岸信介の発言 (予算委員会)
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○岸国務大臣 民主政治を国会を通じて現実に実現していく上から申しまして、私は従来この政党が二大政党になって、そうしてこれがお互いに切瑳琢磨して与党となり野党となって、そうして国会を通じて国民の前におのおのの主張を明らかにするというこの姿が、民主政治の進み方として最も望ましい形であるということをかねがね私は考えておったのでございます。しかして、この二大政党の間における政権の移動は、言うまでもなく選挙を通じて、いずれの政党を多数支持するかという国民の意思が選挙によって表明せられ、それが現実に両政党間の政権の移動として行われるということが望ましいのであって、民主政治があくまでも革命的な方法によって社会的、経済的、政治的各方面における非常な摩擦とそれから犠牲とによる激変を生ずることなく運営されるというためには、今申したような姿が一番望ましいことである、こう考えて私自身もその実現に努力して参ったのであります。
しかして現在の日本の二大政党のあり方につきましては、私は与党といい野党といい、十分にその民主政治を円満に実現していく上から申しますと、まだ互いに反省をし努力をしなければならない部分が非常にたくさんあると思います。特に二大政党があるということは、そこにおのおのの考え方につきまして、またこれを支持する国民的の基盤において違うから、当然こういうふうな二大政党が出ておるのでありますけれども、しかしその根本は、あくまでも民主主義、民主政治ということに立脚して、お互いが国民の間に広く支持層を持ち、またおのおのの考えというものを国民に十分徹底、理解せしむる方法によってあらゆる活動をしていくということが、当然われわれの義務として行なっていかなければならないことだと思います。その両政党の考えの違うところ、また立場の違う点につきましても、十分に国民にこれを理解、徹底せしめて国民の公正な批判を求めていくということが、当然二大政党の責務であろうと私は思います。しこうしてそれが現実の政治面において、国会を通じてこの論議が行われ、また現実の政治が実現されるという上におきましては、私は、立場が違い主張が違っておることにおいてもなお両政党の間で協力をし、民主政治、民主主義の完成という共同の目的のために、大いにお互いの力を合わすべきところにおいては合せていくという考え方を持って進んで参りたい、かように考えております。