内閣委員会各省設置法改正案等審査小委員会
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会
会議録情報#0
昭和三十四年三月十日(火曜日)
午後零時三十六分開議
出席小委員
小委員長 岡崎 英城君
倉成 正君 綱島 正興君
前田 正男君 石田 宥全君
受田 新吉君 木原津與志君
高田 富之君
出席国務大臣
農 林 大 臣 三浦 一雄君
出席政府委員
内閣官房内閣審
議室長兼内閣総
理大臣官房審議
室長 吉田 信邦君
総理府総務長官 松野 頼三君
農林事務官
(大臣官房長) 齋藤 誠君
小委員外の出席者
専 門 員 安倍 三郎君
—————————————
三月十日
小委員高橋等君、富田健治君、飛鳥田一雄君及
び石橋政嗣君同日小委員辞任につき、その補欠
として綱島正興君、倉成正君、石田宥全君及び
高田富之君が委員長の指名で小委員に選任され
た。
同日
小委員綱島正興君、倉成正君、石田宥全君及び
高田富之君同日小委員辞任につき、その補欠と
して高橋等君、富田健治君、飛鳥田一雄君及び
石橋政嗣君が委員長の指名で小委員に選任され
た。
—————————————
本日の会議に付した案件
農林漁業基本問題調査会設置法案(内閣提出第
九三号)
————◇—————
この発言だけを見る →午後零時三十六分開議
出席小委員
小委員長 岡崎 英城君
倉成 正君 綱島 正興君
前田 正男君 石田 宥全君
受田 新吉君 木原津與志君
高田 富之君
出席国務大臣
農 林 大 臣 三浦 一雄君
出席政府委員
内閣官房内閣審
議室長兼内閣総
理大臣官房審議
室長 吉田 信邦君
総理府総務長官 松野 頼三君
農林事務官
(大臣官房長) 齋藤 誠君
小委員外の出席者
専 門 員 安倍 三郎君
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三月十日
小委員高橋等君、富田健治君、飛鳥田一雄君及
び石橋政嗣君同日小委員辞任につき、その補欠
として綱島正興君、倉成正君、石田宥全君及び
高田富之君が委員長の指名で小委員に選任され
た。
同日
小委員綱島正興君、倉成正君、石田宥全君及び
高田富之君同日小委員辞任につき、その補欠と
して高橋等君、富田健治君、飛鳥田一雄君及び
石橋政嗣君が委員長の指名で小委員に選任され
た。
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本日の会議に付した案件
農林漁業基本問題調査会設置法案(内閣提出第
九三号)
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岡
綱
綱島正興#2
○綱島小委員 ただいま提案になっております農林漁業基本問題調査会の設置に関してでありますが、基本問題というこの「基本問題」の限界ですね。一体どういうところに基本を置かれるか。もっと具体的に申し上げますれば、調査の範囲は、国民経済の中における農林漁業の問題の調査であるか、それから国際間における日本国民経済の中における問題であるか。これが今後一番大きな問題になってくると思いますから、審議室長ではちょっと無理かもしれぬと思うけれども、お答えを願いたい。
この発言だけを見る →吉
吉田信邦#3
○吉田(信)政府委員 農林漁業の基本問題として考えておりますのは、今お説のように直接には国民経済の中におけるわが国の農林漁業の基本問題を確立していきたいということでございますが、同時にそのことは現在の国際経済のもとにおける日本経済、その中における農業ということに当然相なろうと思います。そういう意味において基本問題を検討いたしたいと思います。
この発言だけを見る →綱
綱島正興#4
○綱島小委員 そこで伺いたいのでありますが、私ども注意をいたさなければならぬことは、御承知の通り農業というものについては各国いろいろな基本政策を大体持っておる。日本のうちにはいろいろな言をなす者がこのごろございます。あるいはアメリカあたりでも農業保護政策が過ぎておる。そこでこれをどうしたらいいかという議論もある。日本でもあらゆる部面からと言うてよいくらいに、農業の保護政策については再検討を加えなければならぬ。その再検討を加えるという意味はどうかというと、あまり保護政策が過ぎておりはせぬかというような議論をなす者が非常に多いのであります。これらについての提案者のお考え方はいかようなお考え方でございましょうか。
この発言だけを見る →吉
吉田信邦#5
○吉田(信)政府委員 お説の通りいろいろと保護政策を加えて参りました。しかし保護政策だけですべての問題が解決するわけでもございません。また保護政策にもおのずから限界があると思います。従って今回の基本問題の調査会といたしましては、単なる保護政策だけではなくて、さらに基本的に解決できる問題がありはしないか、そこらに調査研究を進めて参りたい、こう考えております。
この発言だけを見る →綱
綱島正興#6
○綱島小委員 提案の理由でもう少し明らかにしておきたいことは、なるほど保護政策だけではいかぬようだから他の検討もしてみたい。言葉のやりとりからいえば、なるほどそういうこともあろうかと思われますが、一体概念というものはそれが何らかの事実をはっきりするのでなければ、これは言うも言わぬも同じになる。私がお尋ねしたいことは、事が明らかになるような概念を伺いたいのです。世の中が乱れてくると概念を粗略にする。何でも勝手ほうだいに言うて、意味も何もないことをやりとりする、こうなるので、ことに公けの機関等においてはそのことはあまりよくない。これはわかることを言ってもらいたい。そこでさらに端的にお尋ねをいたしますが、日本は御承知の通り保護政策の中で生産の補助をいたしたり、価格補償をいたしたりして、農業保護をやっております。一体そのうちで、いろいろ非難が日本の中で起ってきているのは、生産補助金の使い方が適正でないのではなかろうかという議論が会計検査院から出てきたり、大蔵省から出てきたり、いわば部外者の議論でございます。もっと端的にいえば、しろうとの議論でございます。農業というものは一体どんなものか、ろくに知りもせぬような者がそういうような議論を多くいたすので、この際農業とは何ぞやという問題に少し深入りするために、私はかような議論をいたしておる。またそれが明らかにならぬ限り農業基本問題と言ったって、概念さえわからずに基本を明らかにしようというのは、これは思わざるもはなはだしい。そこでこの立案者に私は伺わなければならぬことは、一体どういう必要でこういう法律案を出されるのか。これは聞かぬでもわかる。各国でやっておるのを日本がおくれておる。ただいままで見ると、大体農業については非常にごまかしの政策がある、やかましく言われるから仕方なしにやってきた、こういうような政策が多くて、妥当な線での政策は非常に少いと見ておる。
