予算委員会

1959-03-06 参議院 全221発言

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会議録情報#0
昭和三十四年三月六日(金曜日)
   午前十一時二十五分開会
  —————————————
  委員の異動
本日委員前田佳都男君、泉山三六君及
び千田正君辞任につき、その補欠とし
て剱木亨弘君、後藤義隆君及び長谷部
ひろ君を議長において指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     木暮武太夫君
   理事
           小柳 牧衞君
           近藤 鶴代君
           塩見 俊二君
           西田 信一君
           堀木 鎌三君
           片岡 文重君
           鈴木  強君
           矢嶋 三義君
           森口八三一君
   委員
           石坂 豊一君
           植竹 春彦君
           大沢 雄一君
           小幡 治和君
           古池 信三君
           紅露 みつ君
           小山邦太郎君
           下條 康麿君
           杉原 荒太君
           館  哲二君
           鶴見 祐輔君
           苫米地英俊君
           横山 フク君
           荒木正三郎君
           北村  暢君
           栗山 良夫君
           坂本  昭君
           高田なほ子君
           戸叶  武君
           中村 正雄君
           羽生 三七君
           平林  剛君
           松浦 清一君
           松永 忠二君
           田村 文吉君
           中山 福藏君
           長谷部ひろ君
           八木 幸吉君
  国務大臣
   内閣総理大臣  岸  信介君
   法 務 大 臣 愛知 揆一君
   外 務 大 臣 藤山愛一郎君
   大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
   文 部 大 臣 橋本 龍伍君
   厚 生 大 臣 坂田 道太君
   農 林 大 臣 三浦 一雄君
   通商産業大臣  高碕達之助君
   運 輸 大 臣 永野  護君
   郵 政 大 臣 寺尾  豊君
   労 働 大 臣 倉石 忠雄君
   建 設 大 臣 遠藤 三郎君
   国 務 大 臣 青木  正君
   国 務 大 臣 伊能繁次郎君
   国 務 大 臣 世耕 弘一君
  国 務 大 臣 山口喜久一郎君
  政府委員
   内閣官房長官  赤城 宗徳君
   内閣官房副長官 松本 俊一君
   内閣官房副長官 鈴木 俊一君
   法制局長官   林  修三君
   防衛庁長官官房
   長       門叶 宗雄君
   防衛庁防衛局長 加藤 陽三君
   経済企画庁長官
   官房長     宮川新一郎君
   経済企画庁調整
   局長      大堀  弘君
   経済企画庁総合
   計画局長    大來佐武郎君
   経済企画庁総合
   開発局長    淺村  廉君
   科学技術庁長官
   官房長     原田  久君
   科学技術庁原子
   力局長     佐々木義武君
   公安調査庁次長 關   之君
   外務省アジア局
   長       板垣  修君
   外務省条約局長 高橋 通敏君
   大蔵省主計局長 石原 周夫君
   大蔵省主税局長 原  純夫君
   大蔵省理財局長 正示啓次郎君
   大蔵省銀行局長 石田  正君
   大蔵省為替局長 酒井 俊彦君
   通商産業省公益
   事業局長    小室 恒夫君
   運輸大臣官房長 細田 吉藏君
   運輸省港湾局長 中道 峰夫君
   運輸省鉄道監督
   局長      山内 公猷君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       正木 千冬君
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  本日の会議に付した案件
○昭和三十四年度一般会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十四年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十四年度政府関係機関予算
 (内閣提出、衆議院送付)
○昭和三十三年度一般会計予算補正
 (第2号)(内閣提出、衆議院送
 付)
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木暮武太夫#1
○委員長(木暮武太夫君) ただいまから委員会を開会いたします。
 まず、委員の変更について報告をいたします。三月六日千田正君が辞任し、その補欠として長谷部ひろ君が選任せられました。
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木暮武太夫#2
