井出一太郎の発言 (予算委員会)
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○国務大臣(井出一太郎君) お答えいたします。東北、北陸地方におきまして、本年特に降雪が多かったということは御指摘の通りでございまして、私ども田村委員の御発言を一つの警鐘というような意味に承わりまして、遺憾なく対処をいたしたいと考えております。従来この地方が冷害によりまする影響を非常に強く受けますることは御指摘の通りでありまするし、同時にまたこの東北、北陸の地帯が日本の米作の半ば近い部分を受け持っておるということも、きわめて重要視しなければならない点でございます。二年続きの豊作を経験いたしたのでありますが、気象庁等における従来の統計から見ましても、なかなか三年続きの豊作は、これは記録にもきわめてまれのようでございます。従いまして今から心して試験研究の面におきまする動員態勢をとる、これを技術指導に結びつけまして、今から配慮いたしたいと思っておるのであります。それで、雪のために麦類であるとか、あるいは菜種などにも雪腐れ病などというものが発生いたすのであります。これに対しまする手当等も十分に考え、また稲につきましては、御発言の中にもありましたように、これは品種を選定する、危険分散というような意味で、今まで多収穫を目途とするおくてを余計作りたがるのでありますが、昨年北海道の例から徴しましても、危険分散の配意をいたしました農家は、あの悪い気象条件の中にも、とにかく平年作に近いところで食いとめておる事例があるのでございます。だからそういう意味で、品種の選定をいたす、あるいは保温折衷苗代の普及が近ごろは非常に著しくなって参りましたので、そういう意味から、やむを得ず健苗育成、健全なる苗を育成するという方面に力を注ぎたいと考えております。なおまた、いもち病の心配等もございまするので、これに対しましては、農薬の備蓄施設がだいぶ行き渡って参りましたので、一朝事ありまする場合には、その備蓄農薬というものがすぐに発動できる態勢はとれておるのであります。いずれにいたしましても、農林省としましては、都道府県に対しまして十分連絡、指導をいたし、これが農家に浸透して参る施策を万全にとりたいと考えているわけでございます。
まあこれらは大体予防的な心がまえでございまするが、従来の例もございまして、非常な凶作という場合に対処する道は、これはまた別途に講じなければなりませんが、それを未然に防ぐべく、できるならば一つここに三年続きの豊作という記録を打ち立て、戦後ずっと研さん努力をして参りました農業技術の成果というものが、今年あたりはその試金石ともいうべき年ではなかろうか、こういうようなつもりで万遺憾なきを期したい、かように考えている次第でございます。