倉石忠雄の発言 (予算委員会)
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○倉石国務大臣 ILO条約の批准ということには、今お話のありました二点だけが前提条件であるというふうに御説明がございましたが、中山会長から答申案を私に手渡しますときに、第一の批准すべきものであるということは、これは原理原則を標榜いたした答申であります、こういうことであります。つまり政府も原則としてはILO条約批准についてなるべく多く批准をしたい、こういうことはひとり政府のみならず、かつて終戦後の当国会において当時の自由党と社会党とがともに一致いたしましてILO条約をできるだけ多く批准せよという決議案を上程いたしました。私はその当時の趣旨弁明をいたしたものであります。そういう建前は私どもにおいても政府においても依然として変らないのであります。従って、ILO条約八十七号についても、私どもは原則としてはなるべく多く批准をしたい、そういう批准という建前に立って、しかもこの八十七号条約は御承知のように自由にして民主的なる労使関係を作っていくのだ、こういうILOの精神に立脚いたしておるのでありますから、原則論として私どもは、この批准は、ここに答申に出たものについてはまことに妥当であると考えます。
そこで中山会長は、さらに、それをやるについては今御指摘のありましたように、公労法四条三項、地公労法五条三項は抵触していると思われるから修正すべきものである、しかしながら関係諸法規等についての必要な措置が当然考慮されることになるであろうが、ということについては、当然という文字は、批准前、批准後において当然関係諸法規の改廃が考慮されるであろうという意味のことであるから、さよう承知してもらいたい、こういうことであります。同時に、労使関係を安定して業務の正常なる運営を確保することが、ILO八十七号を尊重することになるのであるから、政府の労働政策としては、その労使関係の安定と円満なる運営を確保して、その公共性に期待しておる国民の期待にそむかないように労働政策を進めてもらいたいというのが、中山会長がこれを私に提出いたしましたときに付言いたしました言葉であります。
同時にまた、河野さんもよく御存じの通りに、この答申に盛り込まれる前にありました石井報告によりましても、この石井報告では明らかに、ILO八十七号条約を批准するとすれば、まず第一に、公労法関係等を整備しなければならない、第二には、公労法第十八条の問題及び十七条の問題等についての再検討をすること、こういうことをいっております。それからまた第四には、公労法第四条三項を削除することに伴い、要すれば公労法中のその他の規定についても新たに技術的な調整を加える必要がある。第五には、公労法第四条三項の削除に伴い、公共企業体等の業務の正常なる運営を確保するために必要な法的措置について検討すること、これも要求いたしております。同時にまた地公労法、そういうものについて検討すべし、こういうことをいっておられるのでありまして、政府といたしましては行政を担当いたしております立場から、この条約を批准し公労法を改正するというには、やはり関係諸法規の整備をいたさなければならない。これは労使、公益三者が答申をされました趣旨を尊重して、政府としてはそういう措置をなるべく早く取りつけて批准に持って参りたい、こういうふうに考えておるわけであります。