そこで農林大臣に伺いますが、この法案をどうきめるかということは審議の結果でございましょうけれども、提案で意図されておるところは、大体今のアメリカみたいなシステム、つまり価格補償システムに重点を置いておる、生産補助政策を基礎としてやっておる西ドイツ、これはドイツ時代からやっておる。こういう点について実は日本の類型は、日本独自の立場もございましょうが、大体どっちの範疇に入るものだというお考えで御提案であるか、その点を一つ伺いたい。
この発言だけを見る →そこで農林大臣に伺いますが、この法案をどうきめるかということは審議の結果でございましょうけれども、提案で意図されておるところは、大体今のアメリカみたいなシステム、つまり価格補償システムに重点を置いておる、生産補助政策を基礎としてやっておる西ドイツ、これはドイツ時代からやっておる。こういう点について実は日本の類型は、日本独自の立場もございましょうが、大体どっちの範疇に入るものだというお考えで御提案であるか、その点を一つ伺いたい。
三
三浦一雄#7
○三浦国務大臣 この問題は実は農業の基本的な問題でございます。今お説の通り、アメリカにおける価格支持政策、これはアメリカの国情をもってしてはいろいろの困難があったけれども、一貫して貫いてきた政策でございます。同時にまたニュー・ディール以来これを堅持してこられたのであります。西ドイツ等の関係はこれはまた御了承の通りでありますが、最近小倉技術会議事務局長が行って参ったのでありますが、スタートはどうも価格補償政策をしてほしい、こういうことが非常な強い要因になっておったようでござ
います。ところが実際問題になりますとなかなかとりにくいということで、ドイツでも検討された結果、そこでこの問題はむしろ今お説の通りの方式にだんだん切りかえてきた。すなわち生産性を高めてその方面に農業政策をやって参ったということが実情らしく思われます。同時にドイツにおきましては、これも御承知の通り、これを工業方面に転換しまして容易にこの問題を解決した、こう思われる節があるわけであります。御承知の通りに日本の農村の構造というものは、膨大な人口を控えて、これに対して農業を成立させるすなわち三大要素の土地そのものが非常に少い。ドイツにおきましては相当広大な土地を持っておるにかかわりませず、農村にあるところの人口を工業方面にどんどん切りかえ、そして工業を発展させて、その方面の雇用政策を推進していく、そして少い農業人口をもって農業生産を上げておる、こういうことが見のがすことのできない事情でございます。わが国としましては御承知の通り今いわばどっちも不徹底のままではございますけれども、併用の形になっておるわけです。この問題は実は農林省としまして、併用していくか一方に傾くかということの可否は容易にきめかねるものでございますが、農業の基本問題としての取り組み方は、十分に日本の国情を見て同時に今後発展させなければならぬ。日本の農業につきまして忌憚のない意見を求めて、そしてわれわれとしては取り組みたい、こう考えておるわけでございます。いずれを是としいずれを非とするということは、現在のところは予断せずに、まっしぐらに調査研究の成果を待ちたい、こういうことが現在のところでございます。
この発言だけを見る →います。ところが実際問題になりますとなかなかとりにくいということで、ドイツでも検討された結果、そこでこの問題はむしろ今お説の通りの方式にだんだん切りかえてきた。すなわち生産性を高めてその方面に農業政策をやって参ったということが実情らしく思われます。同時にドイツにおきましては、これも御承知の通り、これを工業方面に転換しまして容易にこの問題を解決した、こう思われる節があるわけであります。御承知の通りに日本の農村の構造というものは、膨大な人口を控えて、これに対して農業を成立させるすなわち三大要素の土地そのものが非常に少い。ドイツにおきましては相当広大な土地を持っておるにかかわりませず、農村にあるところの人口を工業方面にどんどん切りかえ、そして工業を発展させて、その方面の雇用政策を推進していく、そして少い農業人口をもって農業生産を上げておる、こういうことが見のがすことのできない事情でございます。わが国としましては御承知の通り今いわばどっちも不徹底のままではございますけれども、併用の形になっておるわけです。この問題は実は農林省としまして、併用していくか一方に傾くかということの可否は容易にきめかねるものでございますが、農業の基本問題としての取り組み方は、十分に日本の国情を見て同時に今後発展させなければならぬ。日本の農業につきまして忌憚のない意見を求めて、そしてわれわれとしては取り組みたい、こう考えておるわけでございます。いずれを是としいずれを非とするということは、現在のところは予断せずに、まっしぐらに調査研究の成果を待ちたい、こういうことが現在のところでございます。
綱
綱島正興#8
○綱島小委員 大体目的とされておるところは、補助政策と価格補償政策といずれかということはきめていない、こういう御意見でありますが、妥当だと存じます。だがわが国はドイツなどと違って考えていただかねばならぬことは、農業人口の転換するに妥当なるコースがあるか、これが問題であります。農業人口の率というものも、御承知の通りドイツなどの二倍に近いパーセンテージを占めておる。御承知の通り西ドイツは元来工業地帯でございまして、そしてこの地帯は戦後著しく工業の発展を見ておりますので、人口吸収も割合に楽である。それからドイツの非常に高度化した工業というものは、ヨーロッパにおいても商品のはけ口というものが日本から見れば非常に楽であるし、ことにフランスとの間にあの協定をいたしましたところから、関税の障壁等も非常に楽になっている。農業地帯をたくさん持っておりますフランスに対するドイツの輸出可能性というものも、日本よりも非常に楽であります。日本の工業製品のはけ口というものは、精密工業では日本の特殊なレンズでございますとか、あるいは特別な繊維工業でございますとかいうもの以外は、大体精密度においてはなかなかアメリカに及ばない。