綱島正興の発言 (内閣委員会各省設置法改正案等審査小委員会)

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○綱島小委員 大体目的とされておるところは、補助政策と価格補償政策といずれかということはきめていない、こういう御意見でありますが、妥当だと存じます。だがわが国はドイツなどと違って考えていただかねばならぬことは、農業人口の転換するに妥当なるコースがあるか、これが問題であります。農業人口の率というものも、御承知の通りドイツなどの二倍に近いパーセンテージを占めておる。御承知の通り西ドイツは元来工業地帯でございまして、そしてこの地帯は戦後著しく工業の発展を見ておりますので、人口吸収も割合に楽である。それからドイツの非常に高度化した工業というものは、ヨーロッパにおいても商品のはけ口というものが日本から見れば非常に楽であるし、ことにフランスとの間にあの協定をいたしましたところから、関税の障壁等も非常に楽になっている。農業地帯をたくさん持っておりますフランスに対するドイツの輸出可能性というものも、日本よりも非常に楽であります。日本の工業製品のはけ口というものは、精密工業では日本の特殊なレンズでございますとか、あるいは特別な繊維工業でございますとかいうもの以外は、大体精密度においてはなかなかアメリカに及ばない。だといって、それでは日本の非常に進んだ工業をそのまま東南アジアのどこやらかで利用し得るかというと、これも市場を発見することは困難であるということで、日本の農業労働力というものをいかように処理するかということについては、日本の置かれておる国際間における経済事情から参りまして、非常に困難なことが予想されるのであります。一面からいえば、日本の農民の所得というものは、他の所得に比べて非常に低位でございます。ただいま中小企業の所得ということが非常に問題になっておりますが、中小企業の所得のパーセンテージの半分が農業の所得でございます。これは総所得の数字ではございません。一人当りの所得の数字でございます。そこで日本の非常に低位にある農家経済をそのままに温存することは、近代国家の本旨である国民の所得水準を大体均等にするという考えに全く離反している。ことには私はこの際どうしても内閣などで御注意を願わなければならぬことは、アメリカは膨大なる価格補償の結果、アメリカさえ困ってきたのだ、アメリカの経済力をもっても困ったのだ、こういう議論であります。これはよく聞いておいてもらいたいと思う。審議会の人たちなんかはよくこれをやる。それは全くしろうとがしろうと耳で聞いた議論です。アメリカなどは人口は一三%しかございませんけれども、現行の予算を見てごらんなさい。アメリカ合衆国の予算は日本円に換算して大体二十五兆円であります。そのうちの十五兆円が軍事予算であります。残りの十兆円が全部の内政予算であります。そのうちの二兆九千億円が農事予算で、それは何かというと試験研究は多少あるけれども、全部価格補償です。人口は確かにわずかに一三%、そうしてそれだけの補償をしても、農民の労働力に対する値というものは工場労働力とパリティではないのです。それでも十六対十二でございます。あれだけ補償しても足らないのです。この基本法でまず明らかにしておきたいことは、近代産業における農業というものは一体どういう地位を占むるか、経済的価値から見込んで割に合う産業であるかどうか、こういうことをまず伺っておきたいのであります。

発言情報

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発言者: 綱島正興

speaker_id: 32742

日付: 1959-03-10

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会各省設置法改正案等審査小委員会