○委員長(木暮武太夫君) 次に、去る二月二十五日の委員会におきまして委員長及び理事に御一任をいただきました公述人の選定等につきまして、昨日の委員長及び理事打合会で協議をいたしました結果、お手元に配付いたしました刷りものの通りに決定いたしましたので、御報告をいたします。
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木暮武太夫#3
○委員長(木暮武太夫君) 昭和三十四年度一般会計予算同じく特別会計予算及び政府関係機関予算並びに昭和三十三年度一般会計予算補正第二号を一括して議題といたします。
 前回に引き続いて、総括質疑を行います。中山福藏君。
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中山福藏#4
○中山福藏君 まず第一に、私が総理及び外務大臣に対しましてお尋ねいたしたい事柄は、一九五一年の九月の八日にサンフランシスコ条約が締結されまして、その際にダレス国務長官が潜在主権という言葉を使っている。ことに、その条約の第三条には、日本に対して、司法、行政、立法の施政権というものを一応アメリカが預かるということになっておるわけでございます。ところが、この潜在主権というものの理念が、あるいは期待権の範囲に入る、外だけ形を整えておって、中身はからっぽであるというふうな、雑多な風説が流れておるわけであります。そこで、安保条約の改定、行政協定の改正ということになりますれば、一まず、何をおいても、この基礎観念の確立ということが非常に大事だと私は思うのです。それで、潜在主権というものが、結局自衛隊法の第七十六条の「国」というこの考え方のうちに入るかどうか。潜在主権というものは、いわゆるその概念から見ますというと、司法、行政、立法のまあ権利がないわけだと、こうなっておりますが、領土に対する支配の権能というものは、領有、利用、処分、こうなっておる。一方においては、人に対する権能というものは、司法、行政、立法と、この六つの要素を備えておらなければ、これは完全に領土としての取り扱いができないわけです。そこで、司法、行政、立法のいわゆる権利はないが、領有、利用、処分ということは残されておるのじゃないかという気がいたすのです。そういう点について、自衛隊法の第七十六条及び第八十八条の条文のうちに使ってありまする「国」として、沖縄、あるいは小笠原というところを取り扱っていいかどうか。この点について総理並びに外務大臣のお考えを一応承わって、それから私のお尋ねする本問題に進みたいと、こう考えておるわけでございます。
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岸信介#5
○国務大臣(岸信介君) 潜在主権という観念はいろいろの点において明確でない点があることはもちろんであります。領土、完全の領土というものが、その領土において完全に施政権を持つところであることは、言うを待たないのでありますが、しかし、いろいろな法律や、いろいろな言葉として領土というようなことも広義、広い意味に使われたり、あるいは狭い意味に使われたり、すなわち今御指摘になりました最後の処分権というようなものについては、潜在主権を有するところにおいて、日本の意思を無視して一方的にアメリカが行い得ないということは、これは問題なかろうと思います。また奄美大島をアメリカと日本との関係におきまして、日本に返して、サンフランシスコ条約に調印しておる国において少しも異議がなかったことを考えてみましても、施政権を日本にある状態のもとに返すということは、やはり当然行われるものだと私どもは考えております。こういうような意味におきまして、沖縄における潜在主権というものを見てみますと、かりに沖縄に対して不当なる侵略があったという場合においては、やはり日本に対する侵略として私は考うべきものである、こう思っておるし、ただこの場合において、自衛隊がすぐ出動し、実力をもって排除することができるかどうかという問題に関しましては、一切の施政権をアメリカが持っております関係上、アメリカの意思いかんにかかわらず、日本が出て行ってこれを排除するということは、これはできない問題であろう、こういうように考えております。
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中山福藏#6
○中山福藏君 外務大臣、何かお答えありますか。
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藤山愛一郎#7
○国務大臣(藤山愛一郎君) 特に総理に補足することもございません。法律上の解釈につきましては、条約局長から御説明申し上げます。
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高橋通敏#8
○政府委員(高橋通敏君) ちょっと補足させていただきます。平和条約第三条の「行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする。」という規定がございます。ほかの規定に比較いたしますと、たとえば台湾、千島というものにつきましては、すべての権利、権原及び請求権を放棄するということがございます。従いまして、これに対比いたしまして、われわれとしましては、この主権と申しますか、潜在主権、具体的に申しますというと領土の処分権と申しますか、それは留保されておる、こういうふうに考えております。
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中山福藏#9