だといって、それでは日本の非常に進んだ工業をそのまま東南アジアのどこやらかで利用し得るかというと、これも市場を発見することは困難であるということで、日本の農業労働力というものをいかように処理するかということについては、日本の置かれておる国際間における経済事情から参りまして、非常に困難なことが予想されるのであります。一面からいえば、日本の農民の所得というものは、他の所得に比べて非常に低位でございます。ただいま中小企業の所得ということが非常に問題になっておりますが、中小企業の所得のパーセンテージの半分が農業の所得でございます。これは総所得の数字ではございません。一人当りの所得の数字でございます。そこで日本の非常に低位にある農家経済をそのままに温存することは、近代国家の本旨である国民の所得水準を大体均等にするという考えに全く離反している。ことには私はこの際どうしても内閣などで御注意を願わなければならぬことは、アメリカは膨大なる価格補償の結果、アメリカさえ困ってきたのだ、アメリカの経済力をもっても困ったのだ、こういう議論であります。これはよく聞いておいてもらいたいと思う。審議会の人たちなんかはよくこれをやる。それは全くしろうとがしろうと耳で聞いた議論です。アメリカなどは人口は一三%しかございませんけれども、現行の予算を見てごらんなさい。アメリカ合衆国の予算は日本円に換算して大体二十五兆円であります。そのうちの十五兆円が軍事予算であります。残りの十兆円が全部の内政予算であります。そのうちの二兆九千億円が農事予算で、それは何かというと試験研究は多少あるけれども、全部価格補償です。人口は確かにわずかに一三%、そうしてそれだけの補償をしても、農民の労働力に対する値というものは工場労働力とパリティではないのです。それでも十六対十二でございます。あれだけ補償しても足らないのです。この基本法でまず明らかにしておきたいことは、近代産業における農業というものは一体どういう地位を占むるか、経済的価値から見込んで割に合う産業であるかどうか、こういうことをまず伺っておきたいのであります。
この発言だけを見る →三
三浦一雄#9
○三浦国務大臣 今御指摘になった点でございますが、今御指摘になった点を正確に把握するという資料で作り上げられてはございませんけれども、農林省その他の統計が出ましたのを見ましても、第一次産業、第二次産業、第三次産業等の国民総生産における地位から見ましても、格差が非常に目立っておる。それからまた趨勢として、他産業との関連において、農業所得のパリティがだんだん下っておるということでございます。こういうふうにしていったならば、これはもう十年足らずでほんとうに救うべからざる地位に落ちばせぬか、こう憂えるのでございます。ただ今まで急激に来なかったのは、往年の昭和初めごろにありました第一次欧州大戦のあとにきた農業恐慌に際しまして、日本がひどい農業恐慌に襲われたことは御承知の通りであります。当時は更生運動などを展開しまして、自力でやるということでわずかに抵抗してきたわけでございますが、今日では幸いにしてその後いろいろ立法せられ、予算化してきましたところの、不十分であるとはいいながら農産物の価格支持政策等がありまして、そうしてこれがささえになっておる。米麦に関しましてもいろいろ議論はございますけれども、当初は国民に最小限度の食糧を平等に与える。よくいわれることでございますけれども、乏しきを憂えずひとしからざるを憂うということで、みなに平等に、最低の食糧の保障をするという性格で発達しましたところの食管制度も、今日ではもう一歩進みまして価格支持政策等に非常に役立っておるわけでございます。こういうような経過をたどって参ったのでありますから、統計面を見ますと大体農業収入の七割方はこの制度がささえになっておる、こういうことになっておるのですが、しかし計数はそうであるのですけれども、実質的に農業経営の内容等を見たり、あるいは農家の経済そのものを分析してみますと、ほんとうに水準には達しておらぬということでございますから、われわれとしましてはこの問題を深く掘り下げて、抜本的な問題をこの際どうしても確立しなければならぬ、これは今日の要請だろうと思うのでございます。この際におきましても、先ほども触れました農業人口の問題、さらに土地の問題等に関連しましても、これはひとり農林省のワク内ではなかなか解決できぬ問題でございます。ことにわれわれ農村における就労のコンストラクション、構造等を見ましても、容易ならざることになっておるし、ある程度の改善を加えることにしましても、やはり広い国民経済の視野から見直してやっていかなければならない。ことに結論的な、ある程度の希望になるかもしれませんけれども、相当拡大した国家投資、国の財政支出を予定してでなければ、この問題等も解決の曙光は見出せないということでございますので、われわれとしましては土地の利用の区分なり、さらにまた同じ土地の利用度につきましても、今畑地等につきましても若干の施策は取り進めてきましたけれども、これをもってしてはとうてい現状を満足し得ないと思うものでございます。さような見地から、われわれとしましては土地の利用区分、さらにまたそれを高度に利用し得る限界はどうか、さらにまた人口を農村に保有し得るためにはいかようの施策を講ずるか、さらにまたこの農村人口を他に移すとするならばどういう方策をとるかということを、やはり国民経済全体の関連におきまして正しい認識を得てこれに対処していこう、これがやはり大きな眼目であろう、こう考えるわけであります。
この発言だけを見る →綱
綱島正興#10
○綱島小委員 ただいま農産物の輸入というものが毎年大体二十億ドル、多いときはそれを少しこえております。三十億ドル前後の国民総輸入のうちの六〇%を占めております。これまでは大体日本で自給度を高めていけるだろう。農業自身で高められないもの、たとえば綿花、こういうものについては、必ずしも農業が進むだけではいけないだろうし、化繊等の発達と相待ってこの問題を解決していかなければならぬでしょう。しかしながら農業自身で解決せなければならぬ問題は食糧の大体六億ドル、飼料の一億ドル、それから砂糖の一億二、三千万ドルのうちの半分、羊毛の三億二、三千万ドルのうちのこれも半分、皮革の四千万ドルのうちこれは全部、こういうものを大体日本国民経済の中でどうしても農業が生産せなければならぬ。これが大体どのくらいの計画ならどうなるか、どのくらいの人口ならこれがやれるか、こういう問題をやはり御研究にならなければならない、この委員会としてはやらなければならぬと思っておる。
