湯山勇の発言 (本会議)
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○湯山勇君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案されました四国地方総合開発促進に関する決議案に賛成をするものでございます。
わが国において後進性を指摘されておりました地方は、北海道、東北、九州、四国の各地方でございますが、すでに前三者につきましては開発促進のための立法がなされ、あるいはすでに開発が進められておるのでございます。にもかかわらず、ひとり四国地方は今日なお取り残されているのでございまして、四面海によって隔絶されている本地方は、本土との交通が著しい悪条件にあるため、全般的に産業経済が立ちおくれ、最近の日本経済の進展に即応し得ず、他地域との差はますます大きくなってきている、そういう傾向にあるわけでございます。すなわち、四国地方の人口は、全国の約四・八%、五%に近い人口を持っているのでございますけれども、工業生産はわずかに二・九%、さらに、第二次産業は、全国平均二三・八%に比して、わずかに一七・四%にすぎないのでございます。こういう状態にあるために、労働力の吸収もきわめて悪く、最重要産業である農業におきましても、農業経営は次第に細分化され、零細化されつつある実情でございます。こういう状態でございますから、住民の所得も、以上のような要因から次第に低くなって参りまして、約五%の人口を持っておりながら、銀行預金はわずかに二・三%、あるいは国税の収納金はさらに少くて一・四%にすぎないのであります。従って、みずからの投資力もきわめて低く、さらに、地方財政の財源も枯渇し、民生はきわめて不安定な状態に置かれております。加うるに、本地方は、先ほど御指摘のありました通り、台風の常襲地帯に当っておりまして、連年災害の累積は地方財政を圧迫して、総合開発の自主的な推進をなし得ない状態に置いているのでございます。
以上のような現実に立って、この四国地方を開発していくためには、まず第一に、経済発展の基礎要件となる交通網の整備、港湾設備の拡充、こういった産業誘発条件の整備を必要とするのでございます。現在、四国の対本土輸送は、その大半が機帆船によってなされておりますが、これを近代的な交通機関によって日本経済の幹線に密着せしめねばならないのでございます。また、地区内四県にわたる鉄道、道路等の交通網をさらに整備し、港湾施設の増強と相待って、臨海工業地帯を主軸とする近代産業発展の基礎たらしめる必要を痛感するものであります。
第二には、未開発資源の開発であります。本地方は、水の資源がきわめて豊富でございまして、四十一万八千キロワットの既開発電源のほかに、未開発包蔵電源は約百十八万六千キロワットございます。つまり、開発されているのはわずかに四分の一程度にすぎないのでございます。さらにまた、工業用水についても、大口需要を十分受け入れるだけの能力を持っているのでございます。これらのことは、単に四国地方のみならず、わが国経済全般の観点からも重視しなければならない点があると思うのであります。さらに、林産資源も豊富でありまして、未開発山林は六十万八千ヘクタール、木材資源は推定四千八百六十万立方メートルに達して、すみやかなその開発利用を待っているような状態でございます。農業資源の利用にいたしましても、西南暖地の特性を生かしつつ、豊富な水資源を利用し、土地改良、干拓、開墾の促進、さらに、これに伴って酪農、果樹、蔬菜、園芸等の振興により、本地方農業の一大躍進が期待されるのであります。さらに、四国は太平洋及び瀬戸内海に囲まれております。これらの水産業の振興もきわめて重要な問題であると言わなければなりません。
以上のような資源の開発と並行して、どうしてもやらなければならないことは、本地方が台風常襲地帯であるという特性にかんがみての台風に対する対策でございます。河川の改修、治山治水、砂防、地すべり対策あるいは地盤沈下、海岸の浸蝕等の海岸の保全、老朽ため池の改修、急傾斜地帯産業対策、これら万全をはからなければ、総合開発の達成は期しがたいのであります。これらの諸条件は、自然的な立地条件の相似している和歌山県についても同じように言い得るのでございます。よってこの際、政府は、ただいまの決議案が可決されることを契機として、四国四県の県民並びに和歌山県民の多年にわたる願望にこたえ、本地域の総合開発と防災対策の強力なる推進をはかり、法制上、予算上、必要の措置をすみやかに講ぜられんことを、ここに強く要望し、本決議案に賛意を表する次第であります。(拍手)