山際正道の発言 (予算委員会)
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○参考人(山際正道君) 金融市場の逼迫は、年初来すでに予想されておったのではなかろうか。しからば、もっと早くこの措置を講ずべきではなかったかというお尋ねであります。年初来しばしば国庫収支の予想を立て、加うるに、ただいま申し上げましたように、国庫収支の違いの相当大きな部分でありまする外為会計の予測等も加えまして、いろいろ判定をいたしており、相当急迫する事態に向いつつあるということは予想しておったのであります。そのために、高率適用のワクを拡大するということも一つのむろん方法ではございますけれども、同時にまた、吸収された政府の資金がなるべく早く民間に還元をするということを促進するのも、また一つの方法であろうとし実は考えました。これは、日銀信用を先に使うか、あるいは蓄積されてたな上げになっておる政府資金の放出を先に考えるかという判断の問題になりますのですが、私が当時考えましたのは、なるべくこの蓄積された資金、たとえば一般会計ではありませず、預金部でありますとか、あるいは簡易保険でありますとか、そういった経済的資金の政府によって吸収せられ、これが市場から姿を消しておるという部分については、早い還元をまず望むべきではなかろうかということで、大蔵当局にもいろいろ御相談申し上げ、御承知の通り、十二月、一月、二月、三月と続きまして、預金部から七百億円がすでに放出せられ、また、国庫の一部分が今後放出することになっておるのであります。しかもなお、この際、この国庫収支の引き揚げ超過のために生ずる金融圧迫は、その程度では緩和できませんので、根本的にここに、高率適用制度の緩和をはかったわけなのでございますが、大体、日銀信用のワクをいじりますということは、その影響する範囲、そのもちます意味、そのことの与える世間の印象等、いろいろ複雑に考慮を要する点でありますので、私といたしましては、ただいま御指摘のごとく、その点は非常に慎重に考えまして、各方面の御意見等を十分承わり、結局その判断を固めまして、先ほど申し上げましたように、年度末を控えてこの時期にこれを実行する、こういう決意をいたしたわけであります。非常におくれて、そのために大きな金融上の弊害を生じたということには、実は私自身考えておりませんので、まずこのときが、大体いわゆる機の熱した時期ではなかったか、かように考えておるのでございます。国庫収支から生ずる波をぜひともこれを緩和するように考えねばならぬという御意見につきましては、全く私も御同感でございます。今の国庫制度は、収入と支出が大体各月別に均衡をして、放出して吸い上げられるようになっておるのでありますが、実は、今後におきましては、国際収支の関係は別にしまして、一般会計に関する限りにおきましては、建前は相当均衡がとれて参ることに相なっておるということで、それに信頼をいたしておるわけであります。
ただ、申し上げますまでもなく、租税収入が自然増収等で非常に多くなったということは、経済の繁栄の度合が予測以上に大きかったということの反映でございますし、また、国際収支の動向云々は、これはまた、必ずしも一般会計自体の国庫収支からくる問題でもございません。国民経済全体の趨勢からくる判断でございますが、これも、相なるべくは十分な御調査、十分な予測のもとに、なるべく国庫収支からは金融上の波の立たないようにお運びを願いたい。これは日本銀行のお願いをいたしておる点でございます。ただ、何人も予測せざる事態によって生じまする波につきましては、金融上の調節によってこの金融の疎通をはかりますることは、日本銀行に与えられた職務でございますので、これは、その範囲のことは十分にいたしますけれども、どうか、見込みといたしましては、国庫収支から大きな波が立ちまして、それが金融の情勢に大きな影響を持つようなことのございませんように、十分にその点は、予算その他財政措置の実行についても、御審議をわずらわしたいと考えておる次第でございます。