それからもう一つ問題になりますことは、先ほどお触れになりました日本の農業人口の問題であります。なるほど日本では、大体十四、五億ドルの、これから狭めていけるだけの生産は農業自身で追い込まなければなりますまい。たとえば食糧と申しましても、無限大にこれが必要なものであるか。大体農業の製品というものは非常に限界がございまして、そうたくさんは要らない。アメリカのごとく、保護してみると、二年半分もできて、捨ててしまわなければならぬ、これに補償をしていかなければならぬ、こういう矛盾が出て参りますから、農業の生産補助政策というものは、おのずから国民経済において必要なる限度、すなわち現在経済において輸入されておって、しかもその措置が可能なる範囲、こういうことにとどまるものだと思う。大体農生産品というものは、原料品は格別として、そのうちの主要なるものである砂糖であるとか、その他の食糧というものは、工業が発達するから欲望もそれについて発達するものではない。これには非常に限度があります。工業製品というものは、今まで少しであったものが巨大なる需要がふえている。一体農業の生産の必要量、農産物の必要度というものは、実は非常に限界がある。従って黙っておけば工業力の生産によって、その所得を増すにつり合った所得というものが形成されないという基本問題、これが農業保護政策をしなければならぬ第一番の問題、需要度における問題。第二番は、先ほどちょっと申し上げたように、農業の生産というものは機械力の利用度が非常に少い。他の産業のようには機械力の利用というものができない。現にアメリカの農村でも、生産度というものは十七、八倍よりなっていない。十七、八倍にしかならない工業というものは、一つだってありはしない、何だってありはしない。とにかく何万倍に及んでおる。ところが農業は、日本では天正から今までに二倍二分ぐらいまでにしかなっていない。農民の一人の生産量が二倍二分ぐらいまでにしかなっていないが、工業では、日本が幾ら工業がだめだといっても、製鉄業一つをとってみてもおそらく十万倍になっている。機械力の利用によっての生産度の増額ができないということが第二番である。これが農業を基本的に別に扱わなければならぬゆえん。第三番目は何かというと、どうしても計画生産ができないということ。なるほど災害補償はやって参りますけれども、計画生産というものはほとんど農業ではできない。他の産業はストライキがない限りはみな計画生産ができるが、農業にはそれができない。この三つの点が致命的な農業の欠陥であって、特に国家の政策を待たねばならぬゆえんだと思う。先ほどお話しになりましたように、第一次世界戦争後に非常な農業危機に及びましたのは、これは過剰生産のためであり、アメリカでも一九二六年、七年、八年と非常な豊作をやりましたが、一九二七年のごときは、農村相手の銀行は全部破産した。アメリカは御承知の通り、銀行の破産などはおろか、不渡り手形さえないのに、これが破産した。農業相手の銀行はほとんどみな破産してしまった。こっけいなことは大蔵省が、地方銀行がいかぬということで、アメリカの農業恐慌による破産を地方銀行だったからいけなかったという解釈、これは実に失礼だが、大蔵省の方がおいでになるかもしれないけれども、実情にうといこと千里の差で、ちっと役人も勉強してもらわなければならぬ。そこで、どうしてもこれは自由経済のままでは農業というものは置かれない。アメリカのように企業自由の法則はいかなる場合においても死守するという国柄においてさえも、農業だけは別にやらなければならぬというので、いわゆるカルタの巻き直しをしようという政策をやったのであります。ニュー・ディール政策である。そこで私どもはこの法案の提出に当って伺わなければならぬのは、農業というものは特別産業であるから、これは絶対に国の補助と価格補償とを併用するのでなければ、日本の実情においてはできないものという踏み切りをつけておられるかどうかということであるが、一々大蔵省に頼んで、わけもわからない大蔵官僚の、百姓のことなんか知りもせぬ者がホワイト・カラーでテーブルの上で査定する、こういうことが許されるならば、日本の農業というものはやっていかれない。先ほど申し上げたように、工業界における労働力の吸収度合いは、西ドイツのそれのようなふうにはいかれない実情が日本にはある。そこで泣いても苦しゅうても、しょうがないから農村に縮こまっておらなければならぬような国民経済の置かれている事情がそこにある。それらをあわせて、一体農業人口の問題、農家生産、生計の問題等を併用してお考え下さる御意思かどうか、これが一番伺いたい点で、これが今まで申し上げたことの到着点である。これがないならば、この基本法案というものはあっても何にもなりはしない、捨てた方がよろしいと思うが、こういうことを予定されているかどうか、これを伺いたい。
この発言だけを見る →それからもう一つ問題になりますことは、先ほどお触れになりました日本の農業人口の問題であります。なるほど日本では、大体十四、五億ドルの、これから狭めていけるだけの生産は農業自身で追い込まなければなりますまい。たとえば食糧と申しましても、無限大にこれが必要なものであるか。大体農業の製品というものは非常に限界がございまして、そうたくさんは要らない。アメリカのごとく、保護してみると、二年半分もできて、捨ててしまわなければならぬ、これに補償をしていかなければならぬ、こういう矛盾が出て参りますから、農業の生産補助政策というものは、おのずから国民経済において必要なる限度、すなわち現在経済において輸入されておって、しかもその措置が可能なる範囲、こういうことにとどまるものだと思う。大体農生産品というものは、原料品は格別として、そのうちの主要なるものである砂糖であるとか、その他の食糧というものは、工業が発達するから欲望もそれについて発達するものではない。これには非常に限度があります。工業製品というものは、今まで少しであったものが巨大なる需要がふえている。一体農業の生産の必要量、農産物の必要度というものは、実は非常に限界がある。従って黙っておけば工業力の生産によって、その所得を増すにつり合った所得というものが形成されないという基本問題、これが農業保護政策をしなければならぬ第一番の問題、需要度における問題。第二番は、先ほどちょっと申し上げたように、農業の生産というものは機械力の利用度が非常に少い。他の産業のようには機械力の利用というものができない。