榊原亨の発言 (本会議)
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○榊原亨君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております三案に対し、修正案並びに修正部分を除く原案に賛成を表するものであります。
この法案の目的は、政府が提案理由一として述べましたように、健康保険事業の健全なる発展とその合理化をはかるのが目的であります。自由民主党の重要なる政策の一つであるところの国民皆保険実現のために、ぜひとも必要なる前措置の一部をなすものでありまして、すなわち国民皆保険というりっぱな殿堂を打ち建てますための土台作りの一部をなすものであります。今後、いろいろなる基礎的整備の必要なることは申すまでもありません。たまたまこの法案が、保険関係者に対する規正という、山を削るというような面が多い部分であったために、関係者から非常なる誤解と反対を示されたのでありまするが、一このことは、今後におきまして近い将来、さらにこの土台作りの全貌が示さるるに至りまして、山を削るばかりでなく、谷を埋めるという措置も、漸次その全貌を現わすに至りましたならば、必ずやこれらの方々の十分なる理解と協力を得るに至るものと、固く私どもは信ずるものであります。(拍手)
この法案は、委員長の報告の通り、政府管掌健康保険事業の執行に要する費用の国庫補助を初めとし、事業主、被保険者、医療担当者に関する諸事項の改正でありまするが、特に議論の中心をなしますところの国庫の補助率の問題、標準報酬の問題、診療費の被保険者の一部負担の問題、医療機関の指定と保険医の登録の問題、医療担当者に対する指導と監督の諸問題が最も重要でございまするが、審査の問題に関しましては、これはすでに衆議院において修正を受けておりますので、この問題には触れませんが、私ども自由民主党の根本的の、この問題等の解決に対するところの考え方といたしましては、何といたしましても、社会保障制度の健全なる発展をいたしまするには、一つには受益の均等化ということかまず第一番目に必要な問題であると考えております。第二の問題といたしましては、受益者の保険に対する個人的責任の自覚ということであります。第三番目には、保険に対する費用の効率的使用ということであると思うのでとざいまするが、私がただいまあげましところの受益の均等化ということにつきましては、国の予算をいかに使うかというような議論はのけるといたしましても、社会保障の恩典を均等化して、あまねく国民に普遍的に与えるということは、特に現在、いまだ三千万に近いところの人々が保険の恩典に浴しない現状といたしましては、何といたしましても、第一番目に考えるべきことは、受益の均等化であると私は考える。先ほど木下君のお話になりましたように、国民健康保険の問題につきましても、また、五人未満の被保険者の問題につきましても、これらは、わが自由民主党といたしましても、早急に解決すべき問題とは信ずるのでございまするが、これには順を追うてやるべきでありまして、ただいまの現状といたしましては、何といたしましても、受益の均等化をはかるべきものと考えておるのであります。
第二の問題といたしましては、受益者個人の保険に対する責任の自覚ということであります。たとえば、これを、先ほど問題になりましたところの被保険者の一部負担の問題に触れてみますというと、病気になった者が受けますその受益、その受益のために、本人から受益者の負担として一部負担をするというような考え方、あるいはまた一部負担を増しまして受診率を低下させるというような考え方、これらの考え方以外に、さらに一部負担をしなければならぬというところであるのであります。と申しますのは、受益者自身が、自分の病気が被保険者全般に及ぼす影響を自覚いたしまして、進んで保険経済の健全化に寄与するために、これを自覚して、その費用の一端を負うという考えであります。そこにおいて、初めて社会保障と勤労意欲を阻害しないという二つの点について、十分なる健全化ができるのでありまして、これを外国に見ましても、また、わが国の現状を見ましても、わが自由民主党といたしましては、何といたしましても、この一部負担ということが保険の経済の上において最も必要なことと、私どもは信ずるのであります。
