのですから、みなそれぞれ防御のために、自衛のために実験をし、自衛のために生産をし、自衛のために使用しようとしておるのだと言っておるのであるから、これは非常に説得力が弱まる。にもかかわらず、これはあくまで憲法の解釈論としてはこうだ、実際政策としては岸内閣は持つつもりはないけれども、しかし憲法の解釈上は持とうと思えば持てるのだという、そういう逃げ道をこれは作っておかなければならぬ必要がどこにあるのですか。私はそれを疑わざるを得ない。
岸
岸信介#18
○国務大臣(岸信介君) 今普通に核兵器という言葉が用いられております原水爆を中心としておるようなものは、これは私は先ほど来申し上げましたように、自衛権の内容としてそういうものを持つべきものじゃない、憲法が禁止しておると私は解釈しておる。私はそういう解釈をとっておりますし、先ほど来申し上げているように、科学の進歩、技術の進歩からいって、いわゆる核兵器というような言葉で用いられるものには、これはどういうふうなものが出てくるかわからぬという状況にありますので、言葉、ただ核兵器という概念を先にきめちゃってどうだ、今日の原水爆を中心としての各国がお互いに競うておる核兵器というようなものは、これは私は憲法に禁止されておるということには異存がないのでありますけれども、先ほど申したように、いろんな発達がありいろな研究がこれから進んでいく場合において、いやしくも核兵器、原子力が何かに用いられるということであれば、ことごとくいかぬというようなことになるということは、むしろわれわれは自衛権として自衛力を持つ場合においては、量よりも質を高めてそして自衛の目的を達しなければいかぬ、われわれが他から攻撃を受け、もし侵略を受ける場合に、国土を守り民族を守っていかなければならない。こういう見地から言いますと、ただ核兵器という名前がつけばこれはいかぬ、というようなことの解釈は適当でないというのが私の考えであります。もちろん今私どもは、一般に言われているような核兵器を持つ意思もありませんし、そういうものは憲法に禁止しておる、こう解釈しておることは私も同感であります。しかし、あなたから言うと非常に御不満であろうと思いますけれども、何か核兵器と名前がつけば、これは全部いけないのだ、こういうことは少し行き過ぎじゃないか、こう思います。
この発言だけを見る →秋
秋山長造#19
○秋山長造君 そうしますと、今まで外国に対して抗議を申し入れたり何かしてこられた文書というものは、核兵器々々々という言葉を使っておられるが、それはどういう意味で使っておられるのですか。そういうしごくあやふやな言葉を使って幾ら訴えてみたところで、これは外国に対してききめはない。聞いてみれば核兵器々々々と一がいに言えないというそんな解釈で、イギリスに対してもアメリカに対してもソビエトに対しても、核兵器禁止核兵器禁止と言う。なぜそんなあやふやなことを言われるのですか。もっとはっきり具体的なことをおっしゃったらどうですか。
この発言だけを見る →岸
岸信介#20
○国務大臣(岸信介君) 今申しましたように、英米ソ連等で行なっている実験は、原水爆を中心としてこれに類似した実験をやっておるのであります。私どもはこれに対して強く反対するのに、核兵器という言葉を使ったり、あるいは原水爆という言葉を使ったりしておるわけでありますが、今ここで法律論として、憲法の解釈論としての正確なる法律論を展開する場合においては、私は核兵器というもののあらゆる場合を考えなければならぬというので、今一般に英米ソ連でやっておる実験は、これは核兵器の中でも、原水爆を中心にしたそれに類似したところのものであって、これが人類に非常な災害をもたらすものであり、先ほど言ったような理由で、当然われわれはその禁止を求める力はあるのでありまして、憲法上の今の解釈を私はしましたからといって、決してこれらの国々のやっておるところの実験そのものを反省を求めるということについて、ちっとも理由を弱めるものだとは私は考えておりません。
この発言だけを見る →秋
秋山長造#21
