野木新一の発言 (商工委員会)

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○政府委員(野木新一君) 法制という点に関連いたしますから、私の方から、法制局の方から御答弁さしていただきたいと存じます。理化学研究所法案と日本貿易振興会法案、ともにいわゆる特殊法人に関する法案でありまして、これが同一の委員会にほとんど同時に提出されまして、各条文を比較検討してみますると、御指摘のように両者若干相違点がございます。これは非常に正直に申し上げますと、今たまたまこの二法案が比較されておりまするが、すでに同じような法案、成立しておる法律等についてみましても、たんねんに比較検討してみますると、その成立の時期によって、あるいはその法案を提出した動機等によって、強調すべき点が違って参ったりいたしまして、多少のニュアンスが出てきておることは、おそらく否定できないことだろうと思います。特殊法人は、そのときどきの要求に従って漸次発展してきておるものでありまするから、発展の過程において時期的に相違するものは、あるいは御了承いただけるのではないかと思います。ただ、今回のように、同じ時期に出てきておる法案につきまして相違があるのは、どうもおかしいという点、これは一応まことにそのように存じられます。しかしながら、立案当局といたしましても、こういう特殊法人の法案の発展の過程においても漸次法を統一し、不必要な相違点はなくしていこう、そういう努力は随時払ってきておるわけでありまするが、古い法律と新しい法律と比較した場合に差異が起ったり、あるいはこの二つの法律案が同時に出た、その場合に差異が起るということにつきましても、これはなるべくこまかく配慮して、統一をはかっておりまするが、その原案の作成当局、あるいは法制部で立案する参事官なり、部が違ったりする関係上、それから短時間でやるような関係上、それからその原案の、元になった法律なんか、従前の法律に一応ならってきておりまするが、その法律がそのときどきによって多少違ったという点等からして、どうもこういうような差ができてしまったわけであります。これは非常に正直なところを申し上げたわけでございます。
 この法案におきまして、まず御指摘の第一点でございますが、政党の役員をいわゆるこの特殊法人の役員の欠格事由にあげておるという点、この点につきましては、これも広く申し上げますると、政党の役員というものを、こういう特殊法人の役員の欠格事由にしたことは、豊田先生戦前のことも御承知だと思いますが、戦前にはほとんどなくて、戦後の傾向だろうと存ずる次第であります。私この点が特にこの委員会で問題になったということを聞きましたので、こちらに上るまでに法令集をざっと見て参ったわけでありまするが、どうも最初に起りましたのは、いわゆる日本国有鉄道法の最初の法律のときですか、このときにこういう条文が入ったのが、どうも初めのようでありまして、それ以後たとえば公庫とか公団、公社等に類似の条文が入って、さらにその他、たとえば日本原子力研究所とか、日本科学技術情報センター、そういうもの、あるいは今国会において成立しました国立競技場とか、あるいは今提案になっておる日本労働協会法案、そういうのにも同種の条文が入ってきておるわけであります。
 この政党の役員がこういう特殊法人の役員の欠格事由にあげられて参りまして、漸次こういうふうになってきております理由を考えてみますると、やはりこういう法人は、多くは非常に公共ないし公益的の目的をもつて、特殊の規制に服しておる法人でありまして、その業務運営は、きわめて政治的中立性が要求せられるもの、あるいは国家の資金を擁しておりますので、それが政党的に左右されてはいかぬ。あるいはそれがいろいろ営利的の事業にも関係してくる場合があって、それで左右されてはならない。そういうようないろいろの点でありますが、要するに一口に言いますと、政治的中立性を担保する必要がある。そういう点から要請が来ておるのだろうと思います。しかしながら、これも御指摘のように、だんだんと詳しく見てみますと、同じ公社でありながら、できたときによりまして、日本国有鉄道とか、ほかの公社にもありますが、日本電信電話公社、こういうのにもありますが、日本専売公社には、そういう規定はないというようなことになっております。しかし全体の傾向といたしましては、こういう非常に公共性並びに公益性の強い、政治的中立性を要求した方が妥当だというような特殊法人につきましては、漸次この規定が原案の立案当局でも要求し、法制的にも妥当であるということで入れて参ったわけであります。なお、その規定の形態につきましては、そのときどきによって若干のニュアンスがありまして、一番きついのは、初めの日本国有鉄道のときのように、政党の役員が退職しても、一年間ですか、一定年限は、国有鉄道の役員になってはならないというような規定もあって、今これは改められて参っておりますが、そういう規定の残っておる古い法律も若干あります。詳しく申しますとあれですから、簡単に申しますが、そういうようなことでありまして、この点につきましては、今までの私の聞きました点では、あまり問題にならなかったようでありますが、今度の国会におきまして理化学研究所法案につきまして、特に問題になって、衆議院の方でこの規定は削除されたわけであります。この見方につきましては、いろいろ見方があるかと存じます。しかしながら、私ども法制的に見ますると、やはり政党の役員を欠格事由にいたしましても、政党の役員をやめればこういう地位につき得るものでありますし、必ずしも憲法上の職業の自由を害するというほどのこともないし、また、積極的に政党の発達ということ、またこういう特殊の中立性を要求せられる特殊法人というものの業務が公正に運営されていく、また世間からもいろいろ疑惑を受けないという点からも、やはりこの規定は適切、適当なものではないかと存ずる次第であります。しかしながら、いわゆるマンネリズム的に、何でもかんでもこういうものを入れていくという点は、やはり厳にいましむべきでありまして、そのつど十分検討をすべきだと存じておるような次第であります。
 それから役員の兼職禁止の点でございますが、これもそういう差異を生じましたのは、やはり今まで申し上げた事情からでありましたが、これが果してどっちの方がいいのか、こういう点は、私どもとしても将来十分検討してみたいと思います。どちらかといいますと、今まで公庫とか、公団とか、そういう類似の方面におきましては、この理化学研究所法案のようなのが多いのではないかと存ぜられる次第でありますが、これも将来こういう法案を審議する際には、十分研究して参りたいと存ずる次第であります。

発言情報

speech_id: 102814461X02019580417_010

発言者: 野木新一

speaker_id: 14100

日付: 1958-04-17

院: 参議院

会議名: 商工委員会