○中山福藏君 自衛隊法の第七十六条及び第八十八条には、ただ「国」という言葉が使ってある。その日本という国が侵害された場合においては、武力を行使することを得と第八十八条に規定してありまして、第七十六条に基いて首相の出動命令があった場合にはという条件つきですね。ところが施政権がなくとも、なくともですね、その「国」という観念のうちに入りますというと、安保条約の有無にかかわらずこれが適用するということに、これは法律上の解釈はなってこなくちやならない。ところが、施政権がなくとも、土地と人間というものは日本のものなんです、これは。そうすると、この「国」という解釈を突き詰めますると、安保条約がなくとも、結局侵犯が行われた場合においては、当然出動命令というものが発せられなければならぬと、こうなるのですが、その点についてはどういうふうにお考えになっているのでしょうか。
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林修三#10
○政府委員(林修三君) 先ほどから総理並びに外務大臣からお答えがありました通りに、観念的に言えば、領土主権は日本におるわけであります。観念的に言えば自衛権もあると言うべきだと思います。しかし、御承知のように平和条約の第三条がございまして、一切の立法、司法、行政上の施政権は、今アメリカが持っておるわけであります。現実の問題といたしましては、自衛隊法に基いて、その条約上の問題がございますから、直ちに日本側といたしまして、アメリカの意向に反して、あるいは無視して、これに対して自衛隊の出動を命ずるということはできないと思います。
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中山福藏#11
○中山福藏君 ただいまの法制局長官のお答えでは、これは不十分だと私は思っている。もう少し筋を立てた法律論を一つしていただかなければ、私どもは納得できないと考えておりますが、時間の関係上一応御考慮をわずらわしまして次の問題に移りたいと思います。
 ただいま日本と台湾政府とは、いわゆる条約が結ばれておりまして、日本は国際連合の自由諸国群とともに、台湾政府というものを中国における唯一の主権者として認めております。そこで一つお尋ねしたいのは、中国のいずれの土地に起った問題でも、その問題が日本に被害を及ぼしたときには、損害賠償の問題が起ってくるわけであります。そうすると、いわゆる大陸で行われました日本に対する被害、問題を提訴する場合においては、相手国として台湾政府というのがその目標にならなければならぬのですね、法律上から言うと。そうすると、被害を及ぼしたものが、中共のいわゆる事実上の支配権が入っているところであって、責任を持つというのは結局台湾政府である、こういうことになるわけです。これが交戦団体として承認されている場合においては、権利義務の主体というものは中共になるわけですね。ところが、日本は交戦団体としてもこれを承認していないわけです。台湾政府またしかりであります。ところが、現在のままでは被害の対象になりまするところの損害賠償の目標としてねらいをつけられるものは、台湾政府であるということになりますが、そうすると事実上不可能です。これはすべての訴訟行為というものがなってくるわけなんです。そういう点についての便法を何かお考えになっておりますかどうですか。一つこの際お伺いしておきたいと思います。
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藤山愛一郎#12
○国務大臣(藤山愛一郎君) 何か抽出された法律議論から言えば、お話しのようなことがあるかと思いますけれども、事実上今台湾が中国に対して支配権を持っておりませんような現状でありますので、そういうことは考えられないと思います。
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中山福藏#13
○中山福藏君 これは事実上と法律上の問題でありますれば、もう議会で法律を作る必要はなくなるわけですね。事実はごうだから、法律を作っても何にもならぬということになりますれば、これは議会や何かで立法措置を講ずる必要はない、こういう結論になるわけでございますけれども、これは意見の相違でもございましょうから、しいて私は申し上げませんが、しかし外務省としては、一応こういうことは御考慮になっておく必要がある。今日対外的にすべての国家の交流をやります場合には、法律以外に国際法というものに準拠しなければ、すべての行動はできないはずなんです。それを事実上こうだからということで十把一からげに片づけられては、これはとても承服ができないということになりまするので、外務省としても十分一つこういう点は御研究になっておく必要があるのじゃないか、かように考えます。
 それからもう一つお尋ねしておきたいのは、御承知のようにアメリカは豪州、ニュージランドとともに防衛同盟というものを、防衛条約というものを結んでおりますし、韓国に対してまた同様であります。台湾政府に対しても同様であるし、フィリピンに対しても同様の立場をとっているわけであります。そこで、これらの中共あるいはソ連に対する防衛基地として今沖縄が使用されているのでありますが、冒頭に私がお尋ねしたいわゆる日本の領土であるということに沖縄がなりますれば、この領土を侵犯されたときには、好むと好まざるにかかわらず、ここが戦場の基地となってICBMというようなものが飛び出すというようなことになりますというと、日本というものも、おのずからそこに巻き込まれていかなければならぬのじゃないかと、こういう考えが起ってくるのでありますが、そういう憂いは持っておられませんでしょうか、政府の方はどうでしょうか。
