河野密の発言 (予算委員会)
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○河野(密)委員 私は失礼ですけれども、当委員会において私も出席をいたしましてしばしば伺いましたし、この速記録もたんねんに調べてみたのでありますが、政府のこの点に対する考え方というものは混乱そのものであります。なぜかと申しますと、藤山さんの言葉をかりれば、安全操業の問題は領土、領海の問題であるから、平和条約と関連せしむると向うが言ってきたのも一応うなずけるから、平和条約と込みでやってもいいということをあなたはこの委員会で答弁をしておられるわけであります。それから安全操業の問題と平和条約の交渉というものは並行的にやってもよろしいのだということを言っておられるのであります。ところがそれが突如として、私は率直に申しますが、与党の中における外交部会を中心とする強硬論が、安全操業の問題は安全操業の問題、平和条約の問題は平和条約の問題だ、両者を一緒にしようなんというのはソ連の陰謀だ、こういうことでもってこれを分離しろという意見が強硬に出てきたので、国会の中の答弁もその日からお変りになって両方は分離しておやりになる、こういうことを御答弁になっておるのであります。それから最近ソ連が河野・イシコフ会談に対する覚書の問題というものを持ってきた。これもソ連のいろいろな策謀であると言っておるようでありますが、漁業委員会の交渉というものは漁業条約に基いて、この漁業条約は平和条約に関係なくすでに両国が批准をして、これは効力を発生しておるのでありますから、この効力を発生した漁業委員会の交渉について、これを遷延するとか、あるいはこれに対していろいろな難くせをつけるとかいうならば、私はきぜんたる態度をもって、断固たる態度をもってソ連の不信を責めてよろしいと思うのであります。ただその場合に、河野・イシコフ覚書があったかなかったか、あるいはその間の話し合いがあったかなかったかということは、事実の問題でありますから、これは別個に究明さるべき問題であろう。しかし向うがこれを平和条約と関連せしむるというならば、日本政府としてきぜんたる態度をとるべきだ。しかし安全操業の問題は領土、領海の問題で、もともと漁業委員会において交渉すべき筋合いのものでないと日本政府も考えているならば、別途それについては政府の態度を考えるべきである。しかるにこれらのものをみんな込みにしてしまって、そして強がらなくてもいいところに強がってみたり、押すべきところを押さないでみたり、政府の外交方針というものは率直に言えばなっていないと思うのでありますが、この点総理はどうお考えになりますか。