河野密の発言 (予算委員会)

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○河野(密)委員 私は次に経済政策につきまして、社会党としてのわれわれの立場を申し上げながら、少しく政府の所見を承わってみたいと思うのであります。
 その第一は、今度の昭和三十三年度の予算でございますが、この予算に入ります前に、この予算が成立しました背景と申しましょうか、予算の編成の前提をなすものとして、政府は新長期経済計画というものを発表になっておりますので、私の理解いたしました新長期経済計画というものと予算の関係について一つ承わりたいと思うのであります。この新長期経済計画という、政府から御発表になりましたものを見ますと、これは五年後における日本の経済の望ましい姿を描いて、それに到達することを目的としておるのだ、それから五年後の望ましい日本の経済の姿というものはどういうのかというと、昭和三十一年度に比して、国民の総生産は四〇%を上げるのだ、国民一人当りの消費の支出は三八%上昇するのだ、輸出の規模は四十七億ドルになるのだ、昭和三十一年度に比べて八二%を増すのである、雇用量は四百九十八万人増すのであって、昭和三十一年度に比べて二七・九%を増すのである、こういうのを、大体五年後における、政府がお考えになった望ましい日本経済の姿である、こういうように考えられまして、次のような方法でこの計画を実現しよう、こういうことをお考えになっておるようであります。まず年率六・五%の経済成長率を達成するのだ、輸出においては年率一〇・五%の成長率を達成するのだ、雇用量においては年平均八十万人ずつの増加をするのだ、経済の成長をささえるところの資金は国民総支出の約三〇%に上る資金を貯蓄させるのであって、昭和三十七年度においては三兆八千九百三十億円に上るところの貯蓄が必要なんだ、財政の規模を一定の比率に押えて、この財政の規模というものはだんだんこれを比率的には小さくしていく、漸減していくのだ、こういうのが、この政府のお出しになっておりますところの経済計画の概要でございまして、この経済計画の概要に対しましては、幾つかの重要な前提があるわけであります。私の見るところによれば、次の四つの前提が満たされなければ、これは実現できない。輸出が今後輸入以上の勢いで伸びなければならぬ、輸出が輸入の伸び率をオーバーして伸びなければならない、それから国民総生産の三〇%は必ず貯蓄されなければならない、生産の成長は第二次産業において成長が確保されなければならない、雇用量の今申し上げました増大というものが確保されなければならないのだ、これがなければ、この経済計画の達成というものはできないのだ、こういうことでございます。
 そこで私はお尋ねいたしたいのでありますが、こういう前提でもってこの経済計画というものが立てられておるが、この経済計画が実現せられる前提——今申し上げたような前提がどうして確保されるという保証が与えられるのであるか。政府はどうしてこの前提を充足することをやろうとするのか、その経済政策というものは一体どこに盛るのであるか、これを承わりたい。それからこの計画を実現するためには、今申し上げましたように、昭和三十七年度においては三兆八千九百三十億円に上る資金が必要であると、こう言っておりますが、この三兆八千九百三十億円に上る資金は、三十七年度であるが、この計画に必要なる資金量というものは一体どうしてまかなうのであるか。この資金量の算定も出ていなければ、この資金量をどうしてまかなうかということも明らかにされておらない。この資金の調達については、一体日本の国内の資金でやっていけるのかどうか。あるいは外資をどの程度に入れようというのであるか、外国の援助を当てにしているのかしていないのか、こういう問題について明確なる態度が示されておらないのであります。さらに将来の財政計画を圧迫するとわれわれが考えられる防衛費であるとか賠償費であるとか対外特殊債務弁済についての問題であるとかいうものについての経費をどういうふうに計上しておるのであるか、これははっきりしておらないのであります。こういう点についての私は政府の明快なる御答弁を願いたいと思うのであります。

発言情報

speech_id: 102805261X01519580301_032

発言者: 河野密

speaker_id: 28496

日付: 1958-03-01

院: 衆議院

会議名: 予算委員会