岸信介の発言 (予算委員会)
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○岸国務大臣 私も議会政治の達成のために二大政党でやるべきだという考え方を、従来もそういう信念のもとに二大政党が健全に発展する、発達していくことを心から望んでおるものでありますが、言うまでもなくこれは二大政党、特に保守党たるわれわれと、社会主義政党たる社会党とのこの二大政党が、日本においても国会の現状として対立しておる。しかし現実の政治の運用から申しますと、私は必ずしもわれわれ保守党が資本主義政党であり、社会党が社会主義政党であるという立場から、ただいわゆる主義、公式的な理論の対立だけじゃなしに、やはりわれわれのお互いの主張というものに対して、謙虚な形でわれわれが反省しながらそうして現実の政治を運営していくというのが、二大政党の真のあり方であるべきだと思います。その意味において資本主義を基調としておる保守党も、必ずしもその資本主義というものはアダム・スミスが述べたような古い意味の資本主義でもありませんし、ずっと世界の進歩とともに内容も変ってきておることは言うまでもない。と同時に社会主義というものも一つのただ公式的な理論としての社会主義じゃなしに、現実の責任ある政党として、現実に日本の運命をにのうて立つ一つの気魄を持ち、それだけの上に立ったところの社会党としての現実の政策問題になってくれば、私は両方の主張というものの間には、あるいは基礎の考え方の上においては違っておるかもしらぬが、現実においては、十分な話し合いなり、あるいは論議を尽すことによって、両方の主張というものに協力ができると思う。これがあってこそ、初めて議会政治というものができ上るものだと私はかように考えております。
外交の問題について、いわゆる超党派の外交というような議論がございます。もちろん私は、すべての問題が超党派的に、常に一致して解決されるとは思いませんけれども、しかし外交の問題は、国の進んで行く道として最も重要な問題でありますから、もちろん立場が違い、主張が迷いましても、協力できる問題も多々あると思うのです。現に、過般インドネシアの賠償問題について鈴木委員長と会いまして、いろいろその問題について、社会党の考えも聞きました。私はそういうような機会を今後も持っていって、そうして協力できる事柄については十分な協力をしていく、主張の違うことについては、この国会のあらゆる機会を通じて国民の前にその主張の違うゆえんを、またわれわれが主張する根拠というものを十分に明らかにして、国民の批判に待つということが、民主政治の完成の上から必要である、かように考えております。