茜ケ久保重光の発言 (内閣委員会)

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○茜ケ久保委員 一体貧困になっただけなら、社会問題はありませんよ。たとえば今おっしゃったように、旧地主が貧困になっているとしても、貧困になっているだけなら問題はない。その人だけの問題だ。社会問題だというのは、その貧困になった旧地主と、土地の解放を受けたかっての小作人とのいろいろな問題とか、あるいは村政上、村の経営上、農村の経営上、それを中心にいろいろな問題が波及して、社会的な問題となっているところに社会問題ということがある。ただ単に旧地主の農家が貧困化して貧乏になっているだけでは、社会的な問題とは言えない。それがいろいろな問題に波及して、農村経営上非常に重大な問題があるとか、あるいは部落経営上何か問題があるというところに社会問題ということがある。(「ほんとうに困っているのだ」と呼ぶ者あり)今こちらから声がありますが、困っているということはわかっている。困っている現実を調べてみてどうなりますか。補償をしなければ困っている旧地主は救われはしない。そうなりますと、今自民党の席から声があったように、泣いているのだ、困っているのだ、それならその実態をちゃんと調べて、これを泣かないようにしようじゃないか、それなら補償なんだ。どんな形にしろ、今貧乏して困っているのを調べて、泣いているから何とかしょうというなら、これは補償以外にありませんよ。補償しなければ意味ない。そんなことはわかっている。従いましてちゃんと自民党の腹の中にあるのだ。地主連盟にすがられて、それならそれではっきりおっしゃればいいのだ。もっとはっきりされてもかまわない。社会党が反対しようと、だれが反対しようと、あなた方が旧地主に対してそうした責任をお負いになるならば、私ははっきりこの法律を出したらいいと思う。自民党さんの腹にはあるのだ。三百人の大政党ですよ。堂々とお出しになればよろしい。だれが見てもわかるものをこういうふうにひねくってお出しにならぬでも、ちゃんと旧地主の諸君がこういうふうに困っているから、これに対しては地主諸君が言うような補償はできぬにしても、何とかしなくちゃならぬということを表に出したらいいので、それをなさらぬところに私どもがどうしても納得ができぬものがある。今の農林大臣のお答えを聞いておっても、私は総務長官が社会問題と指摘されるその問題に対して何ら把握をされておらぬところに、やはりこういった現象が起ると思うのです。どうです農林大臣、あなたは日本の現在の農村問題で、一番重大な問題は何とお考えになりますか。私はこういうことをなさる前に、もっと現在の日本の農村においてはほかに重大な問題があると思う。そういう問題をほうっておいて、ただ単に旧地主の貧困化している者に対してだけこんな調査会をお作りになるのは私は片手落ちだと思う。総務長官には私は先ほどからいろいろなことを申し上げたが、あなたは農林大臣だ。農林大臣ならば農村にはもっとほかに重大な問題がたくさんある。たとえば指摘すれば、この前問題になったあの繭糸価安定法によるところの三十三年度の蚕繭の処理についても、政府は三十三年の繭価は最低千二百円を保障するといっておきながら、ついに保障されなかった、こういう問題もある。これもそのままなんだ。これは八十万農家が泣いている事実なんだ。ところがこれに対してはあなたは終始ほおかぶりして、ついにああいう結果になった。酪農の問題、山林の問題を取り上げてもそうなんだ。いろいろな問題がある。そういう旧地主でなかったいわゆる一般農民の切実な要求に対してはほおかぶりされているあなたが、旧地主に対してはこのように温情あふるる調査会を作ろうとされるところに、私は矛盾があると思う。一つ農林大臣の所見を伺いたい。

発言情報

speech_id: 103104889X02819590407_018

発言者: 茜ケ久保重光

speaker_id: 24304

日付: 1959-04-07

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会