現にアメリカの農村でも、生産度というものは十七、八倍よりなっていない。十七、八倍にしかならない工業というものは、一つだってありはしない、何だってありはしない。とにかく何万倍に及んでおる。ところが農業は、日本では天正から今までに二倍二分ぐらいまでにしかなっていない。農民の一人の生産量が二倍二分ぐらいまでにしかなっていないが、工業では、日本が幾ら工業がだめだといっても、製鉄業一つをとってみてもおそらく十万倍になっている。機械力の利用によっての生産度の増額ができないということが第二番である。これが農業を基本的に別に扱わなければならぬゆえん。第三番目は何かというと、どうしても計画生産ができないということ。なるほど災害補償はやって参りますけれども、計画生産というものはほとんど農業ではできない。他の産業はストライキがない限りはみな計画生産ができるが、農業にはそれができない。この三つの点が致命的な農業の欠陥であって、特に国家の政策を待たねばならぬゆえんだと思う。先ほどお話しになりましたように、第一次世界戦争後に非常な農業危機に及びましたのは、これは過剰生産のためであり、アメリカでも一九二六年、七年、八年と非常な豊作をやりましたが、一九二七年のごときは、農村相手の銀行は全部破産した。アメリカは御承知の通り、銀行の破産などはおろか、不渡り手形さえないのに、これが破産した。農業相手の銀行はほとんどみな破産してしまった。こっけいなことは大蔵省が、地方銀行がいかぬということで、アメリカの農業恐慌による破産を地方銀行だったからいけなかったという解釈、これは実に失礼だが、大蔵省の方がおいでになるかもしれないけれども、実情にうといこと千里の差で、ちっと役人も勉強してもらわなければならぬ。そこで、どうしてもこれは自由経済のままでは農業というものは置かれない。アメリカのように企業自由の法則はいかなる場合においても死守するという国柄においてさえも、農業だけは別にやらなければならぬというので、いわゆるカルタの巻き直しをしようという政策をやったのであります。ニュー・ディール政策である。そこで私どもはこの法案の提出に当って伺わなければならぬのは、農業というものは特別産業であるから、これは絶対に国の補助と価格補償とを併用するのでなければ、日本の実情においてはできないものという踏み切りをつけておられるかどうかということであるが、一々大蔵省に頼んで、わけもわからない大蔵官僚の、百姓のことなんか知りもせぬ者がホワイト・カラーでテーブルの上で査定する、こういうことが許されるならば、日本の農業というものはやっていかれない。先ほど申し上げたように、工業界における労働力の吸収度合いは、西ドイツのそれのようなふうにはいかれない実情が日本にはある。そこで泣いても苦しゅうても、しょうがないから農村に縮こまっておらなければならぬような国民経済の置かれている事情がそこにある。それらをあわせて、一体農業人口の問題、農家生産、生計の問題等を併用してお考え下さる御意思かどうか、これが一番伺いたい点で、これが今まで申し上げたことの到着点である。これがないならば、この基本法案というものはあっても何にもなりはしない、捨てた方がよろしいと思うが、こういうことを予定されているかどうか、これを伺いたい。
三
三浦一雄#11
○三浦国務大臣 先ほど来の説明等にも不十分な点がありましたけれども、御指摘のことが基本的な目標であろうと思います。同時にまたこれらを解決するためには、従来のようなスケールの小さい国の財政投資もしくは財政の規模ではとうていやれないだろう、こういう予想を持っております。これはただ単に農林行政のワク内ではできませんから、真に日本の農業を立て直し、農山漁村を立て直すという意味をもちまして、実は規模も大きく、同時に根本的な問題としてこの問題に取っ組んでいきたい、これが今回の最大の眼目でございます。
この発言だけを見る →綱
綱島正興#12
○綱島小委員 第一条、第二条はこのくらいにしておきまして、第三条に「調査会は、委員三十人以内で組織する。」とございますが、この委員の選定でございます。大体ジャーナリストなんぞのように上っつらでものを知っておって、込み入った底光りのする調べをしていない者を、えてして政府は委員にする。これは調査会で準備をなさるそうですからよく聞いておいて下さい。農業なんというものを何も知らぬゆえに大胆な議論をする。知らぬゆえに聞く方もほんとうのように錯覚をする、こういう委員の選び方をするかどうか。委員については専門の知識を持っておる、少くとも感覚を持っている、そして百姓というものの味のわかっている、からだに百姓を身につけておるような者を委員に選ぶか。またそれは何も言えぬ、ただ降参しておじぎしているだけではだめです。議論もする、味もある、経験もある、そういう者を選ぶ意思かどうか。この三十人の選び方によっては、農業基本法というものは調査をやってもますます迷宮に入って、何の答えも得ないというものになりはしないか。一にかかって委員の選び方が問題でございます。農林省の古手官僚ならよかろうというふうに考えてはいかぬ。古手官僚もいいかげんなものだ。そこでこの委員というものを一体どういう標準で選ばれるか、これは審議室長に伺います。
この発言だけを見る →吉
吉田信邦#13
○吉田(信)政府委員 もちろん御説の通りでございます。農業について十分な感覚を持っている者でなければならないと思います。ただこの問題につきましては、大体農林省に主として御推薦いただき、あわせて他の官庁からも御推薦をいただき、そして適切な人事をいたしたいと思います。ホワイト・カラーというお話もございましたが、決して単なる浅薄な理論だけで処理するような考えは毛頭ございません。この点は農林省とも十分相談してきめたいと思います。
この発言だけを見る →綱
岡
石
石田宥全#16
