石渡達夫の発言 (決算委員会)

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○説明員(石渡達夫君) 御説明申し上げます。
 最初に二百六十六ページに記載してある事項について御説明申し上げます。これは直轄工事につきまして、主として多目的ダム建設工事の経理に関する問題でありますが、多目的ダム建設工事に従事した国の職員の給与を国だけで全額支出しております。これは多目的ダム建設工事は国と共同事業者が共同で建設する事業でありますから、共同事業者にもその受益の限度においてこの工事に従事した国の職員の経費を負担させるべきであるということを言っております。この国の職員の給与の総額は、三十年度に支出した分が一億千余万円になっておりますが、これは受益の限度におきまして、共同事業者にもそのうち若干負担させなければいけない。それから完成後のダムの管理費につきましても、完成した分が田瀬、石淵と二つのダムがありますが、完成した分につきましても、このダムは国と共同事業者の共有でありますから、国と共同事業者の建設費のアロケーションの按分によってこの管理費も負担させるべきである、にもかかわらず、完成後の課税、維持費において管理費の全額を国が持っておるということを申しております。
 それから二百六十七ページの事後処理の問題でありますが、これは二十九年度に指摘しました災害復旧等の補助金のうち不当事項につきまして、その後どういうふうに是正されているかという改善の跡を見たのであります。二十九年度の検査報告に掲記された不当事項のうち、国庫補助金を返還または減額するということを建設省できめておられるものが五十五件ありますが、この五十五件のケースでどうなっているかということを申し上げますと、三十一年九月現在でなお未処理のものが十二件ございました。その後三十二年九月末現在でなお未処理が六件ありましたが、これは三十三年二月末現在全部完了しておるということになっております。それから二十八年度分の検査報告に掲記した事項のうち、補助金を返還するという処理をして方針をきめておられるものが、三十一年九月末現在なお七件未処理になっておりましたが、これも三十二年九月末現在では全部処理済みになっております。また補助金の返還または減額にかえて、手直しまたは補強をするという方針にしておられますものを、その後見たのでありますが、二十九年度の検査報告に掲記されたもののうち四十五カ所を現地において実地に調査をしましたところが、この四十五カ所のうちなお未処理のものが三十一年九月末現在五件ありました。この五件のものはその後三十二年九月末現在では一件がなお未完成というふうになっております。なお二十八年度の検査報告に掲記された古いものもあわせて見たのでありますが、二十八年度分につきましては、四十七カ所を実地に見たのでありますが、そのうち三十一年九月末現在で未完成のものが二件、この二件はその後三十二年十一月及び十二月にそれぞれ完成しております。なお手直しまたは補強した工事のうちには、この手直しまたは補強工事が十分でない、不十分でありまして、御注意をしてその後直したものも若干ございます。
 次に二百六十九ページの公共事業に対する国庫補助金の経理当を得ないもの、これについて御説明申します。この災害復旧等の工事に対する国庫補助につきましては、毎年実地検査をしておりますが、三十一年中におきましても、六千五百十九カ所の現地につきまして実地検査をいたしたのであります。その結果工事の出来高が疎漏であって補助の目的を達していないもの、まあ市町村の施行した工事において特にこういう例があるのでありますが、表面上は実施設計額と同程度の額で請け負わしたことになっておりますが、実際は国庫負担を下回る額で施行しまして、自己負担を免れているというような例がなおございます。またそのほかに出来高が不足しているというような例もございまして、この不当金額の除外すべき額が十万円以上のものをあげますと九十三工事、金額にしまして二千七百万円ばかりのものがなおよろしくないということになっております。しかし当局におきましては、指導監督を強化しておられまして、また事業主体においてもよく自覚をして改善の跡が見られます。二十九年度におきましては、検査した個所に対しまして、この不当事項が四%になっておりますが、三十年度はこれが一・四、さらに三十一年度は〇・五七というようなふうに改善の跡が見られます。しかし、なおこうした不当な工事がありますことはきわめて遺憾でありまして、指導監督の任に当る者は事業施行の途上において監督を厳重にする。それから事業の進行の際には現地ですみやかに検査を励行するというようなことが望ましいと存じます。
 ここに一、二、三とおもな例があがっておりますが、一は岩手県の工事でありまして、粗漏工事、二は静岡県の工事で出来高不足、三は愛媛県の保内町の施行しました工事で事業主体負担不足、その代表的なものが三件あがっております。
