山際正道の発言 (予算委員会)

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○参考人(山際正道君) 第一のお尋ねの高率適用緩和の結果が現在コール市場にどういう影響を与えておるかというお尋ねであります。新措置をいたしましてから一両日経過したにとどまるのでございまするが、まず第一には、コール・レートはだいぶ下りまして、むろん三銭というようなコールはございませず、大体ただいま、月越しものとか、長いコールというものはだんだん少くなりまして、ほんとうの当座の資金の余裕の出合いという範囲に自然戻りつつあるわけでございまして、たとえば、コール・レートのごときも平均いたしまして、これはなかなか実態はつかみにくうございますけれども、三、四厘は確かに下っておるだろうと思うのです。今度の引き上げの結果、いわゆる優良な一般手形を担保とする貸し出しでも、二銭三厘程度で参れると思うのでありまするが、そうなりますと、コール・レートも、まあ二銭三、四厘の程度で落ちつくというふうに考えられるのでありまして、実施後ただ一両日を経たにすぎませんから、まだ的確な結果は出ておりませんけれども、見込みといたしましては、大体その辺を中心に最高がきまってくるのではないか。現に近ごろは、この一両日はコール市場はまさに取り手の市場になりまして、だいぶ余りましたコールが非常に安いレートで融通されておるという状態まで戻っておるようでありまして、日本銀行の公定歩合と権衡のとれた、低いコール・レートになってくるだろうと予想いたしております。
 ただ、それとあわせて重要なことは、コール・レートが異常に高い結果、コール市場というものが、ほんとうの余裕金のごく短時間の出合いということ以外に、一つの利殖の場のように利用されるという傾向が現われて参ったのであります。たとえば、本来預金にしておくはずのものをコール市場に放出するとか、あるいは社債を買うのを見送って、しばらくコール市場で遊ばせるというようなことが行われがちであったのでありますけれども、こういう好ましからざる秩序というものは、今回の措置によりまして、漸次そのあるべき姿に帰りつつあるということが申し上げられると思うのでありまして、この点が今回の高率適用制度の及ぼす一つの影響として、私の最も重要視しておる点でございます。
 それから、今回の公定歩合引き上げの結果が市中金利にいかなる影響を及ぼすであろうか。日本としては、世界主要国に比べれば、金利水準は依然として高いのであるからして、これが引き上げをされて、その結果が輸出貿易その他に影響を及ぼすような金利であってはどうかと思うが、というような趣旨のお尋ねであったかと思うのでありますが、その点につきましては、私は、今回の公定歩合が、いわゆる一般金利水準の引き上げであるとか、あるいは有価証券その他の発行条件なり、長期の金利に直接影響を及ぼすというところまで実は考えない範囲で決定をいたしたのであります。従って、わずか一厘ということに相なりまするけれども、その意図は、これによって一般金利水準を上げるとか、ただいま申しましたような、有価証券の発行条件にこの機会として再検討を加えるとかいう意図は持たぬということの表明と、御理解願いたいと思うのであります。
 ただ、実際問題といたしますと、過去の非常な金融のゆるみがございました結果、貸し出し競争が相当激しかったことはいなみがたい事実でございまして、そのために、特殊なものについては、特段の低利の金融が行われておったことがあると思うのでございます。これがやはり一連の措置と関連いたしまして、正常な姿に戻り、あるべき適当な金利におさまるという意味の修正は、これは行われる可能性はあろうと思いますけれども、これによって、市中金利が一般的に上るという情勢には立ち至らぬと考えまするし、私は、この場合、この措置を契機として、そこまでのことを期待はいたしておりませんのでありまして、しばらく、何と申しますか、金融市場なりあるいは金融機関の融資態度等に対する地ならしと申しますか、秩序立てることそのことについて、これが一つの契機となることを期待しているにとどまるのでございます。

発言情報

speech_id: 102615261X01519570323_014

発言者: 山際正道

speaker_id: 6280

日付: 1957-03-23

院: 参議院

会議名: 予算委員会