○石田(宥)小委員 基本的かつ総合的な問題について綱島委員から突っ込んだ質問が行われ、また農林大臣よりこれに対してほぼ当を得た答弁が行われております。ただ私がはなはだ不満なことは、農林漁業政策としての範囲においての問題ではないということをただいま大臣が言われたわけで、その通りなんです。ところが委員会は総理府に置くが、その事務は農林省に置くように承わっておるのでありますが、同時にまたきょうの委員会でも農林大臣が出て御答弁になるが、実際は農林大臣の所管の範囲内で片づかない問題があまりにも多い。というよりは、むしろ農林省の所管の中では解決し得ざる問題を解決しなければならないという段階にあることは、今農林大臣の答弁の通りなんです。しかるに総理府からも長官も来ていない。他の大臣も出ていない。ここで議論を進めることははなはだ本意でないのです。この点については、いずれまた後に機会を得てやらなければならない問題であると私は考えるのであります。しかしながら一応もう少し各論的な問題について御質問を申し上げたいと思うのであります。政府はすでに今日まで農業なるものがいわゆる劣勢産業であって、科学技術の振興、発達とマッチしていけない、その劣弱さというものをよく認めておりますし、そしてそのことはすでにあらゆる統計の面に明らかになっておる。先年作られた長期経済計画の中にも、農林業部門の計画が入っておるわけです。そういたしますと、もはやそういう面における調査というものはほとんどもうでき上っておるのではないか、こう考える。従って今度設置されます調査会というものは、従来のような長期計画的な結論をつけることであってはならないと思うのでありまして、もっとやはり高い視野に立って、国全体の責任を明らかにするところの、いわゆる農業憲法的な結論をつけなければならない。すなわち西ドイツ農業基本法やあるいはイギリス農業法のような性格を持ったものでなければ意味がないので、政府はやはりそうした農業憲法的な性格を持つ、農業基本法的なものを結論として打ち出そうという御意思ではないかと思うのでありますが、その点を明確にしておいていただきたいと思うのであります。
この発言だけを見る →三
三浦一雄#17
○三浦国務大臣 率直に申し上げまして、それが今度のねらいどころでございまして、ただわれわれの方としましては控え目に表現しておる。それらの問題が片づかずには今後の真の農業政策は立たぬ、こう考えておるわけであります。同時に先ほど石田さんからもお触れになりました運営の問題でございますが、農林省部内で片づけ得るもの、農林省部内で作案し得るなら、これは何も内閣の審議会に持っていかずともでき得る。ただしかし一例をあげますと、水の問題にいたしましても、ひとり農林省だけでは片づきません。さらにまた雇用問題等を取り上げましても、農林省だけでかりに取りきめるといたしましても何らの権威を持たぬのでございますから、これら国民経済の面におきまして、他産業との関連、あるいは外国との貿易の関連、さらにまた深く他の政治行政の面にわたって影響を持つものは、ほんとうに高い見地から審議会等で見てもらうということにいたしたい、こう考えるわけです。同時にまた農林省が事務的な作案をするということになっておりますが、何といたしましても最大の希望を持ち、情勢を傾けてやるのは農林省でなければなりませんから、ここで非常にドラスティックな案もできませんし、あるいは他から見たならば、おそらく気違いじみた考え方を持たなければならぬかもしれない。これをだんだん突破しまして初めて政策になるのでございまして、これらはわれわれ多年農林省で予算を組み、法律を立てる場合におきましても経験しておるところでございます。でございますから、もう一ぱい農林省ではそれらのことについての立案もし、そして突破をして、最後には国民経済全体の視野から、同時にまた基本的な問題を求めて推進していきたいというのが念願でございます。
この発言だけを見る →岡
岡崎英城#18
○岡崎小委員長 御質疑中でありますが、皆様の御了解をいただきまして一時休憩し、午後二時より開会いたしたいと思います。
暫時休憩いたします。
午後一時二十一分休憩
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午後二時十七分間議
この発言だけを見る →暫時休憩いたします。
午後一時二十一分休憩
————◇—————
午後二時十七分間議
岡
石
石田宥全#20
○石田(宥)小委員 総務長官がお見えになりましたので、お尋ねいたしますが、わが国の農業が置かれておる地位と申しますか、最近の動向を見ますると、他産業と著しき懸隔をもって、平たく言えば非常に引き離されて参っております。農業生産も若干上っておりますけれども、ここ数年間の数字を見まするに、農業生産の伸びというものは、二十五年から七年を基準といたしましては、一二七・三程度にしか伸びていない。ところが物財投下量になりますると、一六六程度に上っておる。農機具のごときは四百何十%というふうに伸びておるわけでありまして、この勢いをもっていたしまするならば、日本農業の前途というものは暗たんたるものがあるということが憂えられる次第であります。しかも政府は輸入農物物等に対する規制措置を怠っておる面もあり、農業の今後の発展というものについて特別の措置をとっておらないようであります。この点については、後ほどその項目ごとに伺いたいと思うのでありますが、少くとも農業というものは他産業とマッチしていけない弱さを持っておる。科学技術の進歩発達に伴っていけない。オートメーション化し、産業合理化が他産業においてはどんどんと進んでおるにもかかわらず、農業は依然としてやはり一株々々腰を曲げて植えなければならないというよつうな立ちおくれをいたしておるのでありまして、こういうふうな産業に対する措置というものについて、今日まで全く不十分そのものである。そこで私どもは少くとも国内食糧の自給というものを目途とし、農業そのものの発展的成長と同時に、農民生活の安定向上ということを基本としたところの農林漁業政政策でなしに、国家的な見地から、日本経済全体の見地から、農業というものの格付を行わなければならないのではないか。農林漁業の問題については、農林漁業の各種の統計に基いてすでに相当程度のデータが出ておりまするし、また経済長期計画の中にも農林漁業部門の計画も挿入されておりますように、ある程度のものは出ておると考えられるのであります。従ってここに先ほど農林大臣から伺いますと、今度のこの調査会の使命というものは、従来の農林政策というようなことでなしに、それよりもっと高い見地から国民経済全体の視野から見た日本農業の格付を正当にする。いわゆる農業憲法的なものを作ることを目途としておるということが率直に述べられたのでありますが、この調査会設置法案を提案される過程において、この点についてどのような見解のもとにこの提案をなされたのであるかということを、まず承わりたいと思います。
この発言だけを見る →松
松野頼三#21