○秋山長造君 私はいろいろ御答弁を聞きましても納得が全然行かない。一体核兵器の問題について、その政策的に持つ持たぬという問題と、憲法上持っていかぬものであるかどうかという問題は、なぜ使い分けなければならぬのか、使い分けの必要がどこから出てくるのだろうかということについて、どうしてもこれは承服できない。一体これは端的に最後にお伺いしますが、今度アメリカへ行かれて原子戦略の問題がこれは必ず持ち出されると思う。そのときにやっぱり総理大臣としては、内々は日本も核兵器で武装しようという底意を持っておられるのじゃないか。今それを表明することは国民感情に反するから口には出されぬ、そぶりは見せられぬけれども、行く行くは核兵器で日本の自衛隊というものを武装しようという伏線があるのではないか。あるいはまたアメリカから原子力自衛部隊の日本駐留という問題もありましたが、こういう問題に対しても必ずしも絶対にノーという返事ができないような、何か伏線があるじゃないか。アデナウアー首相は公然と原子力で武装するということを天下に声明している。公然と踏み切った。あなたはこれはこそこそとやっぱり国民に知らせないで、こっそり原子力武装に対して踏み切らざるを得ないというようなことになってくるじゃないかという、私は非常な不安と疑問を持つのです。その点に対する総理大臣としての態度を、これはもうこの際はっきり国民の前に明らかにしておいていただきたい。
この発言だけを見る →岸
岸信介#22
○国務大臣(岸信介君) 私はかねてアメリカの原子力部隊が日本に駐留するということに対して、はっきり私の所信を明らかにしておりますように、それは拒否するということを従来もとっておりますし、今後におきましてもたとえアメリカへ行っていろいろ話が出ましても、その考え方には違いありませんし、そうして日本の自衛隊を原子力をもって武装するという考えは毛頭持っておらない、ということを明確に申し上げておきます。
この発言だけを見る →田
田畑金光#23
○田畑金光君 岸総理の先ほど来の答弁を承わりまして感じたわけでありますが、憲法の解釈についても相当また発展して参ったわけであります。その点については後刻伺うことにいたしまして、近く東南アジアを訪問する、あるいは米国に行かれる、これに関連いたしまして、昨日もアメリカの方から三月の参議院の原水爆禁止に関する決議案に対しまして、回答が参っておるわけであります。すなわちその内容は、アメリカは一切の核兵器実験を制限し、これを全廃することの努力を続けているが、核兵器の統制及び処理に関する有効な取りきめがきまるまでは、自由世界の安全保障のために実験禁止するわけには行かぬ、こういう態度でいるわけであります。このことはまた同時に、総理の特使としてイギリスに渡られた、松下特使に対する英国政府の態度も、同様であるわけであります。こういう情勢に対しまして、総理はなお原水爆禁止に関する世界の世論に訴えるという努力をなされる御方針であるのかどうか。ことにまた松下特使からの意見といたしまして、国際司法裁判所への提訴等も勧告されておるように聞いておりまするが、政府といたしましても国際司法裁判所への提訴等も検討中、こういうことも聞いておるわけであります。こういう点に関しまして政府といたしましてはなお今後世界の大国に対し、あるいはまた国連に対し、あるいは世界の世論に対しまして、こういう努力を続けるという御意思であるかどうか。
この発言だけを見る →岸
岸信介#24
○国務大臣(岸信介君) 原水爆等の実験禁止の問題に関しましては、私ども、ことに私は終始一貫してこれが禁止に向ってあらゆる努力を続けて参っておりますが、今までのところいまだその目的を達せないわけであります。今後といえども私はあらゆる方法でこの禁止に向って努力をするつもりであります。司法裁判所の提訴の問題につきましても、いろいろ法律的な検討やその他を十分検討いたしております。また国連に対しましてもさらに有効な方法でこれが禁止に向っての方法を講じて参るという、あらゆる努力を今後といえどもさらに一そう強く続けていきたい考えでございます。
この発言だけを見る →田
田畑金光#25
○田畑金光君 東南アジアにおいでになりました場合にも、当然東南アジアを六ヵ国回られますが、この六ヵ国の中にはコロンボ・グループ諸国とSEATOに参加しておる国があるわけであります。タイ国にいたしましてもパキスタンにいたしましてもSEATOに参加いたしております。しかしインド、ビルマ、セイロンという諸国はいわゆるコロンボ・グループの諸国であります。従いましてこの二つのグループはそれぞれの国防方針等において異なった形をとっておるわけであります。外交においても同様であります。ことに過般セイロンのバンダラナイケ総理は英国のクリスマス実験を前にいたしまして、セイロンが音頭をとって世界の世論に訴える運動を起したい、こういうこと等も言っておられますが、ネールとも会談されあるいはバンダラナイケとも会談される総理は、こういうコロンボ・グループの諸国とともに、今お話のようなもし決意があるといたしますならば、当然核兵器の禁止等に対する世界世論のアッピールということがなされてしかるべきだと考えますが、この点はどうお思いになりましょうか。
