渡部伍良の発言 (農林水産委員会)

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○政府委員(渡部伍良君) ただいま議題となりました農業協同組合法の一部を改正する法律案の補足説明を申し上げます。お手元に農業協同組合法の一部を改正する法律案関係資料というもの、それからもう一つ、農業協同組合及び農業協同組合連合会の責任準備金の積立及び財産の運用に関する省令案要綱というのを追加してお配り申し上げておりますから、それをごらん願いながらお聞き取りを願います。
 まず第一点の、責任準備金の関係でありますが、これは法案の第十条の三から第十条の四まで規定しているのでありまして、その責任準備金の規定は、もともとこの共済事業をする性格からいたしまして、契約者、あるいは被共済者たる組合員の保護、この事業の健全な運営等を確保するための必要性からすると、事業の内容にわたりまして相当の法的規制を行うことが必要であるのでありますが、昭和二十二年に農協法の制定によって共済事業が行われまして、行政庁の行政指導でやっておりましたが、それでは不十分であるというので、昭和二十九年六月に農協法の一部を改正いたして共済事業を行う組合及び連合会の共済規程を行政庁の承認にかからしめる等、農協法の必要最小限度の事業監督規定を整備いたしました。そうしてそれに基きまして、農業協同組合及び連合会の共済規程に記載すべき事項を定める省令を制定しおります。さらに、農協共済事業指導要綱という通牒を出しまして、その運営に遺憾のないことを期しておるのでありますが、あとで資料について御説明申し上げますように、この事業が非常に急速に伸びてきておりまして、今まで程度のことでは不十分である、そこで、少くとも金を預っておるのでありますから、責任準備金の積み立ての規定あるいは単位組合における共済事業にかかる会計を、他の事業にかかる会計と区分して経理する規定、あるいは共済事業を行う連合会の財産の運用方法、そういうものについてはっきり法的な規定を置くことが、この際、必要である、こういうことで、この改正をお願いしておるのであります。で、ここにあります責任準備金は、省令案要綱でごらん願いますように、「省令の定めるところにより、」「積み立てなければならない。」、こういう規定になっております。その省令には、要綱でごらん願いますと、「責任準備金の積立」、「法案第十条の三の規定により農業協同組合又は農業協同組合連合会が積み立てる責任準備金の種類及びその額の計算は、次の各号によるものとする。」ということを規定いたしてあるのであります。すなわち、積立部分を有する共済事業の種類――これは養老生命共済、建物更生共済でありますが――は、次の額の合計額、すなわち(イ)共済掛金積立金、(ロ)未経過共済掛金、(ハ)特別危険準備金、こういう種類の積み立てであります。さらに積立部分を有しない共済、すなわち火災共済であります。これは、次の額の合計額、すなわち(イ)未経過共済掛金、(ロ)特別危険準備金、こうなっております。これの計算の仕方は、現にやっておる方法をそのまま省令で――今までは指導要綱でやっておるのを、特令に規定して、もっとはっきりしよう、こういうのであります。
 さらに、「財産の運用」、これは第十条の五であります。運用については省令で「農業協同組合の財産で共済事業会計に属するもの及び農業協同組合連合会の財産は、次に掲げる目的以外の目的に運用することができない」、こういうことを省令で定めることになっております。すなわち一は「信用事業を行う農業協同組合連合会、農林中金若しくは銀行への預金又は郵便貯金」第二は「国債証券、地方債証券、政府保証債券又は農林中央金庫若しくはその他の金融機関の発行する債券の取得」、三は「共済規程の規定による契約者に対する貸付」、これ以外には運用してはならない、こういうことを省令で規定しようとするのであります。これが責任準備金及び財産運用に関する規定であります。
 第二点は、中央会の監査事業に対する協力規定であります。農業協同組合の現状とこれをめぐる客観的な情勢を考えますと、その組織及び事業運営の刷新強化をはかることが大切でありますが、さしあたり協同組合の内部における事業監査機能を拡充しようとするのであって、このために三十三年度予算において農協中央会の監査事業に対する補助金約二千万円計上しております。これに伴って、法的にも中央会の監査事業関連の規定を整備するとともに、監査実施の手続を明確にしようとするわけであります。外からの会計検査とかあるいは非違を指摘するということのほかに、検査によって組合の事業の運営を向上していこうというのがねらいであるから、やはり受検の組合の協力は絶対必要であるから、そういう事項に関する規定もこの法律で明らかにしよう、こういうわけであります。
 法律の条文関係の説明は以上でありますが、配付資料について若干補足的な説明を申し述べます。
 農業協同組合の行なっている共済事業には、資料の第一ページの表でごらん願うと、養老生命共済、建物更生共済、農家建物火災共済、団体建物火災共済、職員退職共済、自動車共済、輸送共済、こういう種類の共済事業を行なっております。おもなものは生命共済と建物の共済であります。あとの職員退職共済あるいは自動車共済、輸送共済などは、普遍的ではないのであります。