○松野政府委員 今回の調査会の基本的設置の目標は、ただいまおっしゃったごとく、今までの農業そのものにおいて解決できなかった場面が非常に農業は多い。近代的な科学工業が進歩するに従って、なおこの傾向は顕著に現われておることは、過去における経済統計が示しております。本年予算委員会に提出いたしましたいわゆる国民経済の伸びの中にも——昨年は幸い豊作でありましたから二・七という成長率を示したにかかわらず、昭和三十四年というものは二・七は期待できないというふうに、だんだん国民経済の伸びの度合いに応じて農業生産というものが、その度合いについていけないということは、必然的に農業そのもの以外に、日本経済全般の問題として、これは解決されなければならない問題が今日非常に内在しておると存じます。一番顕著なものは、日本の農業の基本的性格あるいは農家人口というもの一つを考えて参りましても、農業そのものにおいて農家人口の増大を吸収しようということは、零細化をなお零細に進めるという悪い結果は現われましても、直ちに農業だけの処理ではできない。そういうふうな大きな場面一つを考えて参りましても、これはやはり相当大きな基本的構想を立てて、輸出入の問題から、あるいは経済の中に占める農業の問題から、すべて解決しなければならないというのが今回の基本的な、総理府に設置いたします調査会法案の設置の理由であります。簡単に申しますれば、ただいまのようなものが提案の理由でございます。
この発言だけを見る →石
石田宥全#22
○石田(宥)小委員 一昨年農林省は農業白書なるものを発表いたしたのでありますが、これは日本農業の診断書ともいうべきものでありまして、私どももこの農業白書の示すところはほぼ正しいものである、正当に評価しておる、こう考えておるのでありますが、結論的には五つの問題点を指摘しておるのであります。この五つの問題点の指摘について長官はどういうふうにお考えになっておりますか。
この発言だけを見る →松
松野頼三#23
○松野政府委員 五つの問題を正確にただいま記憶しておりませんが、一番大きなのは零細化が非常に目立ってきたということと、もう一つは農家所得が非常に減ってきたということが、その五つの中で一番大きな場面を占めておるように記憶しております。零細化が非常にふえてきたことは、これは農地法とか、すべての農業法の、農業だけにおける法律の規定にも関係いたしますが、それだけでは解決いたしません。要するに農家人口というものが非常に過大にふえてきた。戦争前におきましても相当の農家人口が都市に流出しておりましたが、ある時期にはこれが逆に逆流してきた。最近また多少都市人口の方に農村から流出の傾向はありますけれども、やはり相当なものが農村に、潜在失業者という名前か、あるいは潜在不完全な農業者という名前で今日内在しておることは事実でありますので、この方向を解決することが零細化の問題の一番大きなかぎではなかろうか。五つの問題のうちで私はいわゆる農家所得の低減ということと零細化ということが、私の念頭に、それはたしか昨年の三月ごろの農業白書じゃなかったかと思いますが、そう私は記憶しております。
この発言だけを見る →石
石田宥全#24
○石田(宥)小委員 そういたしますと、日本農業の格付というものを正当にいたしますと、農林大臣の所管としての農政の範囲内においては、それに対する対案としての政策はほとんど行い得ないとわれわれは判断をいたしておるわけでありますが、今の長官の答弁によりますと、やはりそういうことが明らかにされておるわけでありますが、本調査会が設置されまして、本調査会が相当大幅に国民経済全体の上において、日本の政治全体の上において、他の各省、特に予算との関係等において、かなりの大幅な予算措置等を要求する結論が出されることになることが予想されるわけでありますが、そういう場合においては、政府の責任においてその結論を尊重してやる用意があるのかどうか。
この発言だけを見る →松
松野頼三#25
○松野政府委員 農業もいわゆる農林省所管だけの場面では、御承知のごとく相当な前進をしております。私は今日日本の農業政策というものは、後退にあらずして、毎年前進しておると信じております。信じておるにかかわらず、その方向、その結果がある程度頭打ちになった。また他の場面にこれがぶつかってきた。それを排除するために、今回視野を広めて総合的な対策を立てるべきだという基本問題に触れてきたと私は考えております。毎年おそらく石田さん御承知のごとく、どの農業生産を見ても、特に価格において一時的に下ったものもあるかもしれませんが、生産そのものの基本は、毎年財政投資もふえておりますし、予算におきましてもふえております。また生産量においても技術においても前進をしております。にもかかわらず、所得及び基本的な問題が解決されないというところに、今回基本問題調査会というものを作るべき時期がきたのではなかろうか。従って農林省そのものの働き以外に大きなものの頭打ちを解除しない限り、私は農業基本問題は解決できないという意味で、本年はちょうどその時期に到達したときと思いまして、英断をもって政府は調査会を作ることにいたしたい。調査会にはおそらく各界の人が入ってくる。各界と申しますと、輸出入の問題もございましょう。税金の問題もございましょう。あるいは農林省との河川の問題も出て参りましょう。治山治水の問題も出て参りましょう。そのほかに、やはり流通場面としての大きな交流及び商業関係にも入って参りましょう。そういうものをやはり解決しない限り、農林省所管だけでは今日の農業問題は解決できない場面がたくさん出てきたという意味で、今回作ります以上、これはわが党の生命をかけても、あるいはわが党の政治力をかけても、保守党としてはやるべき時期だ、こう考えておりますので、これは非常に大きな決心で作りました。時期はあるいは本年が最高の時期だと考えましたし、またやる以上は本年がそれを達成する最高の時期だ。これ以上財政投資及び農業投資をしても、ある程度から回りの時期が近いうちにくる。そう考えますので、このから回りをなくすために、より以上効果的に日本の農業を進めていきたいという意味で、政府は相当英断を持っております以上、私はこの答申というものは最高限に尊重するつもりでおります。
この発言だけを見る →石
石田宥全#26
○石田(宥)小委員 聞くところによりますと、三十名の調査委員でありますが、これは学識経験者ということになっておりまして、国会議員はこれに参加をさせない方針であるということを承わっておるのでありますが、午前中には綱島委員がやはりこの点を指摘をされておるのでありますが、大よそ学者とかあるいは官庁の古手であるとかいうような人たちだけの委員会になりますと、政府の諮問のままに引きずり回されて、ほんとうの使命を果し得ないうらみもあると思うのであります。この点は流布されておりますように、国会議員を入れないところの委員を委嘱する方針に間違いないのですか、どうですか。