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藤山愛一郎#14
○国務大臣(藤山愛一郎君) この安保条約を作ります上におきまして、われわれとしては、むろんいたずらに紛争に巻き込まれるというような状況に陥らないために、日本以外の国に対しましては、協議事項をもって参りたい、こう思っております。現に沖縄につきましては、アメリカが立法、司法、行政の主導権を持っておりまして、日本は潜在主権を持っておるだけであります。従いまして、そういう点につきましては、われわれとしていたずらに巻き込まれるということはないと考えております。
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中山福藏#15
○中山福藏君 この次のお尋ねする御答弁は首相に一つお願いしたいと思います。先般衆議院における黒田寿男君の問いに対しまして首相のお答えは、いわゆる核兵器問題の事柄なんですが、核兵器というものを日本に持ち込むということは、法律上禁じていない、憲法もまたこれを禁じていないが、しかしこれを持ち込むということは、政策上の観点から自分は持ち込まないのだということをお答えになっておるのであります。そこで、私は核兵器を持ち込む、持ち込まぬということに対して、個人としての考えは、食われようとする場合においては、いかなる武器もこれを所有して、いわゆる侵略者をやっつけなければならぬというふだんから個人としては考えを持っております。そこで、そういう核兵器は持ち込まないのだということを今御言明になるということは、国防の観点から、侵略者に対するところの日本人総体を守る意味におきましていかがなものであろうかと考えておりますが、これは一昨年の九月でありましたか、ダレスが日本にも核兵器を持ち込むのだということを演説をしているようです。それから昭和三十三年の一月の二十日の米国の歳出予算委員会における国防長官の説明を読んでみますと、こういうことを書いておるのです。沖縄以外に核兵器を持ち込むということを言明しておるわけです。そこが日本であるということはさしておりませんが、しかもINS通信社の報告によりますと、その持ち込む場所は日本であるということを言っておるわけです。そこで、いかがでございましょうか。首相はあくまでもこの核兵器は持ち込まない、どんな日本が被害を受けても持ち込まないというお考えでいらっしゃるのでしょうか。どうでしょうか、その点は。
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岸信介#16
○国務大臣(岸信介君) 核兵器の種類もいろいろあることは御承知の通りであります。そのうちの原水爆のごときものが日本の憲法の自衛という意味から申しまして、そういうものを持ち込んだり、あるいはそれで装備するということは、これは憲法の規定に私は抵触するものだと思います。しかし、核兵器の種類によりまして、また今後の発達いかんによりまして、すべて核兵器が、いわゆる核兵器と名がつけばことごとく憲法の規定はこれを禁じているのだと憲法の解釈をすることは、私は憲法の解釈としては適当でないということを従来も考えておりますし、そういう意味で法律論としてはお答えをいたしておるのであります。ただ、政策の問題として考えますというと、日本はすでに国会の意思にも出ておりますように、この核爆発の禁止に、実験禁止についての強い意思が述べられており、またわれわれの念願として、核兵器というものを一切製造、使用することを世界からなくしよう、こういう努力をいたしてきております。そうして原子力はもっぱら平和利用にのみ用いらるべきものであるという信念のもとに、あらゆる努力をいたしております。こういう観点から見まして、私は政策として日本の自衛隊を核武装することは適当でないというのが根本的の考えでございます。しからば、それによって日本の安全が非常におびやかされ、日本自体の安全というものがそれでは保てないのではないかという御議論が一部にあるようでありますが、私は現実にはそう考えておりません。日本を取り巻くところの諸種の状況、また、米ソの対立の現状から見まして、いろいろの戦略的な関係等を考えまして、今日の状況のもとにおいて、核兵器をもって日本を装備しないことの方が、日本の安全のためにはいいという考えに立っておるわけであります。こういう意味において、私は従来とも核武装をしないし、また核武装の持ち込みは認めない。そうして現実に日本は核武装されてもおりませんし、いろいろなことが言われておりますけれども、米軍も日本において核武装しておるという事実はございません。
   〔矢嶋三義君「委員長、マイク、マイク、マイクの故障」と述ぶ〕
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木暮武太夫#17
○委員長(木暮武太夫君) 何ですか。
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矢嶋三義#18
○矢嶋三義君 マイクの故障ですよ。総理の答弁が聞えないですよ。
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木暮武太夫#19
○委員長(木暮武太夫君) 今やっております。