 このやり方は、単位組合、県共連、全共連のいわゆる三段階によって行われているが、その事業の内容は、原則として単位組合は元受、県共連は再共済、全共連は再再共済の機能を果しております。その共済事業を行う組合の数は、単位組合が九千六百四十六、これは三十二年三月末現在。それから連合会は四十六、これは大阪だけができておらないが、ほかは全部できております。全国は一本、こういうことになっております。
 それからその次のページの養老生命共済は、共済契約者たる組合員から、共済掛金の支払を受け、被共済者につき、一定期間、五年、十年、十五年、二十年、二十五年、三十年内に生じた死亡及び当該一定期間の生存を事故とし、当該事故の発生により共済金を交付する事業、これは普通養老生命保険と同じであります。共済金額は、一契約当り一万円より百万円までとなっております。
 建物更生共済は、共済契約者たる組合員から共済掛金の支払いを受け、共済契約者またはその親族の所有しまたは管理する建物または建物内に収容されている動産であって、共済契約者またはその親族の所有し、または管理するものにつき、一定期間内に生じた火災及び当該一定期間の耐存を事故として共済金を交付する事業でありまして、これは、一契約当り五万円から百万円になっております。
 その次は、建物火災共済であります。これは、やはり共済契約者たる組合員から共済掛金の支払いを受け、共済契約者またはその親族の所有し、または管理する建物または建物内に収容されている動産であって、共済契約者またはその親族の所有し、または管理するものについて、一定期間、これは短期間内に生じた火災を事故として共済金を交付するのであります。これもやはり、一万円から百万円までになっております。
 それから、団体建物火災共済、これは共済契約者たる会員、すなわち組合連合会等の団体でありますが、それにつきまして火災事故について共済金を払うのであります。これは、一契約について五万円から三百万円、これは団体の建物でありますから、ほかは百万円が最高でありますが、三百万円を最高にしておるのであります。こういう種類のものをやっておるのです。
 あと、自動車共済とか職員退職共済その他ありますが、これはほとんど活発にやっておりませんので、内容は省略しております。
 そこで、実績を見ますと、その次の表をごらん願いますと、二十七年から三十一年までの実績を掲げております。相当急速に伸びてきておるのであります。
 それから共済事業を行う連合会の財務の内容であります。五ページの第四に書いてありますが、共済事業を行う連合会の財務の内容については、次の通りであります。つまり、単位組合は、共済責任のすべてを共済事業を行う連合会に再共済させておりますから、共済事業の財務の状況は、連合会の財務の状況と同じと見てもらえばいいのでありますから、連合会のやつを出しておるのであります。すなわち七ページの表を見ながらお聞きを願いたいと思うのでありますが、資産の総額は三十二年三月三十一日現在で百三十九倍になっております。三十年度末では六十八億でありますから約倍にふえておるのであります。このうち、預金が百十五億、有価証券が一億、両者の合計が百十七億になります。それから資本、負債の項目で見ますと、支払準備金が一億五千で、責任準備金が百二十四億ということになっております。これも前年に比べますと、急速に伸びておるのであります。
 以上が、共済事業の内容についての資料の説明であります。
 協同組合の監査事業の資料が第九ページ以下に載っておりますが、これは協同組合に監査士というものを置いておきまして、そうして自己監査をやっておるのでありますが、監査士は「農業協同組合監査士の選任資格を定める省令」、これは昭和二十九年に出ておりますが、それによりまして、資格試験合格者、あるいは無試験資格認定者という者で、一定の経歴のある者から無試験で中央会で認定している、この二つの種類があるのでありまして、その実際の人数は資格試験合格者が百六十五人、無試験資格認定者が三百五十二人で、五百十七人の資格者がありまして、その中から二百八十五人が現在選任されております。
 中央会の監査の実績でありますが、全国中央会の監査は、監査士が三十二年に四人おりまして、これを補助する者十一人、合せて十五人で二十の組合を監査しております。都道府県の中央会の監査の状況は、監査士が昭和三十二年で二百八十一人でありまして、それに補助者三百三十八人、合せて六百十九人が二千三百三十五の組合を監査しておるのであります。この事業をさらに推進しようと、こういうふうに考えておるのであります。
 以上、簡単でありますが、終ります。

発言情報

speech_id: 102815007X00919580227_008

発言者: 渡部伍良

speaker_id: 9114

日付: 1958-02-27

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会