 それから次に千百三十一から二千百三十四までの災害復旧事業の査定額を減額させたもの、これも二十八年以来、従来の工事が完成した後に検査をしまして、是正をお願いするよりも、まだ着工する前に検査を済ませて是正措置を講じていただくという方が効果的と思いまして、続けてやっておるのでありますが、三十年発生災害につきましても、やはり同じように五千二十八工事の検査を実施したのであります。そうしましたところが、やはり重複して査定をしておるもの、あるいは災害を受けていないのに改良工事を施行しようとしているもの、あるいは現地の確認が不十分で経費も過大に積算しているものというようなケースが百二十四工事見受けられまして、金額にしまして二千二百八十万円のものがよけいに査定されているということを御注意いたしまして、減額措置を講じてもらったわけであります。まあこういうように百二十四工事もあるのでありますが、建設省におきましても、査定官を設置するなど、対策を講じられまして、現地査定を強化しまして、採択の厳正をはかっておることなどにおきまして、改善の跡が見受けられるのでありまして、この検査をしました個所と、不当工事の含まれた事項の比率をとって改善の跡を見ますと、二十九年度は検査をした個所に対しまして不当事項の数か七・二%、それが今申し上げました当年度は、二・五%と、これが三十一年度には二・三%というふうに逐年改善の跡が見られます。なおここに代表例があがっておりますが、二千百三十一は、北海道下川町の施行しようとしております工事につきまして、積算のミスによって設計が過大になったというケースであります。次の二千百三十二号は、山形県が施行する工事でありまして、これはここで査定を受けました三十年災と、さきに査定を受けて、工事が一部未完成となっております部分とが重複しているケースであります。それから次の二千百三十三号は、一部被災の事実がないのに査定をしておるという事態であります。次は高知県の施行しようとする工事でありますが、これは積算のミスによる設計過大、こういうようなケースであります。
 次に二千百三十五から二千百三十七まで、公営住宅建設費国庫補助金の経理当を得ないもの、これはここの表にありますように、北海道の深川、天塩、それから兵庫県の中町と、こういうところで施行しておりますが、いずれも事業主体が表面上の設計額よりも実際は安い価格で施行しまして、正当な自己負担をしていない、また兵庫県の場合におきましては、そのほかに若干の出来高不足があるというケースであります。
 次に、職員の不正行為につきましては、特に御説明いたしません。
 二千百三十九の、建設工事用セメントの購入に当り処置当を得ないもの、これは近畿地方建設局で猿谷ダム建設工事用のセメントの購入に当りまして、単価のうちに含まれた運搬費の決定について、通運事業法に基く悪難路割増しの適用率を誤まったために運搬費が過大になりまして、結局約三百三十万円を過大に支払っているというケースであります。これは当事務局におきまして、この相手方から返還をさせております。
 次に、二千百四十号、工事の施行が跛行し、所期の効果をあげていないもの、これについて御説明します。九州地方建設局で昭和二十九年に着工しまして、五億五千二百万円の巨費を投じまして、三十年十月に完成した伊ノ浦橋、この橋が伊ノ浦橋の工事によりまして橋はでき上ったのでありますが、これに接続する道路の関係において連絡の十分でない点がありまして、道路が完成しないために、せっかくでき上った橋が十分に活用されないというケースであります。この問題の道路は、長崎県で国の補助をもって施行することになっておりまして、橋は二十五年に着工されておるにかかわらず、道路の方はようやく二十九年に若干補助がつきまして、二十九年に四キロ、三十年に六キロという補修をやっております。この道路は、全体で長崎から佐世保まで四十七キロありまして、今後において相当長い距離の改修をやらなければ自動車が通らないという道路であります。三十一年度以降、なお三億円ばかりの経費をかけて改修をしまして、まあ三十三年度末にならなければ、この道路の改修ができないという見通しであります。このケースは、よけいな橋を作るなということを言っておるのではないのでありまして、せっかく作った橋でありますから、完成後直ちに活用できるように、うまく道路と橋とのバランスを考えて、特にその道路の方の補助金の配分等につきまして、全体的な改修費の配慮、あんばいによりまして、うまく橋と道路がつながるように施行すべきであるということを申しておるのであります。特にこの橋は、道路整備特別措置法の規定に基いて建設しました有料橋でありまして、この法律によりますというと、特にこの法律によって建設する道路、橋梁等は、これによって著しく通行者が便益を受けるものに限っておる、またこれに要する資金も、資金運用部からの借金によっておるというものでありまして、こういう法律の目的によって作った橋でありますから、特に完成後にこれに接続する道路工事等の関連において、道路ができないために、せっかくできた橋が十分に活用されないというような事態が起きないように、十分な配慮をすべきであったと存ずるのであります。こうした結果、五億円以上の巨費を投じた橋が十分に活用されませんで、この橋の収入金から償還する計画の、日収六万四千円、この六万四千円の日収がなければ計画通りの償還ができないのでありますが、この開通後の二十年十二月から三十一年九月までの実績を見まするというと、日収はわずかに一万三千円しかない、さきの償還計画は日収六万四千円、この六万四千円に対して一万三千円、約二一%の程度しか日収がないというふうになっております。
 以上であります。

発言情報

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発言者: 石渡達夫

speaker_id: 17730

日付: 1958-03-28

院: 参議院

会議名: 決算委員会