石井桂の発言 (内閣委員会)

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○石井政府委員 ただいま議題となりました科学技術会議設置法案につき御説明申し上げます。
 最近における世界の科学技術の進歩はまことに著しいものがありますが、このような時に際して天賦の資源に恵まれないわが国が、その文化と経済の発展を期するためには、科学技術の画期的な振興をはかるほかにはないということは自明のことと考えます。このため政府といたしましては、科学技術振興の国家的重要性を深く認識いたし、その振興のために諸般の施策を推進しているのでありますが、従来の施策が総合性という面において必ずしも十分でなかったということに思いをいたし、政府の施策に一そうの総合性を持たせるため、ここに科学技術会議設置法案を提案する次第であります。
 以下科学技術会議設置法案につき、その概略を御説明申し上げます。この法律案は、さきの第二十八国会において審議未了となった同名の法律案に、国会審議の経過及び日本学術会議の意見を参照して、若干の修正を加えたものであります。科学技術会議は、内閣総理大臣の諮問機関として総理府に置かれ、内閣総理大臣は科学技術に関するきわめて重要な事項に関して関係行政機関の施策の総合調整を行う必要があるときには、その事項について科学技術会議に諮問しなければならないことといたしております。この科学技術振興のためにきわめて重要な事項と申しますのは、第一に科学技術一般に関する基本的かつ総合的な政策の樹立、第二に科学技術に関する長期的かつ総合的な研究目標の設定、第三にこの研究目標を達成するために必要な研究のうち、特に重要なものの推進方策の基本の策定、第四に日本学術会議への諮問及び日本学術会議の答申または勧告に関することのうち重要なもの、以上の四つの事項であります。
 このような事項につきましては、従来とも大学の研究に関しては文部省、工業の分野においては通商産業省、農業の分野においては農林省というように関係各省において、それぞれ所掌事務の範囲内で決定推進されて参ったものであり、また科学技術庁、原子力委員会のように総合調整を任務とする機関もすでに設置されているのではありますが、科学技術の全般にわたって施策の総合調整をはかる機関は現在のところ存在しないのであります。そこで新たに科学技術会議を設けて、これに科学技術の全分野にわたる施策の総合調整の機能を果させようとするものであります。
 もとより本会議は前述のように、各行政機関の科学技術全般に関する施策の総合調整をはかることを目的として設置されるものでありまして、各機関の専管に属する事項のみを対象とした審議は行われないものであり、また大学における学問研究に関する行政をも含めた総合的な調整を行うに際しましても、憲法により保障されたその自由は十分に尊重されるものであることは言うまでもありません。
 科学技術会議のこのような任務の重大性にかんがみ、その組織には他の一般の諮問機関と違った大きな特色を持たせているのであります。すなわち第一に議長は内閣総理大臣であり、第二にその議員としては大蔵、文部両大臣及び経済企画庁、科学技術庁両長官並びに日本学術会議会長が充てられるほか、関係国務大臣が必要に応じて議員として会議に参加できることとされていること、第三に閣僚及び日本学術会議会長以外から任命される識見の高い議員三人のうち二人は常勤とされて、常時科学技術に関する内外の動向の把握とその検討に専念できるようにされていること、最後に議員全体の数が少数に制限されていること、以上であります。これは科学技術会議の設置の主旨にかんがみ、その組織を強力にし、かつその活動を実効あらしめんとするためであります。従いまして閣僚及び日本学術会議会長以外の議員の人選に当りましては、特に意を用いて科学技術に関して最高の識見を有する者を選び、科学技術会議の公正な運営を期する所存であります。
 以上はなはだ簡単でありますが、科学技術会議設置法案につきまして御説明申し上げました。本法案については、これに必要な昭和三十三年度予算支出の御決定をいただいており、また日本学術会議においても本法案の成立に異存のないものでございます。科学技術振興の重要性に対する皆様の深い御理解により、本法案が可決されるよう心から希望いたします。本法案の慎重にしてすみやかなる御審議をお願いいたします。
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発言情報

speech_id: 103004889X00119581002_007

発言者: 石井桂

speaker_id: 5584

日付: 1958-10-02

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会