山田節男の発言 (逓信委員会)

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○山田節男君 この例の資料提供ですね。これについて、本案、放送法の一部改正法案の要綱がたしか村上郵政大臣以来われわれの方に来ています。おそらく、今回加えて六回か七回になります。その中で二番目だったかと記憶しておりますが、今なにを持っておりませんが、例の立ち入り調査ということが明らかにうたってあったわけです。これがだんだん変化してきて、衆議院では、業務報告を求めるのが資料提供ということになった。この一事をもちましても、これは私、鈴木君とそういう結果から同じような印象を得ているのであって、これは非常に私も不満です。なぜかと申しますと、一体、放送協会、NHKは、法律に基いての、これは一種の公共企業体です。公法人であります。当然郵政大臣の監督権がある、これは申すまでもないことであります。日本が新しい憲法のもとで法律を作る場合、これは英米法的な考えをもって——終戦後は全部英米法の精神です。そうしますと、新憲法の英米法を型どった放送法の精神から申しますと、たとえばNHKであるとか、あるいは商業放送会社も、たとえば年次報告は郵政省に提出しなければならない。これはアメリカの連邦通信法ですね、一九三四年の通信法にも、年次報告はこれをFCCにしなければならない、こういうことになっている。これはなぜするかというと、郵政大臣の権利として、当然業者に対しては、資料を求めるじゃない、報告を求めることができる。これは法に明示しなくても当然のことなんです。ですから、英米法の体系できているこの法案からいえば、立ち入り調査ということはもちろんいけない。資料提供ということにしてありますが、今申しましたように六回も七回もずっとしてきて、いよいよ残ってきたのが言葉の上では資料提供、非常にやわらかいけれども、精神からいえば、どうも、ことにこの法制の体系からいって、そういうことをしなくても、年次報告をすべし、これは義務規定にされていいわけです。その他のことはうたわなくても、資料提供なんというようなことは、当然大臣としてはできるのですから、ことに、商業放送といえども一種の公共事業ですから、当然これはできることですから、何もここでこういう誤解を受けることをしなくても、むしろ、しないほうが法体系としたら、ば新憲法の精神に合うわけです。そこに、なぜここへこういうものを入れるか、法の体系からいってもおかしなものです。ましてや、最初は立ち入り調査ということをはっきりうたってわれわれに見せておるんです。そうして化けてきてこういうふうにするから、やっぱりそれは前の精神が残っているだろうと疑われるのは、これは私はしようがないと思うんです。ですから、法の作成の技術的に見てこれは非常にまずいと思うんです。もし、やりたければ、協会はもちろんであるけれども、民間放送会社も年次報告を郵政省に提出しなければならないという、ことはやはり断然だと思うんです。そんな資料の提供権まで法律にうたう必要はないんです。そういうことがいわゆる官僚主義なんであって、そこに何も入れる必要はないんです。そこらあたりの法律の考え方が、どうもアメリカの軍政下の間に非常に自由民主的な精神であったものが、どんどんいろいろな法律が、独占禁止法もそうでしょう。どんどん昔の旧ドイツ式の日本式官僚主義になってくるというところに一つの危険を感ずるのであって、ですから、今、鈴木君の言うのは、ただ単に個々の一項目をとらえて言うという以上に、これは、われわれ立法者として、立法の立場という、ものの考え方というものが、そうじゃないんです。そこを、いわゆる事務官僚といいますか、当事者が、こういうような旧態依然とした考えで旧ドイツ法の考えでもってこういう規定を置くというところに、私は、非常に何といいますか、矛盾があると思うんですね。ですから、そういう意味におきましては、今、鈴木君の言うような理由も一部であります。もっと根本的に考えて、これは法の立案する面から考えなきゃいかぬ。だんだんこういう問題が起ってくる。だから、そこにわれわれしつこく言うことは、もっと立法者の立場から言うと、独占禁止法もしかり、その他いろいろな法律が、どんどん中央統制式になり、官僚統制式になる。これはデモクラシーの一面から言うと、一つの邪道に行っておるのじゃないかということが言えるんです。われわれ立法者としては、そこは非常に堅持しているわけですから、この点から言うと、これは無用の規定であって、もし入れるのだったら、年次業務報告をすべし、これはけっこうなんです。これは義務づけられていいです。資料提供なんということは、これはうたう必要はないです。うたうということは、何かやるんじゃないかということですね。さなきだにどうも郵政省が……。

発言情報

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発言者: 山田節男

speaker_id: 17379

日付: 1959-03-11

院: 参議院

会議名: 逓信委員会