岸信介の発言 (予算委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(岸信介君) 私は憲法、いわゆる自主憲法制定論者の一人でございます。私は現行憲法を尊重し、現行憲法を順守するということについてはあえて人後に落ちないものでありますが、しかしわれわれはわれわれの国の基準であり、基本であるところの憲法に対して、あらゆる点からこれを検討もし、これに対する自由な意見を述べるということは、これは民主政治、いま憲法が保障しておりまする民主主義言論の自由からいって私は当然であると思う。そして私の考えによれば、この憲法制定の由来及び制定された事情等から見まして、われわれがわれわれの憲法を一つ検討して自主的な憲法を作ろうという考えがあるのであります。しかし、しからばというて、私は現行憲法が認めておる大きな主義であり、基本であるところの民主主義や、あるいは平和主義、あるいは基本的人権を擁護するところの人権尊重の主義等の大きなこの柱は動かすべきものではないと私は確信をいたしております。いかにしてわれわれが民主主義を徹底し、また平和主義によって日本の安全保障を確保するか、あるいは基本的人権を擁護して行くかという問題について、われわれみずからが、民族みずからが考えて、民族みずからがこれを憲法として作り上げるという考えのもとに、私は今申すような憲法についての意見を持っておるわけでございます。
 小選挙区の問題につきましては、これを社会党の諸君が、自民党がこの憲法改正の考えと結び合してこれをやるのだというふうに論断をされておりますけれども、私が少くとも小選挙区案を考えておる根拠は、過日も申し上げましたが、私は本来、日本の民主政治を完成して行く上において、二大政党によって国会運営をすることが、一番望ましいという考えを持っておるのでございまして、この二大政党というものを健全に発展せしめ、そうして国民に選挙を通じてはっきり両政党の主張を明らかにし、国民がいずれを選ぶかというこの自由な判断によって投票するということを明確ならしめる意味から言うというと、一人一区を原則とするところの小選挙区制度が一番望ましいものであるという私は考えのもとに小選挙区を主張しておるのでありまして、二大政党論者である私の小選挙区への何は必然的な論理のように私は思うのであります。しかしそれには現実との間の調整の問題もありましょうし、困難なる区制の決定の問題もありますから、十分に研究をしなければならぬ問題でありますが、少くとも私が考えておるのは、この小選挙制と先ほど申した憲法の改正とか、あるいは自主憲法制定という考えとの間にはちっとも関連のない問題だと御理解願います。

発言情報

speech_id: 102615261X01219570319_017

発言者: 岸信介

speaker_id: 6788

日付: 1957-03-19

院: 参議院

会議名: 予算委員会