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松野頼三#27
○松野政府委員 国会議員を入れなくて政府の御用学者ばかり入れると、政府の思う通りになり過ぎる、と同時に国会議員の方が入られますと、国会議員の方の発言がいかにも明確で、しかも指導力があり、おのずから国会議員だけがリードするのも悪例になりますので、両々相待ちました結果、いずれ農林委員会及び予算委員会等において政府としてはこの問題を議論していただく場がございますので、その素案を作る意味においては、国会議員という資格においてはこの際お入れせずに、いわゆる広い民間者の民間独自の構想をもってまず答申していただいて、その上で政府案を練って、それから国会議員の方に審議していただくという段階を経ることの方が、より以上広い視野ができはしないか、そう考えますので、あえて国会議員を締め出す意味ではございませんが、国会議員の方はおのずから国会議員として審議していただく場を設ける方が、より以上丁重であり、審議が慎重にできるのではないか。国会議員を絶対入れないのだという排除よりも、私はそういう感じでおります。ただ学識経験でございますから、あるいは非常に森林関係の権威のある方が日本じゅうにおらない、たまたま国会議員の中におられるという場合には、国会議員という資格にあらずして、そういう学識経験という意味で入っていただくかもしれません。従って国会議員というそのワクというものは、この委員会には設けませんでした。おのずから学識経験という意味で、非常に高邁な方がおられるならば、そのときには国会議員にあらずして学識経験者として入っていただくかもしれませんけれども、今回はその方がより以上いいのではなかろうかという考えで、国会議員を除外したわけでございます。
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石田宥全#28
○石田(宥)小委員 この点は意見になるわけでありますからこれ以上申し上げませんが、ややもすると従来の学識経験委員という者だけで委員会が構成されますと、政府の意のままに動くようなことになり、同時にまた促進する上においても、あまり好ましくない考え方であると思うのであります。
そこでもう一点伺いたいのでありますが、実は自民党とされましては昨年の八月以来、農業基本法調査会というものを設置されて、農業基本法というものをずばりで国会に提案しようという意図のもとに、だいぶ準備を進められたようですが、やはりいろいろな隘路等があって、与党の責任において提案するわけにいかないということで、これを調査会設置法案というところへ持っていかれたように承わっておるのでありますが、先ほど長官が述べられたように、農業問題は全く壁に当っておると言ってもいいような現状にあるのでありまして、今後二カ年もかかってその結論をつけて、それから手を下すというようなことになると、全く手おくれの感があるのであります。同時にまたいろいろな問題が起って参りましたときに、政府は農林漁業関係においては、すべてその困難な問題を目下調査会において調査審議中であるからということで、その陰に隠れていたずらにその責任を回避、遷延しようとする結果を私は憂うるのでありますが、それらの経過をここでできるならば明らかにしていただく方が、法案審議の上にいいのではないかと思いまして、この点を一つお尋ねいたします。
この発言だけを見る →そこでもう一点伺いたいのでありますが、実は自民党とされましては昨年の八月以来、農業基本法調査会というものを設置されて、農業基本法というものをずばりで国会に提案しようという意図のもとに、だいぶ準備を進められたようですが、やはりいろいろな隘路等があって、与党の責任において提案するわけにいかないということで、これを調査会設置法案というところへ持っていかれたように承わっておるのでありますが、先ほど長官が述べられたように、農業問題は全く壁に当っておると言ってもいいような現状にあるのでありまして、今後二カ年もかかってその結論をつけて、それから手を下すというようなことになると、全く手おくれの感があるのであります。同時にまたいろいろな問題が起って参りましたときに、政府は農林漁業関係においては、すべてその困難な問題を目下調査会において調査審議中であるからということで、その陰に隠れていたずらにその責任を回避、遷延しようとする結果を私は憂うるのでありますが、それらの経過をここでできるならば明らかにしていただく方が、法案審議の上にいいのではないかと思いまして、この点を一つお尋ねいたします。
松
松野頼三#29
○松野政府委員 任期は一応二年間ということにいたしましたが、二年間というのは二年目に答申をしていただきたいという意味ではございません。一年でも半年でも、より以上答申が早く出れば、私の方はその答申に従って順次行いたい。しかし農業の基本問題でありますから、あるいは農地の問題が一年で解決しても、山の問題は一年からあとにずれるかもしれない。かりに答申が出ても、その具体的なものを全部作り上げるために、やはり一年ぐらいの予備的な年限があってなお促進するという必要があるかもしれません。私の方は、二年目に答申をいただきたいという意味で二年間にしたわけにあらずして、できるだけ一年間に答申をしていただいて、あとの一年はその立法及び諸般の準備にあとからプッシュしていただきたいという意味で二年としたのであります。初めは一年でよかろうじゃないかと私も考えましたが、やはり法律の通過とかあるいはその成果まで、あとあとまでこの調査会というものがプッシュしていただくためには、相当時間がかかるということがあり得ると思いまして、一応二年という年限をつけたわけで、もちろん二年目に答申していただきたいという意味の二年ではございません。一年間に答申をしていただいて、なお具体化にあと一年を御援助願いたいという予備的なものがあと一年で、二年目という感じでこれを作ったわけではございませんので、できるならば一年間に御答申をいただきたいという気持には少しも変りがありません。その辺はどうか運用において御了解を願いたいと思います。
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