關根小郷の発言 (予算委員会第一分科会)

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○最高裁判所長官代理者(關根小郷君) ただいま大谷委員からのお問いの点、まことにごもっともで、遺憾の点がかなりあるかと思います。全般的に、最近におきまする裁判の審理期間その他につきまして簡単に申し上げますと、現在裁判所に係属いたします、かかりまする事件の総件数は、年間三百万件をこえております。それで、このうち、刑事訴訟なりあるいは民事訴訟なりの総件数が約一割の三十万件、その他は、いわゆるいろいろな訴訟事件その他の事件でございまするが、この三百万件をこえておりまする事件を扱っております裁判官の数は、全体で二千三百人。先ほど申し上げました事件の数は、戦前に比べましてはるかに上回っておりますにかかわらず、裁判官の数はその割にふえておりません。従いまして、どうしても裁判官が忙しいという事態が出て参っておりまして、まことに、事件によりましては遺憾なぐらいに延びておる事件がないとは申せないわけでございます。
 それでは、この刑事訴訟あるいは民事訴訟事件の処理につきまして、どのぐらい期間を要するのかということを簡単に申し上げますと、全体の統計を見ますると、その割におそくなっておりません。それはなぜかと申しますと、ただいま申し上げました、三百万件をこえております事件のうちでも、複雑な事件というのは割合に少いのでございまして、簡単な事件につきましては、かなり早い。でありまするから、複雑な事件、簡単な事件を合せまして、民事につきましては、大体一年以内に片づくものが七五%、百件のうち七十五件、刑事につきましては、それよりも早く、六カ月以内に片づくものが八〇%、百件につきまして八十件という割合でございます。ただいまお話がございました、元首相の芦田さんの事件等におきまして、事件発生以来十年、確かに仰せの通りだと思いますが、こういう複雑きわまる事件につきましては、ただいまも申し上げました、刑事につきましての八十件の残りの二十件、百件を全体といたしまして二十件は、六カ月をこえるということになりまするが、そのうちに入るのでございまして、非常に長くかかりました点については、遺憾な点がございます。ただ、この芦田事件に関する限りは、御承知の通り、非常にむずかしい内容を持っておりまして、この事件に弁護をされました弁護士の方も相当たくさんおられ、糾明に糾明を重ねられた結果、あの無罪ということになったのでございまして、しかも、一審で無罪であるにかかわらず、検事控訴がございまして、さらに高等裁判所ですっかり調べ直すという手続でやったわけでございます。これはなぜかと申しますと、御承知のように、あの事件は、旧法事件——古い刑事訴訟法によりまする事件でございまして、いろいろな要素が加わりまして、あれだけの長い期間を要したのでありまするが、内容が非常にむずかしくて、ここに一松先生がおられますが、おそらく御承知だと思いまするけれども、記録の厚さというものは非常なもので、いかにその事件が複雑であったかということを物語っておるわけでございまして、まあ今となりましては、一審二審であれだけの糾明をいたしたために、上告ということもなく終ったわけでございまして、ただ、今後ともああいった有名な事件につきまして、一そう審理を早めるためにあらゆる方途を講じたい。こういう考えでおります。

発言情報

speech_id: 102815266X00219580324_004

発言者: 關根小郷

speaker_id: 25903

日付: 1958-03-24

院: 参議院

会議名: 予算委員会第一分科会