本名武の発言 (農林水産委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○政府委員(本名武君) 農業協同組合整備特別措置法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 わが国の農業を振興いたすためには、農業協同組合の整備強化をはかる必要があることは、今さら申すまでもないところであります。従って政府といたしましても、農業協同組合の整備強化につきましては、鋭意努力を重ねて参っておるのでありますが、御承知のように、特に経営が不振な農業協同組合につきましては、すでに昭和三十一年度から農業協同組合整備特別措置法により、強力にその整備の促進をはかってきたのであります。
 ところで、本法により整備を行おうとする農業協同組合が整備計画を樹立しなければならない期限及び都道府県知事が農業協同組合に対し合併について協議すべき旨を勧告することができる期限は、いずれも、昭和三十三年三月三十一日までとなっているのであります。
 一方、経営不振な農業協同組合の現状から見まして、本法を適用すべき農業協同組合の数を、当初より若干増加する必要があります。しかし、本法の実施状況からいたしますと、これらすべての経営不振な農業協同組合につき、右の期限までに所要の措置をとらせますことは、困難な向きがありますので、右の期限を若干延長すれば、経営不振な農業協同組合の整備に遺憾なきを期し得ると信ずるのであります。従って、この際、この期限を一年延長することとし、第二条及び第十四条に所要の改正を加えたいのであります。
 以上が、農業協同組合整備特別措置法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
 次に、臨時肥料需給安定法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府は、第十九回国会において制定せられました臨時肥料需給安定法に基き、昭和二十九年度以降毎肥料年度、肥料の需給計画の策定及び硫安の最高販売価格の決定等を行い、農業生産資材のうち、最も重要な肥料の需給の調整と価格の安定のため、格段の努力をいたして参ったのであります。
 特に肥料の需給計画の決定に当りましては、政府は、同法第三条第二項第四号の規定によりまして、需給調整用として国内消費見込数量の一割程度の保留数量を見込まねばならないこととし、そうすることによりまして、国内消費量が計画に織り込まれた消費見込み数量を上回る場合に備えて、需給計画に弾力性を持たせるようにいたすこととしておりますほか、さらに同法第六条の規定によりまして、農林大臣は、肥料の需給の調整をはかるため、その指定する団体に、肥料の種類、数量及び買い取りの時期を示して、需給調整用としての保留数量の範囲内において肥料を買い取るべき旨を指示するものといたしまして、毎肥料年度、一定量を保管団体に不需要期に買い取らせ、需要の最盛期に放出せしめ、それに対し、同法第九条の規定により、肥料の買い取りにより生じた欠損金の額に相当する金額を、当該団体に補助することとしているのであります。
 しかるに、最近における肥料の需給事情は、生産量が著しく増加して、需給に不安を生じない状態となっており、今後、生産の増加及び消費の増加の見込みからいたしまして、需給は相当緩和されるものと考えられますので、第三条の規定による需給計画には、今後も調整保留数量を計上して参りまして、内需の不測の需要に対処し得るよう措置すべきものと考えますが、第六条の規定による保管団体に対する買い取りの指示を必ず行うということについては、需給状況の改善の実情に照らしまして、今後は需給の調整をはかるため必要があると認めるときにのみ、この措置を講ずることができるものと改正することが適切でありますので、このたびこの法律案を提出いたした次第であります。
 以上が、臨時肥料需給安定法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
 次に、開拓融資保証法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 戦後の開拓事業も、ここに約十年余を経ましたが、政府といたしましても、この事業の達成のために多大の努力を払っており、また、開拓農家もその営農の安定をはかるために、日夜精進して参り、その生産力も年々高まってきております。
 しかしながら、開拓農家の営農の現状を見ますと、一部には入植後数年ですでに既存農家の水準を越え、新しい農業経営の先駆者と認められる者もありますが、他面、不利な立地条件とたび重なる災害等のため、いまだに富農の基礎も確立できない不安定な開拓農家も少くないのであります。
 政府といたしましては、右の実情にかんがみ、今後の開拓者入植につきましては、開拓入植方式を刷新し、入植者の営農類型を改訂拡充しまして、これに基き、政府が各種の措置を講ずることとし、昭和三十三年度の新規入植はこの方針のもとに、ひとまず、営農の早期安定が確実と見込まれる地区において入植させることとし、その戸数は、二千五百戸にとどめる一方、既入植者の営農の振興に特に重点を指向し、第二十六国会において成立を見ました開拓営農振興臨時措置法等に基きまして、開墾建設工事については、残事業の促進をはかるほか、追加工事を必要とする地区に対し、新たに高率の補助により、開拓地改良事業を実施するため経費を計上し、また、営農資金については、開拓者資金融通特別会計から既入植者に対する貸付金の大幅な増額及び債務条件の緩和をはかる等、総合的に施策を実施する考えであります。
 一方、開拓農家の必要とする肥料、飼料、種苗等の購入に要する短期資金につきましては、農業手形制度の利用が困難なために、昭和二十八年七月開拓融資保証法を施行しまして、自後、中央及び地方に開拓融資保証協会を設立し、開拓農家の債務を保証し、農林中央金庫の資金の円滑な融通をはかって参りましたが、さらに、三十一年秋より中小家畜等の貸付期間三年以内の中期資金についても本制度にとり入れ、営農資金の拡充確保をはかってきたのであります。その後、この制度に対する開拓農家の加入も増加し、また、営農の進展に伴い、資金の需要も増大して参りましたため、現在の中央開拓融資保証協会の基金をもってしては、開拓農家の債務保証の要望にこたえられない段階に立ち至りましたので、政府は、主として既入植者の営農振興対策の一環として、さらに、昭和三十三年度一般会計から三千万円を中央開拓融資保証協会に対し追加出資して、その保証ワクの増大をはかり、開拓農家の必要とする肥料、飼料等の短期資金及び中小家畜等の中期資金の融通を一段と拡充円滑にし、もって開拓農家の農業生産力の発展と農業経営の確立を期待するものであります。
