岸信介の発言 (予算委員会)
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○国務大臣(岸信介君) 漁業委員会は、開催されましてから相当回数委員会を重ね、また小委員会においてそれぞれの両国の専門家の間に科学的な資料について検討をされたのでありますが、ソ連側におきましては、本年度のサケ、マスの漁獲高について十万トン、八万トンという昨年の五月にイシコフ、河野両大臣の間に一応の話し合いがあります。この数字にこだわって、それを強く主張しておったのでありますが、これは当時の状況から見まして、いろいろな条件のある数字でございまして、決してこれで本年度の数字がきまったわけでないというのがわが方の主張でありました。両方の主張が対立して、停頓した状況になりましたので、私はテボシャン大使を呼んで、せっかく両国の国交が正常化されて、今後ますますこの友好親善の関係を強めていかなければならないその当初に当って、漁業問題について根本的な意見の対立でこれが解決を見ないということでは、はなはだ将来が危ぶまれる状況になると思っておる。自分たちの考えでは、せっかく国交が正常化せられた今日において、また将来友好関係が深められようという際において、国交の正常化がなかった昨年よりも下回るような漁獲高になるということは、とうてい国民感情として了承できないことである。ソ連政府が大局的な見地からこの問題を一つ再考して、そしてこの問題の円滑なる解決をするように考慮してもらいたいということを申し入れまして、これに対してテボシャン大使は、ソ連の政府の意向をもたらして、ソ連政府としても大局的見地から一つの案を提案するという意味をもちまして、数字については、本年度は従来の主張であった十万トン、八万トンの数字にこだわらない一つの数字を提案して、またそれに関連してオホーツク海における漁業の制限問題を提案して参ったのでございます。これにつきましては、その後この提案について鋭意両国の委員の間に論議が重ねられて参りまして、今まだ結論を得ないというのが従来の大体の経過並びに現在の段階でございます。詳しいソ連側の最後の提案の内容や、あるいはそれについてのこちら側の意見等につきましては、今、両国の間に、委員の間に交渉が行われておる際でありますから、私が今申し上げました程度以上の詳細な事実は、まだ申し上げかねるというのが現状でございます。