岸信介の発言 (予算委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○岸国務大臣 核実験禁止の問題は、私ども日本国民の一致した国民的強い要望であるのと、さらにわれわれはこの原子力というものが平和利用にのみ用いらるべきものであって、これが破壊に用いられてはならぬという人道的主張と、この二つの立場から強く核実験の禁止の問題について、われわれは従来も努力をして参っておるわけであります。従いましてこの考え方というものは日本国民の強い一つの主張であり、政府がこれを代表してやるということは、いかなる場合におきましても終始一貫しておることであります。アメリカとの私のこの話におきましても、その問題にはやはり触れてきたのでありしまして、ただ世界のほんとうの平和を作り上げるために、現在の力関係の対立によって、バランスによって平和が保てるというこの状態を、さらに将来軍縮その他の何によって改善して、いかなければならない、結局は思い切った軍縮協定を成立せしめて、そして世界に、平和をもたらさなければならないという考え方につきまして、私どもの日米の話し合いにおいては根本に合致しておるわけであります。しこうして核兵器の問題と一般軍縮の問題をいかに関連さすかという問題につきましては、理論的にアメリカ及び西欧の考え方はこれを不可分のものとして関連せしめており、またソ連の提案は全然これを分けるという立場においてやっておる。私どもは先ほど申したように、核実験の禁止というものを強く従来もまた将来も主張していくという立場から、これを禁止するということを実現するとともに、さらに軍縮の問題も一そう促進するというこの原則をとったわけであります。もちろん両陣営の巨頭の意見が全然対立し、平行線的な主張でありますから、これをわが国において歩み寄らしてそうして実現する。それは核実験をやめて、同時に軍縮の問題もこれを促進するという問題――見ようによりましては関連せしめておると言えますし、また見ようによってはとにかくやめるということを強く出しておるという点において独立であるという見方もあるでしょうが、いずれにしてもわれわれとしては、相反しておるところの二つの主張を現実に歩み寄らせるという提案、それによって目的を達するというのが日本の提案でございます。その趣旨において、あるいは西欧側におきましても、またソ連側においても、その主張通りをわれわれは提案しておらないのでありますから、これに対して反対の立場をとるでしょうけれども、しかし両方がとにかくある程度歩み寄らない限りにおいては、実視ができないという立場をとっておるわけであります。アメリカに対しましても、われわれの趣旨を藤山外務大臣は二回にわたって国連総会に行っておりまして、アメリカ及びソ連に対しましても日本の趣旨を十分に説明し、了解せしむる努力をいたしまして、その点においては両陣営の人々も相当に日本の趣旨というものに対しては理解を深めたことである、その点についての誤解とか、あるいはその点から生ずる日米間の特別な不快の問題というものは、私は一掃することができた、かように考えるわけであります。

発言情報

speech_id: 102705261X00219571105_009

発言者: 岸信介

speaker_id: 6788

日付: 1957-11-05

院: 衆議院

会議名: 予算委員会