岸信介の発言 (予算委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(岸信介君) 憲法九条の解釈におきまして、これはいろいろな解釈上の議論がございますけれども、これがいわゆる自衛権を否定しておるものじゃない。われわれが国を持ち、民族がこういうふうに生活しておるという、この平和な状態が、急迫不正な方法によって侵害されるという場合において、われわれがみずから守り、この急迫不正の侵害を排除するという意味の自衛的な行動は・否認されておるものじやないという解釈につきましては、私はこれはそう解釈すべきものであり、またそれが同条の解釈の通説であると考えております。その意味において、われわれは常に国民が安全であると、自分たちの生活は他から不正急迫な侵略を受けないんだという一つの安心感を持つということが、政治の上から申しましても、またわれわれが平和な生活をしていく上から申しても、必要でありまして、その意味における自衛の手段としてこの自衛組織を持つというのが、われわれの考えでありまして、今日の国際情勢その他を見まするというと、もちろんわれわれは絶対の世界的平和を念願して、これを実現するように努力しなければなりませんけれども、しからばというて、自分たちがその理想を揚げ、理想を持っておる限りにおいては、いかなる場合においてもそういう侵略を受ないという保証というものは、実は残念ながらまだ全然ないのでござまして、みんながそういう安全感を持つのには、やはり一つの自衛の組織を持つ必要がある。しかも今日それでは世界が、われわれが、一国の力でいかなる侵略に対しても、いかなる事態に処しても自分たちを守り切るだけの防衛力というものを持ち得るかというと、それはできないから、集団保障、安全保障の機構が考えられる。日本は今、日米共同防衛の体制によって、日本の安全を保障するという体制になっておる。従って、その方向において今日はものを考えていくということになる、私はかように考えております。従って、決して私はこの平和主義戦争に日本が巻き込まれないようにするという考えから申しますというと、全然無防備で何も持たないということの方が、むしろ現在の国際情勢の判断からいうと危険であって、われわれが不正な侵略に対しては、とにかくわれわれみずからが守っておるという体制を持っておることは、むしろ平和主義を徹底する意味からいうて、現状の国際情勢からはそうせざるを得ない、かように考えておるわけであります。

発言情報

speech_id: 102615261X01219570319_019

発言者: 岸信介

speaker_id: 6788

日付: 1957-03-19

院: 参議院

会議名: 予算委員会