内村清次の発言 (予算委員会)

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○内村清次君 第三分科会における審査の経過を御報告申し上げます。
 第三公科会に付託されました案件は、昭和三十二年度予算三案のうち農林省、運輸省及び建設省所管に関するものでございます。分科会におきましては、二十九、三十の両日並びに本日の午前にわたりまして、順次所管予算につきまして、政府当局から説明を聴取し、質疑を行い、慎重に審査を行いました。その詳細につきましては会議録によって御承知を願うことといたしまして、ここでは質疑応答のうちおもなるもの若干を御報告申し上げるにとどめたいと存じます。
 まず農林省所管におきましては、河野農政は流通過程の合理化、適地、適作というように経済的色彩の強いものであったと思うが、井出農政の性格はどうかという質疑がございました。これに対しましては、井出農林大臣から、農業のような地味な産業は、従来と抜本的に変った政策を打ち出すことは容易でないが、同じ自民党の内閣であるので、前大臣の行なった政策の中で重要なものは踏襲していく、言いかえるならば、食糧の自給度向上を基調とし、しかも畑作、畜産等にも重点をおき、さらに新農村振興対策も拡充していく方針である、井出農政としての味は今後地味ではあるが徐々に出していきたいという答弁がございました。また、国営かんがい排水、国営干拓等の事業は、特定土地改良事業特別会計が新設されても、従来一般会計から立てかえていた地元負担分を、資金運用部から借り入れるだけであるから、一般会計の負担は軽くなるとしても、事業量は増加しないのではないか、食糧増産に比して水産資源確保の施策が貧困ではないか等の質疑がございましたが、これに対しましては、農林当局から、国営かんがい排水、国営干拓事業等は、今まで一般会計の予算だけで当該年度の事業を行い、地元負担分をあとから回収していたが、今度はこの地元負担分を先に資金運用部から借り入れて事業ができるので、最低限度資金運用部からの借り入れ分だけは、特別会計設置による事業量の増加になる、しかしこれらの事業については、政府は今後七カ年で完了するという方針をきめておるので、この方針決定の方が大きな要素である。水産増殖の経費は本年度は一億九千万円、来年度は二億一千五百万円であるが、本年度分のうち四千八百万円は当年度限りの経費であるので、それを差し引いたものと対比すれば、約五割の増加である。水質汚濁の問題については関係各省と協議して水質汚濁防止法を作りたいとの答弁がございました。農林省所管におきましては、このほか米価、日ソ漁業交渉の問題等について、特に熱心な質疑が行われましたことをつけ加えておきます。
 次に建設省所管について申し上げます。建設省所管におきましてば、治山治水緊急五カ年計画は、二十八年に決定した治山治水基本対策要綱と照合して、どの程度に取り上げているか、道路整備は五カ年計画を取りやめて十カ年計画にし、一級国道は全部舗装する考えで進んでいるとのことであるが、河川改修の方も同じ考えを取り入れて並行して進める考えはないか。また住宅は三十二年度に五十万戸作るということであるが、災害等による滅失分を差し引けばどのくらいの数になるか等の質疑がございましたが、これに対しましては、建設当局から、治山治水緊急五カ年計画は、基本的には治山治水基本対策要綱の一兆八千億円に基礎をおいておるが、そのうち特に緊急を要する河川を各種類別に選び、五カ年間にやる予定にしたものであり、経済企画庁の五カ年計画とも歩調を合せてある。総事業費は五カ年間で三千二百億円、うち国費は二千六百億円となっておる。河川改修にも道路整備と同じ考えを入れて促進をはかれという点については、河川の数は全部を加えるとおびただしい数に上るので、十カ年くらいで完成するには莫大な経費がかかるが、財源さえ許すならば異存はない。また住宅の数は毎年二十万戸くらいずつ滅失があるので、三十二年度五十万戸作っても、純増は三十万戸になる。五カ年計画で二百四十万戸作るためには三百四十万戸作らねばならないことになるから、今後さらに財政資金による分も民間自力による分もふやしていく必要があるという答弁がございました。
 最後に運輸省所管について申し上げます。運輸省所管におきましては、このたび造船の利子補給は停止されたが、一方において最近における造船コストの値上りに対し何らか施策の必要はないか、という質疑がございましたが、これに対しましては、運輸省当局から、造船コストの値上りは世界的なものであり、利子補給の面で補ってやるわけにはいかないが、海運の助成については、ドイツ等でもやっておることであり、今後も必要と思うという答弁がございました。国鉄につきましては、私鉄の運賃値上げについては、一律値上げを認める考えはないけれども、認めるかいなかは個々についてきめるということであるが、現在値上げを申請しておる会社は私鉄二百数十社のうちどのくらいか、またいわゆる大手十三社は国鉄の見た観点から値上げ申請の可能性はあると思うか等の質疑がございました。これに対しまして、国鉄当局から、現在値上げ申請の出ておるのは中小私鉄の十五社であるが、大手十三社についても実際はわからないが、出る可能性はあると思うという答弁がございました。さらに重ねて、もし値上げが決定されると、国鉄の値上げに便乗して私鉄も値上げをしたと世論は見ると思うがどうかという質疑がありましたのに対して、運輸大臣から、私だけの心がまえであるが、私鉄の値上げは心理的影響が非常に大きいので、一つには、個々の会社を見て、どうしても値上げをしないと工合がわるい場合でも、一年や二年は我慢してもらう必要があると思うし、またもう一つには、都市交通を担っておるのであるから、相当大幅な建設的な考えを持ってくるところは将来考慮してもいいのではないかとも考えておるとの答弁がございました。また、私鉄の貨物料金につきましては、連絡運輸のある会社には国鉄と同じ賃率表を適用するとのことであるから、貨物料金については国鉄の値上げに伴い、すでに認可済みと解してよいかという質疑に対しては、国鉄当局は認可済みと解してよいとの答弁がございました。
 以上をもちまして、第三分科会に付託されました予算の審議を全部終了いたした次第でございます。
 右、御報告申し上げます。(拍手)

発言情報

speech_id: 102615261X02019570331_006

発言者: 内村清次

speaker_id: 20010

日付: 1957-03-31

院: 参議院

会議名: 予算委員会