岸信介の発言 (予算委員会)

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○国務大臣(岸信介君) 核兵器の種類もいろいろあることは御承知の通りであります。そのうちの原水爆のごときものが日本の憲法の自衛という意味から申しまして、そういうものを持ち込んだり、あるいはそれで装備するということは、これは憲法の規定に私は抵触するものだと思います。しかし、核兵器の種類によりまして、また今後の発達いかんによりまして、すべて核兵器が、いわゆる核兵器と名がつけばことごとく憲法の規定はこれを禁じているのだと憲法の解釈をすることは、私は憲法の解釈としては適当でないということを従来も考えておりますし、そういう意味で法律論としてはお答えをいたしておるのであります。ただ、政策の問題として考えますというと、日本はすでに国会の意思にも出ておりますように、この核爆発の禁止に、実験禁止についての強い意思が述べられており、またわれわれの念願として、核兵器というものを一切製造、使用することを世界からなくしよう、こういう努力をいたしてきております。そうして原子力はもっぱら平和利用にのみ用いらるべきものであるという信念のもとに、あらゆる努力をいたしております。こういう観点から見まして、私は政策として日本の自衛隊を核武装することは適当でないというのが根本的の考えでございます。しからば、それによって日本の安全が非常におびやかされ、日本自体の安全というものがそれでは保てないのではないかという御議論が一部にあるようでありますが、私は現実にはそう考えておりません。日本を取り巻くところの諸種の状況、また、米ソの対立の現状から見まして、いろいろの戦略的な関係等を考えまして、今日の状況のもとにおいて、核兵器をもって日本を装備しないことの方が、日本の安全のためにはいいという考えに立っておるわけであります。こういう意味において、私は従来とも核武装をしないし、また核武装の持ち込みは認めない。そうして現実に日本は核武装されてもおりませんし、いろいろなことが言われておりますけれども、米軍も日本において核武装しておるという事実はございません。
   〔矢嶋三義君「委員長、マイク、マイク、マイクの故障」と述ぶ〕

発言情報

speech_id: 103115261X00619590306_016

発言者: 岸信介

speaker_id: 6788

日付: 1959-03-06

院: 参議院

会議名: 予算委員会