堀末治の発言 (農林水産委員会)

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○堀末治君 先般派遣されました第一班の御報告をいたします。
 第一班は、田中委員、東委員、特別に参加願いました柴田委員と私の四名で、二十一日東京を出発、二十二日早朝より、名古屋市中央卸売市場の本場及び枇杷島市場の現状を視察した後、県庁におきまして、県市当局及び関係者各位と中央卸売市場法及び同改正案について懇談を行い、二十三日帰京いたした次第であります。
 次に、その概要につきまして簡単に御報告申し上げます。
 名古屋市中央卸売市場本場の業務開始は昭和二十四年四月一日、また、枇杷島市場は昭和三十年九月十三日で、他の大都市の市場に比してその歴史は浅く、総面積は、本場は四万三千八百九十七坪、枇杷島市場では九千五百三十坪で、その業務内容は、本場におきましては、鮮魚部、塩干魚部、青果部及びつけもの部でありまして、枇杷島市場は青果のみであります。
 市場手数料は売上げの千分の一・六で、三十三年度予算では、年間売上げは百八十七億円が見積られ、市場使用料は二千九百九十万円が見込まれております。また卸売場、仲買場及び倉庫等の施設使用料は、四千二百六十万円が見込まれております。また、卸売人委託販売手数料は、青果は一割、果実八分、つけもの八分、水産関係六分、鶏二分、卵一分であります。
 次に、各関係者がひとしく述べられる本市場の特色について申し上げますと、本市場の取引内容は、中央卸売市場の名に恥かしい、原始的な取引が続けられていることであります。すなわち、相場の立て方については、特に個人出荷が多い近郷の青果物については、ばら荷に値なしといわれるように、値段は、相手次第で高くも安くもつけられる川村取引、いわゆる袖の下取引でなされる場合が多く、その上、売られた荷物は当然その場渡しであるにもかかわらず、小売商の車なり店先まで運搬させられる現状であり、生産農家は、去る昭和三十一年十一月に、名古屋中央卸売市場対策協議会を結成し、市場側と折衝を重ねており、昨年九月二十八日に、一、せり売りの励行、二、売買成立後の物品の卸売揚渡しの実施、三、市場手数料を戦前の六分までに引き下げる旨の決議をなされたようであります。
 次に、懇談会における各関係の方々の御意見を申し上げてみたいと思います。
 まず、改正案に対する各界の御意見を申し上げます。
 第一点の、中央卸売市場の名称使用の制限については別段の意見はなく、第二点の、卸売の業務にかかる取引方法の制限に関する規定の新設については、卸売人代表より、開設者が農林大臣の認可を得てきめるのでは、今までと同様に競争が激しく、農林大臣がきめるべく法律で明確にすべきである旨の、生産出荷代表は、奨励金、歩戻金などは自粛し、市場手数料を引き下げるべきである旨の、小売商代表よりは、奨励金については、小売商の義務を遂行した者については十分生かしていただきたい旨の、なお、生産者代表より、手数料の歩戻しの問題について不公平な旨の発言に対し、小売商代表より、われわれは一分の歩戻しを受けることにより義務を負わされる、また本件については、荷受けと小売が六年間協議の結果とられた措置であり、妥当な措置と認められる旨の意見の開陳がありました。
 第三点の、卸売人の純資産額に関する規定の新設につきましては、卸売人代表より、丸東問題に端を発した今回の改正案中、特に純資産額に関する規定につきましては、全く残酷な規定であり、暖冬異変で物価の下落した今日、卸売人は経営がきわめて困難であり、他の温情ある指導方法により脱落者を防止していただきたい旨の要望がなされたのであります。
 その他各関係者が一同に会し、懇談的に会議が運ばれた関係上、種々激論がかわされ、本法に対する意見が述べられたのであります。卸売人代表よりは、整備統合一本化こそ取引方法の適正化の早道であるとの意見に対し、仲買人及び小売人代表よりは、卸売人の単数化は反対の旨の、また生産者代表よりは、公正取引の前提となる設備の完備、卸売人の過度競争に対処するため、その数を少い単位に、せり売りの原則を市場開設の条件に、農林大臣の監督は厳重に、利害関係者による市場運営協議会の常設をされたい、法第二十四条職権の委任について、恒常的なものについては都道府県知事に委任されたい旨の、また買出人代表よりは、出産者は、市場にくずの少い商品を運搬されたい旨等の、市場運営の適正化に対する建設的意見が開陳されたのであります。
 以上、きわめて簡単でありますが、第一班の報告といたす次第であります。

発言情報

speech_id: 102815007X02219580327_028

発言者: 堀末治

speaker_id: 16663

日付: 1958-03-27

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会