 以上が、開拓融資保証法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 次に、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明いたします。
 開拓者が未開の開拓地に入植し、営農の基礎を確立するためには、必要な長期及び中・短期の資金を要しますことは、言を待たないところでありますが、政府は、昭和二十一年度から開拓者資金融通特別会計を設置し、新規入植者に対し、長期低利の基本営農資金の貸付を行うこととし、昭和二十七年度からは、新規入植者に対する右融資のほか、さらに、入植後三カ年以上を経過したいわゆる既入植者に対しましても、中期の営農資金の貸付を行うこととし、もって開拓者の営農の発展に努めて参ったところであります。
 しかしながら、開拓者の営農の現状を見ますと、一部には、入植後数年で、すでに既存農家の水準を越え、新しい農業経営の先駆者となったと認められるものもありますが、他面、入植後相当の年月を経ても、不利な立地条件や、建設工事の遅延その他やむを得ない事由により、入植当時目標とした営農の基礎を未だ確立できず、また、たび重なる災害等により、過大な負債のため、経営の基礎が不安定な開拓者が、少くないのであります。
 政府といたしましては、このような既入植者の実情に照らし、極力各般の措置を講じ、特にその営農振興に力を注ぐことといたしておりますが、これがため必要な営農資金につきましては、まず、開拓者資金融通特別会計による貸付金の総額が、三十二年度は十九億円でありましたものを、三十三年度は二十八億円といたしました。そのうち、既入植者に対し融通する大家畜、農用施設、農機具等を取得または設置するための貸付金を、三十二年度の八億五千万円から、三十三年度は十六億二千五百万円に、相当大幅に増額しまして、これによりまして、一般開拓者に対し、いわゆる中期資金を、おおむね継続して融資するほか、特に、開拓営農臨時措置法に規定する不安定な開拓者に対しましては、重点を置き、貸付額の増加及び償還期間の延長をはかりたいと考えております。すなわち、償還期間が、従来八年でありましたが、特に、開拓営農振興臨時措置法の適用を受ける経営不安定の開拓者に対しましては、これを十二年といたしたのであります。これが、本改正法律案を提出した理由であります。
 これによりまして、開拓営農振興臨時措置法に基き、振興計画が適切に立てられた開拓者に対しまして、この貸付を行うとともに、別途行うこととなっております負債の条件緩和等の措置を、あわせ行いますと、おおむね五年後には、現在営農の安定のために、特別措置を講ずることが必要と認められる開拓者が、農業収入で生計費をまかない、自立安定した農家となり、さらに進んでは、自後、自力により拡大再生産を続けることになると考えるのであります。
 さらに、別途、中央開拓融資保証協会に対する政府出資の増額をいたしまして、その保証ワクの増大により、開拓者が肥料、飼料、中小家畜等を購入するための資金の融通の拡充円滑化をはかりますとともに、いわゆる天災による資金融通法により、比較的短期の経営資金を借り受け、これの償還が困難な開拓者に対しましては、開拓営農振興臨時措置法による振興計画に基き、その実情を検討の上、これを長期の営農改善資金として借りかえる等の措置を、あわせ講ずる所存でおります。
 なお、既入植地であって、特に振興を要すると認められる開拓地におきましては、開墾建設工事につきまして、さらに事業を促進して、残事業の圧縮をはかるほか、開拓地内の土地改良事業に対し、新たに高率の補助を行う等の措置を講じまして、総じて、開拓地における営農振興に資しようと考えております。
 以上が、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 次に繭糸価格安定法の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明申し上げます。
 この法律案は、生糸の輸出の増進をはかるため、輸出適格生糸についての特別買い入れの制度を拡充するとともに、この制度による生糸の買い入れ及び保管の業務を行う日本輸出生糸保管株式会社を、法律に基く特別会社に改組して、繭糸価格安定制度の運営の円滑を期するための改正であります。
 以下、法律案の内容についてその概略を申し上げますと、
 第一は、生糸の輸出価格の安定をはかるため必要があるときは、輸出適格生糸について、一定数量の範囲内で、日本輸出生糸保管株式会社が買い入れ保管しているもののうち、所定の期間内に売り主から買い戻しの請求のないものについては、政府においてこれを最低価格に保管に要する経費を加えた価額で買い入れることができる旨の規定を新たに設けたことであります。
 次に、右の特別買い入れの業務を行う日本輸出生糸保管株式会社の事業の範囲及び同会社に対する政府出資等について規定するとともに、その業務の運営等について、所要の監督規定を設けることとし、その改正に伴い、現に存する日本輸出生糸保管株式会社を、法律に基く特別会社に改組するため必要な規定を設けました。
 なお、政府が保有している生糸について、買いかえを行う場合の規定を加えることにいたしました。
 以上が、繭糸価格安定法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらむことをお願いする次第であります。

発言情報

speech_id: 102815007X00919580227_002

発言者: 本名武

speaker_id: 9590

日付: 1958-02-27

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会