山際正道の発言 (予算委員会)

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○参考人(山際正道君) しばしば私が、今後は弾力的な金融政策を日本銀行としてとり、それがためには、基礎を固める意味において、今回の措置を実行したのであるということを申し上げておることにつきまして、そのいわゆる弾力的とはいかなる傾向を持つものであるかというお尋ねであったと思うのでありまするが、今、当面の事態として、日本の経済の前途を考えておりまする者の心配は、やはりこの金融で申しますと、オーバー・ローンを避ける、物価騰貴を阻止する、あるいは国際収支の取り返しのつかぬ不均衡を招来しないように維持するという、各種の点に帰着するであろうと思います。その方面から申しますと、日本銀行といたしましては、どっちかというと、一口に言えば、金融を引き締めるという方面に弾力的に動かなければならないという機会の方が多く予想されると思います。むろん、世界情勢その他の推移によりまして、金融が非常にゆるんで参りまする情勢になりますれば、これはむろん、ちゅうちょするところなく、金融を緩和する方向に弾力的に運用せられるべきでございましょうけれども、当面の場合としては、おそらく皆さんは、そういうふうに、金融引き締めの方に弾力的に動くという場合をお考えになっていらっしゃるのではないかと考えます。現在の段階におきましては、しばしば申し上げますように、投資需要を金融の供給力、すなわち健全金融の範囲において確保する。少くともその原則をここではっきり確立するということが先決問題だと思うのであります。そのために、一面におきましては、金融の供給力、すなわち、国民貯蓄の増強等に努力をいたしまして、供給力をふやすことはむろんでございまするけれども、それでもなお、その需要が供給を超える部分につきましては、これはどうしても、これを阻止しなければならない。さような場合に、日本銀行が金利政策その他によってこれを阻止することが必要であるという段階におきましては、私は、ちゅうちょするところなく、金利の引き上げその他によって、この趨勢を阻止することに最善の努力をいたす考えでございます。貨幣価値を維持するということは、日本の経済建設、貿易の振興には欠くべからざる最大の前提であることは、これは申し上げるまでもないのでありまして、そのために必要なる措置は、私は、ちゅうちょなく、今後は発動をするという意思を表示いたしたいのでございます。それについて、一体この金融をつかさどる日銀総裁、大蔵大臣その他政府当局との間において、いかに調整しながら、さようなことをやっていくのであるかというお尋ねがございましたが、日銀総裁がこの金融調整のために行い得ますところの手段なり方法、手続等は、日本銀行法によって命ぜられておるのでございまして、私は、日本銀行法を順奉いたしまして、その与えられておりまする権限は、みずから信ずるところによって、ちゅうちょなく実行いたしたいと考えております。しからば、現在の日本銀行法において、一体この金融に関する責任と申しまするか、あるいは権限と申しまするか、それは、政府との間にどうなるのかというお尋ねでございまするが、私は、管理通貨制度をとっておりまする日本の現状において、単に大蔵当局ばかりでなしに、物資需給をつかさどる各種の政府当局その他と十分な協調連絡を保つことは、これはもう当然必要な措置と思うのであります。しかしながら、日本銀行自体といたしましては、法律に与えられました権限に基きまして、その総合的判断の上に、みずからその責任において与えられた権能を実行するということは、これまた当然の義務だと思うのであります。その処理は、実際は、それは管理通貨制度という大きな建前のもとに、非常にむずかしい問題があろうと思います。しかし、われわれは、各金融当局にいたしましても、あるいは物資需給の調整をつかさどる当局にいたしましても、科学的な精細な調査資料を基礎にいたしますならば、そう大きな見解の相違があろうはずはないと実は思います。相なるべくは各般の調査資料、統計資料等を十分に検討し合いまして、これにより、なるべくその結論を帰一させることにいたしますけれども、日本銀行としてみずからの判断で動かすべきところは、十分に、顧慮するとろなく動かしたいと考えております。
 御指摘の日本銀行法は、これは戦時の立法でございますので、今日の事態を考えますと、いろいろ改正を要する点が多いと思います。すみやかに御審議を願って、御改正願うのがまことに望ましいことであり、政府当局といたされましても、金融制度調査会にこれを付議すべきことを、かねてその御意図として御発表になっておりますので、われわれは、金融制度調査会の議題といたしまして、慎重に御検討に相なり、そうしてまた、それが皆様の御審議によって改正されるという日をわれわれはむしろ期待をいたしておるような立場にございます。
 なお、質問の点で落ちている点がございますれば、付け加えさせていただきたいと思います。

発言情報

speech_id: 102615261X01519570323_016

発言者: 山際正道

speaker_id: 6280

日付: 1957-03-23

院: 参議院

会議名: 予算委員会