この発言だけを見る →岸
岸信介#26
○国務大臣(岸信介君) このたび東南アジア六ヵ国を歴訪するにつきまして、当然この原水爆実験禁止等の問題に関しまして、これらの諸国の首脳部と意見を交換するということになると思います。しこうしてこれらの国々の立場というものは、今御指摘になりましたように相違もしておりますけれども、私どもが世界に呼びかけておるこの精神そのものについては、おそらくこれらの国々も私は高い人道的な見地からいって当然賛成を得る問題であると思います。従いまして今回の東南アジア訪問も、やはりこの御指摘のように禁止に対して世界の世論をさらに高めることに役立てるということができれば非常に仕合せだと、こう考えております。
この発言だけを見る →田
田畑金光#27
○田畑金光君 私は具体的にネールやバンダラナイケや、あるいはウ・ヌー総理とお会いになって、これらの諸国が原水爆禁止に対する世界世論の喚起をやろうという呼びかけに対しまして、総理はこれに応ずる具体的な準備を携行されるかどうか。同時にまた今度おいでになるタイにいたしましても、パキスタンにいたしましてもSEATOに参加しておる諸国であります。ところが五月二日から開かれたNATOの会議を見ましても、すでにNATOの加盟諸国も原子武装に踏み切っておるわけであります。時期はおそかれ早かれの問題にすぎません。ところがこういう傾向はすでにアメリカの世界政策でありまするから、NATOがそれに踏み切った、私は次にはSEATOにくるとこう考えておりますが、そういう質的な違いがあるわけであります。そういうような諸国を訪問されまするが、そういう諸国に対しまして、特にこの原子核兵器の問題あるいは原子核兵器の実験の問題等と関連いたしまして、SEATOに参加する諸国に対する態度と、そうでない諸国に対する態度に関しまして、どういう態度でいかれるのか、これをはっきりお聞きしたいと思います。
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岸信介#28
○国務大臣(岸信介君) それは先ほど申し上げましたように、私は日本の態度、立場、主張というものは、相手国の立場、態度によってそれで私の方が態度を変える必要は毛頭ないと考えます。のみならず今おあげになりましたNATOやSEATOの中心であるところのアメリカやイギリスに対しましても、私どもは真正面からその禁止、中止を、要望しておるのであります。従って向う側のいかんにかかわらず日本としての主張、日本としての考えというものはすべて一貫して私としてはいきたい。そしてまた向うからの働きかけではなしに、私の方から、実はこの問題については、すでに世界のうちにおいて一番積極的にすでに強く意見を主張しておる国は日本でありますから、その日本の立場から、これらの国国に私はむしろ働きかける、ということは言えるかどうかしりませんけれども、私の方から意見を述べて、そして世界の世論の興起に協力してもらうという態度に出たいと思っております。
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田畑金光#29
○田畑金光君 それでわかりましたが、原子力基本法は原子力の研究、開発、利用の全部門を平和の目的に限りということをうたっておるのであります。そしてこのことは日本のあらゆる原子科学者の総意でもあるし、世論の支持のもとに原子力基本法というものは生れているわけであります。これは原子力に対する日本の大方針だと考えます。で、こういうことを考えて参りましたときに、この方針というものは、少くとも日本に関する限りは原子力というものは平和利用に限るんだ、従って武力にはこれは用いないのだという前提のもとに、原子力基本法は確立されていると考えます。私は先ほどの秋山君に対する答弁をお聞きいたしまして、まことに解釈の混乱を来たしたわけでありますが、少くとも原子力は兵器に用いないのだ、あくまで平和目的のために日本は国策として、政治の大方針として進めるのだ、このことは岸総理としては認められてよろしいと考えまするか、どういうようなものでしょうか。
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