安田善一郎の発言 (農林水産委員会)

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○政府委員(安田善一郎君) 開拓者の持っておりまする負担の中には、生産的で優良なる債務と申しますか、当然生産的で償還が可能なという性質のものもございますし、個人消費その他特別の事由で、不良の債務もあると思いますが、いろいろあるうちで、開拓者資金の政府特別会計から融資しておるものは、三十一年度末で百三十一億残高がございます。天災法の災害営農資金では三十八億余でございまして、公庫資金としましては十九億余ございます。全体では百八十八億ございます。三十二年度分を加えますと、二百億をこえるわけでございますが、このうちで、御指摘になりました開拓者の中には、生活保証を受けておる者があるが、これに対してはどうか、こういうことでございますが、昨年度の開拓法案についての御審議の際にも出ましたか、私が最近見積っておりまするもの、全国農家で生活保護法の適用を受けておる開拓農家は、約三千五百戸でございます。青森県あたりでは、その一割ぐらいあるようでございますが、この問題に対しましては、熊本の阿蘇等においても例がございますが、耕作農業あるいは家畜を入れた農業に割合従事しないで、他へ賃かせぎに行っておるような、きわめて低調な開拓者もあるのでありますが、特別のそういう離農的な入植者は別といたしまして、営農に今後いそしんで、農業で立っていこうという力がほとんど全部でございまするけれども、生活資金等で非常に困っておる、また営農の進度も進んでおらない、こういう所に対しましては、まず第一に、開拓者資金特別会計につきましては、同法に基き、政府が必要な場合融資をしたのですから、償還はできる限りは必ず償還をしていただいて、また借りていただくというのか条件でございますけれども、必要な場合償還延期の措置をとることができるのでございまして、また過般、国の債権の管理等に関しまする法律が出ましたが、三十二年度中に農地局、特に農地事務局長をしてその開拓者関係の政府資金の償還困難なものに対する償還延期、どうしても償還ができないときはこれを免除する、こういう措置についての管理事務は農地事務局長に委任していただくことに大蔵省と話をきめまして、開拓者側、また開拓者の団体からその申請があるのに応じまして、これをよく調べて、その措置をとるように準備を整えたところでございます。また、開拓者に対しまする融資は、そのほとんど全部が開拓農協を通じて連帯債務の形で出ておりますが、一部その組合員である開拓者が行方不明等になりまするというと、債務を負うたまま連帯債務者であるところの他の開拓農家及び開拓農協が、余分の債務を負うことになるわけでございますが、これに対しましても、政府資金に関しましては、同様の措置をとるようにいたしておるのでございます。またこの延期と、それに続く法に基きまする免除ばかりでなしに、開拓地を開拓者に売り渡しまして、営農は確立していないが、とにかく自作農であるという形になっておりまする対象開拓農家に対しましては、自作農資金のうち三十三年度約五億のワクをもちまして、三十三年度も同様に約五億のワクをもちまして、個人債務で、他の方法ではなかなか処理がむずかしいものに対する長期低利の資金供給による借りかえを考えております。次に災害経営資金でございますが、先ほど申し上げました三十一年度末では三十八億余あると申しましたものでございますが、これは、昨年から一部は、私どもの役所でいえば経済局の金融課でやっておりまする天災法に基く災害経営資金の利子補給と、損失補償並びにその期間延長を考えておりますが、今般は、これを経営改善という名前にすることにいたしまして、天災法の融資から開拓営農振興臨時措置法に基きまする資金の方へ切りかえまして、その利子補給額も昨年が約三千六百万円であったと思いますが、三十三年度は一億二千万円に増加いたしまして、より長期にする、簡単に申しますと、三年ないし五年の償還期限を十年の償還期限の方に切りかえる、そういうふうに措置をいたしております。これは予算の計上及びこの改正法案でありません開拓営農振興法の運用によります措置でございます。農林漁業金融公庫資金十九億の負債に対しましては、政府資金に準ずるものでございますので、開拓者資金特別会計におきまする措置と同様に取扱いをいたしたいと思っておるわけでございます。しかし、いずれにしましても、負債を緩和するのも、営農を振興して必要な建設工事の追加補助、開墾の進度を高める、営農の高度化を進めるというような形で、経営上からの余裕をもって早く返していただくことの方がより重点でございますので、一方以上申しましたように、債務の条件緩和をいたしまするとともに、営農振興の方をはかって、両々相待って措置をしたいと思っておるわけでございます。

発言情報

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発言者: 安田善一郎

speaker_id: 22209

日付: 1958-03-07

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会