加賀田進の発言 (地方行政委員会)

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○加賀田委員 これは政府内部の問題ですからあまり深く私は追及いたしたいとは思わないのですが、とにかくこの法律提案に対しましては、非常に国民も疑義を持っておるし、われわれも疑義を持っておる。時間的にあるいは時期的に非常にちぐはぐな答弁がなされておるし、突如として出されたということは、私は、今答弁を求めた全般にわたってよく了解できると思います。その点は、国民もそうでありますが、私は、法律提出に対しては、非常に突如として出した裏には何かあるのじゃないか、こういうような疑義を持たざるを得ない状態だったと思うのです。この点に対しては、やはり政府としても十分法律提出に対して考慮すべき点があるんじゃないかと思います。
 次に、この法律改正に当っても、現行法の中におきましても、第一条には「この法律に規定する手段は、前項の目的のために必要な最小の限度において用いるべきものであって、いやしくもその濫用にわたるようなことがあってはならない。」こういう警告を出しておるわけです。これは訓示規定だと私は思うのですが、そういうように乱用してはならないというような形で法律でちゃんと規定してあるにもかかわらず、あるいは法律改正に基いても、自治庁長官は絶えず乱用やあるいは誤用というものは、できるだけわれわれとしてはさせないのだ、こう言っておりながらも、さいぜん私が指摘した通り、警察官における人権侵害の事件というものは、相当長い間にわたってあるわけです。しかもさいぜん申し上げたように、本年度にわたって非常に多くある。こういうことでは、警察官が乱用しない、あるいは誤用しないといっても、一体これはどこが保障するのか。国家公安委員長一人が、あるいは総理大臣一人が乱用しないのだと言ったところで、実際に国民と接触するのは警察官なんですよ。一体だれがこれを乱用しないということを口をすっぱく何回言ったところで、現実に今の法律でさえ乱用されているのですよ。これが拡大され、強化されるというようなことであるなら、乱用のおそれがあるという疑惑が国民にあるということは当然だと思う。一体これを乱用しないということを決定的にどこで、言葉だけではなくて決定されるのか。国家公安委員長だけの言葉では、われわれは信用することはできません。私の調べたところによれば、遠くは昭和二十三年には、ちょうど仙台の青年が上野駅からいなかに帰ろうと思って、時間があるから浅草を歩いておったら、突如職務質問をされた。時間がないからおれは帰るのだといってその質問を拒否しようとしたところが、警官はピストルを出して、青年は射たれるのじゃないかと思って、ピストルを取り上げるために乱闘が起った。そのために間違って発砲して青年を死に至らしめたという事件がここにあるわけです。これは昭和二十三年の問題ですが、それから引き続いてそういうような人権侵害の問題が各所に起っているわけです。そういう状態の中で、なお警察官の権限というものを拡大しようとする。ここに法律改正に対して国民自体がほうはいとして反対の態度をとる大きな原因かあると思う。ただ法律条文の表面的な文章だけをとらえてみますと、これはそういう危惧はないかもしれません。しかし、こういう国民と直接接触する問題に対して、乱用しないという保障を一体国家公安委員長はどこに与えるのか、その点に対して明確にしていただきたい。

発言情報

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発言者: 加賀田進

speaker_id: 20805

日付: 1958-10-28

院: 衆議院

会議名: 地方行政委員会