淺沼稻次郎の発言 (予算委員会)

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○淺沼委員 まだ参議院で予算が審議中でありますが、それにもかかわらず衆議院にまた補正予算が出て参ったのでありまして、これは前にも一、二回の前例があるそうでありますが、どうもあまりいい前例ではないと思うのであります。予算を出してその年度内に審議中にまたあとから補正予算を出すようなことは今後改めまして、本予算の中にすべてを入れて出すというような新しい慣例を作るようにしなければならぬと思うのであります。しかしこのことは他の同志からもそれぞれ質問があろうと思いますので、われわれといたしましてはこういう前例を作らないようにしなければならぬということを申し上げ、私はきょうは総理大臣を中心にいたしまして、日中国交回復の問題について政府の考え方を承わりたいと存じます。
 まず第一には、戦争が済んでから日本の外交方針はどういう工合に変ってきているかということをお互いに考えてみる必要があろうかと思うのであります。戦争が済んだ直後におきましては、総理は政治の分野に出ておらなかったのでありますが、しかし日本は非常な変革を遂げておると思うわけであります。どういうような変革をとげておるかといえば、戦争に対する鋭い批判が行われまして、二度と再び戦争の起らないような国家体制を作らなければならない、そういう意味合いよりいたしまして、封建的な専制的な軍事的な国家体制はこれを改めまして、民主的な文化的な平和国家体制たらしめたのであります。従ってその根幹を貫いておるものは何であるかといえば、いわば新しい憲法であろうと思うのであります。そして憲法の第九条の中には、国際紛争を解決する手段としての戦争は永久にこれを放棄する、従って陸海空軍及び一切の戦力はこれを保有しない、国の交戦権は行使しないと決定いたしまして、いわば戦争放棄の規定をしておるわけであります。従いまして、この憲法を中心として展開されまする外交でありますから、日本外交の基本は、戦後日本が変革された後におけるその精神はどこにあったかと申し上げますならば、言うまでもなく戦争には不介入、いずれの陣営にも属しない自主独立、いわば中立堅持、こういう建前が私は原則であったと思うのであります。それからその後発展はしておると思うのでありますが、この原則を総理はいかように考えておるか、一つ承わりたいと存じます。

発言情報

speech_id: 103105261X01919590327_002

発言者: 淺沼稻次郎

speaker_id: 21890

日付: 1959-03-27

院: 衆議院

会議名: 予算委員会