岸信介の発言 (予算委員会)
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○国務大臣(岸信介君) 私とテボォシャン大使との会談の内容につきましては、昨日この席上でお答えを申しておきましたが、今御指摘のような漁業問題の解決と、貿易、通商の問題を関連せしめてこれを解決しようという提案は、その当時何にも私に提案された事実はございませんし、また一部の新聞に報道しておりましたように、私の方からそういう提案をしたがごとき新聞の報道も見受けるのでありますが、そういう事実も全然ございませんし、私は昨日も申し上げた通り、またかねて申し上げました通り、日ソの関係は一つ一つ友好関係を増進していく意味において問題を解決していく。漁業問題は今千田君がお話しの通り、これはきわめて科学的なあるいは統計的な専門家によって十分検討をされて、その結論を出すべきものでありまして、その委員会におけるそういう論議なり、研究なり、意見の交換というものは十分尽されております。しかしその結論においては、両者が一致しない状況にありますので、私はさらに国交正常化した第一歩のこの交渉において、将来の友好親善関係を増進する上からいうと、この問題をわれわれの主張しておるような点において、政治的にソ連政府としては大局的に考慮をしてもらわなければ、今の状態ではとうていわれわれは漁業問題を妥結することができないし、またそれができないということであれば、日ソ国交の増進の将来にとって、非常に私は遺憾な事態になると思うから、十分そういう点を大局的に考慮してもらいたいということを申し入れただけでありまして、テボシャン大使もそのことをよく了承して、本国政府へ申し送るということを約束して帰ったわけでありまして、この席上において貿易協定云々というようなことは、どちらからもそういうことは出ておりません。