東隆の発言 (農林水産委員会)

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○東隆君 私は、共済関係でもって蓄積された資本というものは、これは普通の協同組合の信用事業における資金のように短期の資金でなくて、将来これは長期の資金に当然運用していかなければならぬ筋合いのものである。これは農業保険が日本に一番初めに到来したときにペー・マイエットなんかが強力に主張をしておったことであって、農村金融のおそらく中心になるところのものは、農業保険を通して長期の資金が得られ、この資金を十分に農村に還元をして、そうしてこれを生かすことによって、初めて農村金融というものは完成をするものである、従って、早く農業保険をやるべきである、こういうのがぺー・マイエットなんかの明治二十年代ごろにおけるところの強力な主張であったのです。ところが、それが行われないでずっと続いておって、日本では保険事業というものはことごとく営利事業でなされてきた。従って、農村には長期資金を蓄積するところの機関が一つもなかった。そうして財政投融資というような関係でもって預金部資金が流れたりなんかして、辛うじて長期資金をまかなっておった。そのために農村は資本的に蓄積が一つもできなくて、そうして常に経済界の変動によって苦しめられてきた。こういうのが、私は日本の農村の姿であると思う。従って、この共済事業によって蓄積されるところの資本というものは、当然農村に還元されるべきものである。ところが、今お考えになっておるところの財産の運用のやり方は、非常にそういうようなものとはかけ離れた考え方になっておる。単に安全ばかりを考えて、そうして農村にこれが還元されていかない。ただ中金の余裕金として存在をする、あるいは国の債券や地方債券、そういうようなものに固定されて投資をする。農村の住宅の建設もできないし、土地改良も根本的にやれないし、それから農村におけるところの病院の建設なんかも私はできないと思う。厚生事業を進めていくために資金を借り出そうとしても、なかなかこれは容易じゃない。しかし、こういう積み立てられた資金こそ、農村厚生事業に投資してもいい資金じゃないか。あるいは農家の住宅を建設するためにこの資金を使っても、そして考えようによれば、この積み立てられた資金というものは、これは金利というものを、見ようによっては非常に安い金利のものに使えるところの原資金になるわけです。ところが、この考え方からいけば、これは単に預金として、その金利だけを利用するというような形に、これがなっておるために、共済事業をやるところの本来の大きな目的から、これは非常にそれてしまう。このやり方を、従ってもう少し道を開いて、たとえば農家の住宅を建設する資金のためにこれは使うことができるのだ、こういうふうにすれば、結局いい住宅に入れば衛生方面もなにいたしますし、それから生命が延びれば共済料金もたくさん入ってくる、拡大されていくわけです。火災関係の問題にしても、りっぱな家をこしらえれば、不燃質の家をこしらえれば、これは火災にかからないで済む。そして、しかも安い保険料でもってやっていく、こういうような非常に重要な農村の資金として、しかも長期資金として非常に重要なものを、それを変な方面にみんな使わなければならぬ、こういうふうに規定をするのは、これは農村金融本来のものを忘れてしまっておるところのやり方である。こういうように考える。この点はどういうようにお考えですか。

発言情報

speech_id: 102815007X00919580227_019

発言者: 東隆

speaker_id: 20013

日付: 1958-02-27

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会