岸信介の発言 (予算委員会)

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○岸国務大臣 東南アジア諸国を訪問するに当りましては、この前の国会におきましても、その訪問の意図につきましては御質問に答えたのでございますが、第一は、言うまでもなく、日本がアジアの一国としてアジア全体の協力、繁栄、進歩のためにあらゆる努力をするというこの考えのもとに、各国の首脳部と忌憚なく話し合ってきたのであります。御承知の通り、アジア諸国においては長い植民地から解放されて、民族国家の独立を得たのであります。従って植民地主義に対する強い反感と、その独立を完成しようという熱意、新たな意味における民族主義が非常に強く勃興しております。しかしながらその半面経済的に見ますると、これらの民族の熱望を裏づけ、熱望を実現する上において必要な基盤というものが、いずれも微弱であるということは争えないのであります。従って日本がこの国民感情を率直に謙虚に受け入れて、しかもこれらの国の願望を達するために必要な経済的基盤の確立に対して特にこれに協力する意味から申しますと、これらの経済開発に必要な資金及び技術、この二つが非常に必要であって、その資金についてはできるだけこれらの国々が受け入れやすい、また望んでおる、すなわち資金の中立性、一国が特殊の政治的意図を持ってなす資金援助でなくして、中立的な性格を持っておる資金ということの必要を考え、いわゆる東南アジア開発基金という構想を提案をいたしたわけであります。また技術の面においては技術センターを作る、そうしてこれに対しては、従来コロンボ・プラン等の形においてわれわれは技術的な協力をしておりますが、さらにこれらの国々の経済開発に必要な多量の技術力を作り上げるための技術センターを作るという、この二つの考えを提案したのであります。最も実現しやすい技術のセンターの問題については、すでに具体的に数カ国においてその案が提示されております。また東南アジア開発基金の構想の問題につきましては、趣旨について十分理解を深め、その具体的方法については、それぞれの国において、また日本においても研究を進め、これが将来実現をはかりたい、かように考えているわけであります。

発言情報

speech_id: 102705261X00219571105_003

発言者: 岸信介

speaker_id: 6788

日付: 1957-11-05

院: 衆議院

会議名: 予算委員会