河野密の発言 (予算委員会)

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○河野(密)委員 私は総理大臣が千万言を費してここで御答弁なさっても、それは一つの核兵器持ち込みを禁止するという力にはならないと思うのであります。私の見るところによりますと、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定の第九条を開いていただきたいと思うのでありますが、いわゆるMSA協定であります。MSA協定の第九条には、第一項において、「この協定のいかなる規定も、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約又は同条約に基いて締結された取極をなんら改変するものと解してはならない。」こう書いてあります。第二項には、「この協定は、各政府がそれぞれ自国の憲法上の規定に従って実施するものとする。」と書いてあります。これは一体何のために、この第九条の二項を加えたのでありましょうか、「各政府がそれぞれ自国の憲法上の規定に従って実施するものとする。」こういうことが厳然と書いてあるのであります。安保条約の前文の中には、こういうふうに書いてあります。「日本国が、攻撃的な脅威となり又は国際連合憲章の目的及び原則に従って平和と安全を増進すること以外に用いられうべき軍備をもつことを常に避けつつ、」と、こう書いてあるのであります。この安全保障条約の前文にある「攻撃的な脅威となり」あるいは「平和と安全を増進すること以外に用いられうべき軍備をもつことを常に避けつつ、」というこの言葉は、MSA協定の第九条の第一項において、そのまま守られておるのであります。そこでこのMSA協定の第九条の一項によっても第九条の二項によってもはっきりとしておることは、日本においての軍備というものは、日本の憲法で規定されておること以外のものは許されないのである、こういうことがきわめて明確であるのであります。この明確なること、日本の憲法に規定されておる、日本の憲法の条章に従って行うものであるというそのことを、あなたが信念として、自分は日本の憲法の条章によって日本の政治を行なっておる限りにおいてというその考え方をお持ちにならないから、それを根拠として核兵器の持ち込みを禁止するのだというきぜんたる態度をおとりになることができないから、私は国民が安心できないのだと思うのであります。岸総理自身の千言万語の信念を国民は聞いておるのではないのであります。このMSA協定においても、安全保障条約の前文においても明確にいわれておる。実際において何を根拠として岸総理は拒否しておるかという、そういうことを国民は実際は聞きたいのであります。その点を私は明確にしていただきたいと思います。

発言情報

speech_id: 102805261X01519580301_012

発言者: 河野密

speaker_id: 28496

日付: 1958-03-01

院: 衆議院

会議名: 予算委員会