その第二の問題といたしましては、保険の経済の効率化ということでございまするが、この保険経済の費用を最も効率的に使うという問題につきましては、今さら申し上げることはないのであります。そこで、私どもといたしましては、これらの考えに向いまして、社会保険の健全なる推進を企図しておるのであります。そこで、先ほど問題となりましたところの国庫負担にいたしましても、それは、順を追うてこの問題を解決すべきでございまして、ただいまの段階といたしましては、この法案にきめられたように、国の予算の範囲において一定額を補助するということを規定し、さらに、前措置がことごとく整いました段階におきまして、さらに恒久的な定率の国庫補助ということをすべきものと私どもは考えております。
また、標準報酬の問題にいたしましても、給与ベースの上りました今日、その引き上げは適当なものと考えておるのでございまするが、今日、三千円の最低の低額所得者の現存しておる現状といたしましては、修正案のごとく、三千円を据え置くということが適当と私どもは考えておるのであります。被保険者の一部負担の増額につきましては、先ほど触れたところでございまするけれども、受診率の低下とか、あるいは受益者負担というような精神のほかに、さらに私どもは、ぜひとも一部負担をさすべきと考えておりまするが、この問題につきまして、ただ問題になりますのは、(「その問題だよ」と呼ぶ者あり)ただ額が、社会的評価の上から申しまして、被保険者の非常なる負担にならないように注意しなければならぬことは当然でございます。今回の修正案によりまするというと、初診の場合に、一回だけ百円までの診療費を負担するということと、入院の場合に、一カ月だけ一日三十円を負担するというのでございまして、それは、現今の経済的な社会評価から見まして、私どもは、さほど被保険者を重い負担に追い込むものではないと考えておるのでございますがしかしながら、この場合に、特殊な場合でございまして、なおかつ、これらの負担をも負うことができないような方々がございますならば、これには、ちゃんと生活保護法という制度が待っておるのでございます。従いまして、これらの者につきましては、生活保護法に依存すべきものと考えておるのであります。従いまして、この一部負担につきましては、ただいま提案せられました修正案に賛成するものでございまするし、なおかつ、その運営を十分考えまして、その実施の時期を七月一日に延期するということにつきましても、私どもは全く適当な措置と考えておるのであります。
先ほど問題になりました医療機関の指定ということは、在来におきましても、医療担当者の個人を指定した場合、あるいは現実の面において、事実上機関を指定せざるを得ない場合があったのでありまして、それらの混乱さは、ときにはいろいろな物議をかもしてきたのであります。従いまして、筋といたしましては、医療機関を指定するということが最も機宜を得た措置でありまして医療機関を指定するという以上は、その医療担当者の終身の登録をするということも当然であると考えておるのであります。しかしながら、その場合、その指定のやり方あるいは担当者に対する再登録の問題等について、これらが非民主的に行われるということについて、私どもは重大なる関心を持っておるのでありまして、これがもし政府の考えといたしまして、地域指定、あるいは定員制、あるいはいろいろな特殊な規格を要請されるというようなことは、あるいは指定の場合に、特別に官僚統制のようなきらいがあるということについて、十分なる警戒を要するのでありまして、その点につきましては、質疑応答の上において十分私どもは了解することができた。ただ問題は三年の期限ごとに、繁雑な手続をもって、再指定を受けるということは問題でありまして、これは実際におきまして医療担当者の非常な苦痛であります。従いまして、この点を簡素化いたしました今回の修正案に対しまして、賛成の意を表するわけであります。
医療担当者の指導監督につきましても、保険運営上から申しまして、指導監督は厳正であるべきが当然でありまして、これをことさら、指導監督というものが非常にやわらかであっていやという理屈は何らないのであります。ただ、私ども為政者といたしましては、これが民主的に行われるということが非常な必要なことであるし、また、医療の特殊性を十分に考慮して行われなければならぬという点であります。指導監督ということが正しく行われるということについては異議がないはずであります。これが民主的に行われるということについて、十分なる考えを持たなければならぬと思うのでございまして、これらの点につきましても、数回にわたるところの質疑において明らかなるところでありまして、これらの点につきましては、私ども十分に了解をし得ると考えておるのでございます。これらの問題に関しまして、法律上さらにいろいろ問題がありますが、(笑声)これを実現いたしますためには、……(発言する者多し)