青木正の発言 (本会議)
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○国務大臣(青木正君) 現在いわゆる右翼と称せられる者が、全国的に見て四百団体前後、その構成員が七万名ほどあると言われておるのであります。そのうちには、一人一党のようなものもありますし、また必ずしも実行運動と申しますか、暴力的な行為に出ないものもあるのでありますが、しかし、その中には、御指摘のように、ややもすれば、自分の主張を通すためには、言論でなしに実力をもって主張を通そうというような考え方に立っておる団体も少くないことは、御指摘の通りであります。警察といたしましては、そういうような団体に対しましては、常に警察本来の責務を果すために、できるだけその動き等につきまして注意をいたしまして、事前にそういうことのないように防止する万全の措置をとっているのでありますが、遺憾ながら御指摘のように、昨年におきまして七十数件というような、いわゆる右翼による事犯があったことは、私どもは遺憾に存ずる次第でございます。また、こういうあり方に対しましては、警察として、当然事前に防止することにつきましても万全を尽すべきであり、いわんやそれが一たん現実の問題として、そういう事犯が起きた場合には、法に照らしまして断固たる措置をとらなければならぬことは言うまでもないことと存ずるのであります。
で、三月二十四日の新橋ステージにおける社会党の演説会に対する妨害行為、このことにつきましては、警察側といたしましても、そういうような動きがあるということが事前に察知されましたので、当日三百二十数名の警察官を現場に派遣いたしておりまして、そうして事前に警告し、またこの一部の人たちが蠢動したことに対しまして、警察としてできるだけこれが排除をし、会場の静穏を保つように努力したのでありますが、お話のように、一部の者がステージの後方の広告塔に登り、発煙筒を投下し、あるいはまた社会党の党旗を下げるとか、あるいは淺沼書記長に対して何か紙を投げつけるというような事犯がありまして、警察としては、その事犯に対しまして遅滞なく措置をいたしたのでありますが、十三名を逮捕、検挙して、三名を送検いたしたのであります。その十三名を逮捕して、それを直ちに釈放したということにつきましてのお話でございますが、警察といたしましては、そのうちの事犯のある者は、いわゆる軽犯罪法違反の者もあり、また、そうでなしに建造物侵入等の事犯等もありまして、それぞれの事犯に応じまして、警察として当然やるべき措置をやったのであります。しかして、それ以外の、先ほどお話になりました千葉県における我孫子所在の千葉食品のストライキに関連する問題、あるいは文化コンロの不法監禁の事態等につきまして、当時いろいろ問題もありまして、警察側といたしましても調査もいたし、捜査もいたしたのであります。しかしまだ捜査の残っておる点もありますので、現在引き続き調査をいたしておるのであります。
なお、根本的の問題として、右翼に対する根本対策いかんというようなことでありますが、これはお話のように、現在の日本、言うまでもなく、そのあり方が、かつての戦前のような日本であってはならぬことは言うまでもないのであります。私ども日本国民があれだけ大きな犠牲を払ってかちとった民主政治、これを守るために、私どもはあくまでも戦っていかなければならぬ。そのためには、右翼であろうが左翼であろうが、これはいやしくも法を無視して、そうして暴力によってみずからの主張を通すという考え方に対しましては、これはもう言うまでもなく、警察といわず、あらゆる方面で、これを排除していかなければならぬわけであります。特に警察といたしましては、戦前の警察と違いまして、あくまでも国民に対する奉仕者としての立場、そうして民主警察を守っていかなければなりませんので、日本の新しい時代に対応する警察のあり方として、日本の新しい時代を作るための民主政治、その民主政治を擁護するために、私ども警察としては当然最善を尽してやっていかなければならぬ、かように考えておるわけであります。(拍手)
〔国務大臣愛知揆一君登壇、拍手〕