八木邦継の発言 (農林水産委員会)
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○参考人(八木邦継君) 八木でございます。私は、県会議員としての立場から参考人として呼ばれたわけでありますが、県会議員という立場と同時に、ただいま供述しました内湾漁業の関係で、その相談的立場にありますので、二つの立場に立って、実は本問題が昨秋来きわめて先鋭化しました時期から、この円満処理に何らか寄与できたならばというわけで、協議整うべくこのあっせんに乗り出したというのが私の立場でございます。
これを私どもの県議会の立場から申しますると、いわゆる横浜市の終戦後から今日までの現状は、何と申しましても、貿易港本来の使命が壊滅に瀕しておるといってもひとしい、そういうことが言えると存じますけれども、そういうことから、今後の横浜市の発展策をどうしたらいいか。そうすると、やはり工業都市化しなければならない。工業都市化するためにはどうしたらいいか。埋め立てして、臨海工業地帯の造成ということに相なるわけでございます。この臨海工業地帯の造成ということに相なりますと、当然問題となるのが、いわゆる漁業者との大きなギャップをどういうふうに調整するか。この点では県議会にも、実は本委員会に請願されておりますと同様の趣旨の陳情が出ております。ところが、現在までの段階におきましては、県議会は、請願をしておる、何らか横浜市の当局とそして漁民との間に話し合いがととのわないことはないだろうというような考え方から、目下地元でもって直接話し合いをするようにというような態度をとっております。これが私の県議会議員としての立場であります。
同時に、たまたまこの問題に対してあっせんに当っておるという立場から申し上げますと、正直に申して、奥村県漁連の会長の話はまさにその通りであろうと思います。横浜市の従来の水産行政、いわゆる産業、経済行政に対する態度と申しますか、これは私から批判しますと、全くゼロにひとしい。ことのほか水産業に関しましては、あまり関心がなかった。そういうところから、本問題が非常に紛糾をして参りました直接の原因があったわけであります。ここようやくにして、一、二年来、水産業に対する視野を市の行政の面で向け出したというのが現状でありまして、いわゆる水産業に対する基本的な認識が欠けておったことが、この問題がかようになった原因でございます。そこで漁民の立場から申しますと、勢い、横浜市は親子の関係だといいますけれども、親がたよりにならぬから、従って参議院の本委員会の方に請願を持ち出した。この事情は私は当然ではないかと思います。
ところが、まあ当然とはいいながら、やはり横浜全市的な関係から考えて参りますると、この直接当面しておりまするいわゆる根岸線の建設問題、これが、臨海工業地帯の造成が不可能である、こういうことになりますると、勢い、一番肝心かなめな、いわゆる根岸線の建設が御破算になってしまう。これを、全市民的視野から考えますると、非常におそれております。直接この根岸湾の関係で、磯子区、中区という所なんでありますが、選出しております県、市会議員団としましても、今日の段階ではきわめて苦境に立っておる。私は、その隣接の地帯に住んでおりますけれども、地元の県、市会議員団も、去る二十三日でございますが、漁民の方々と会いまして、そして何とか話しの結着をつけたい熱意に燃えて、会見はいたしておりますけれども、結局のところ、その中区、磯子区の選出されております県、市会議員団は、漁民の諸君に、率直に、これまでのいきさつに対して、何らか漁民だけはつんぼさじきに置いたような形になっている。これに対して明確な釈明をいたしまして、陳謝の意を表明しておる、そして今後寸土といえども、この埋め立ては、漁民の理解と納得のない限り、断じて埋め立てをさせないという申し合せを行なったわけであります。これは、私がその会議に臨んでおりまして、直接関連をしておりまする地元の県、市会議員というものが、そういう考えになっておる。あくまでもこれを納得づくで解決しようじゃないか、こういう傾向でございますが、それが、そういうわけでございますけれども、たまたま本年に入りましてから、新聞報道等が、きわめて漁民を刺激するようなやり方である。刺激をしようとしまいと、漁民の立場は、生活権を奪われるのですから、そんなことはどうでもかまいませんけれども、これがさらによけいな騒動の原因になった。そして、これを第三者の立場から見ますると、何か横浜市がそういう放送をして、新聞に書き立てさして、そして漁民だけが悪いのだ、根岸線の建設問題ができないということは、漁民が納得しないから、漁民が無理解だからできないのだ、そうなってしまうのだというような、そういう非常に世論から、横浜市の世論からいって追い詰められている。私は漁民の立場を率直にくみますると、まことに現状に追い込まれましたことに、窮鼠ネコをかむような気持でございます。これは、やはりくんでいかなきゃならぬ。このことを横浜市の当局に対しましても、強く認識をするように要請はして参りました。
そこで、一昨日、二十四日の日に、漁民の全部の方と横浜市の理事者並びに議会の代表との会見を持ったわけでありますが、これが、まあ私、奥村さん、済田さんという形であっせん役を買いまして、会見が行われました。この会見の席上におきましても、横浜市から発表されまする意見の内容が、水産業に対する考慮、配慮というものが何らなかった。これは、もうきわめて遺憾である。これは、私がきわめて厳正、中立に司会しなければならぬ立場でありますけれども、第三者の立場でも、その点は遺憾であった。それから、漁業者がきわめて激高する状況にあった。とどのつまり、そういう大衆討議ではいけないから、いずれにしましても、漁民の立場から申しますると、横浜市の最高首脳部に対して、もう少し水産業に対する根本的認識を改めてほしいという気持から、横浜市の方では、この話を何とか円満に終止したいという気持から、協議会を持つことになりました。これは、さいぜん実行委員会の委員長が申しました通り、必ずしも現段階におきましては、漁民の方が賛成するための協議機関を設置するわけではありません。いずれにしても、横浜市と横浜市民との関係でございますので、地元でもって十分に静かな形で一つ話し合いをしてみようじゃないか、こういうわけで、近々この協議機関なるものは持つことに相なっております。相なっておりますけれども、必ずしも、この協議機関を設置することに結論が一応出たからといって、直ちにこの問題に対して漁民の方で賛成するんだという意味ではありません。
これが現状のままを私から申し上げさしていただいたわけでありまして、私自身は何らかこの最大の横浜市の問題に対して円満な線が現地で局地的に解決ができればよろしいのではないか、まあそういうことが望ましいのじゃないかというふうに考えておりまして、必ずしも埋め立ての問題に対して賛否ということは、現在の私の立場からは申し上げません。