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中山福藏#20
○中山福藏君 その次に、これは総理大臣からでもけっこうですが、外務大臣からでもけっこうであります。お答えを願いたい。サンフランシスコ条約の第二条の(e)項でありますが、これはかねがね私がこの予算委員会で問題にいたしております南極に関する問題でありますが、その条項を読んでみますというと、日本人のいかなる活動によるにかかわらず、その他いかなる理由によるにかかわらず、南極のすべての地点に対してあらゆる権利、権原、利益というものを全般的に放棄するということが書かれてあるのです。これはこの南極大陸というものはいろいろ考えてみますというと、今から四十一年後の西暦二〇〇〇年には世界の人口は七十億になると言われておるので、この南極が将来は原子力平和利用によって世界の工業地帯に化するだろうと私は考えておる。そこで、この問題を私はお尋ねするのですが、これは法律家としての私の考えでは、戦勝国の気まま勝手な権利の乱用だと私は認めるのです、こういう規定は。でありますから、いわゆる国際司法裁判所の第三十八条の第二項の規定によって、法の一般原則あるいは衡平あるいは善、こういうことによって判決を一つもらわなくちゃならぬ。国際司法裁判所にこの問題を提訴して、このサンフランシスコ条約の一部無効の宣言を求めるということは、これは私は当然の事柄でなくちゃならぬと考えておるのです、日本としては。そういう心がまえでもって国際司法裁判所に提訴をなさる気持はないかどうか。これは非常な大問題だと私は考えておりますから、特に念を押してお尋ねをしておきたいと思います。
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藤山愛一郎#21
○国務大臣(藤山愛一郎君) サンフランシスコ条約におきまして、南極洋を日本が権利を放棄しておることはお説の通りでございます。南極は大陸であって相当資源もあるようでありまして、各国が注目いたしておりますが、現在南極を人類の共有のために考えようということで、国際管理の問題がすでに出ております。日本もその国際管理に賛成をいたしまして、アメリカ、ソ連その他各国とともに現在ワシントンにおきまして十二カ国が寄って国際管理の協議をいたしております。私どもはそうした南極が平和のために国際管理によって開発され、人類のために使用されることが一番適当だと考えておりますので、国際司法裁判所にサンフランシスコ条約のこの条項の廃棄を提訴する考えはございません。
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中山福藏#22
○中山福藏君 インドのパール判事という人が、憎悪というものが姿を消した場合においては、戦勝国と戦敗国の地位が転倒するであろう、ということを判決の結論に打ち出しております。私もそういう時期の来ることを望んでおります。しこうして正義というものは、一時は多数の力によって圧迫されておっても、決してこれは逼塞するものではないと私は考えておるのです。日本敗れたりといえども、正義のために私は権利の乱用をはねのけて、そうして国家の将来、あるいは日本人が負けても、決してその正義の前に屈するものでないという意気を、私どもは四十八カ国の戦勝国に対して示すということが、外務大臣としては私は当然の決意でなくちゃならぬと考えておるわけでございますから、外務大臣は一ついろいろお考えもあるでしょうけれども、ただそういう問題を提訴する気持はないだけでは、この問題は私は済まされぬと思うのです。そこで、連合国の国際司法裁判所の判事であったパール氏も、外国人でありながらそういうまことに名文句を使っておるのです。それで私どもは日本人として卑屈な態度でなく、まさに法律上の権利の乱用であれば、これを排除するに断固たるところの私どもは覚悟を持って当るということが、日本を尊敬せしむるゆえんではないかと実は考えておるのです。いかがでございましょう。これはもう絶対に出さないお考えでございますか。もし何でしたら、もう少し堂々たる態度を示していただきたいと思うのですがね。
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藤山愛一郎#23
○国務大臣(藤山愛一郎君) お説のように、日本が堂々たる態度をできるだけとって参りますことは、外交の基本的な方針であることは申すまでもないことであります。われわれもあらゆる機会にそういうことを考えて参りたい、またそうして参りたいと、こう考えております。ただ二の問題は放棄しておりますし、現にすでに南極の国際的な管理というものをしようじゃないかというので、国際連合におきましても多くの国がこれに賛成し、現在若干の異論を持っております国が一、二あるだけでありまして、世界の各国がみなそういう考え方になっております。従って白瀬中尉の南極に歩をとめられたということの事実は、サンフランシスコ条約で南極を日本が放棄したという事実と合せて考えますれば、国際管理に持って参りましても、やはり日本がそうした歴史的事実を持っておるという誇りと、それからそれによる過去の功績というものは、やはり国際管理の上にも認められることになろうかと思うのであります。われわれとしては、その方が適当な方法手段であろうかとこう考えております。
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中山福藏#24
○中山福藏君 それでは次の問題をお尋ねしたいのです。首相は東南アジアをこの前歴遊されたのでありますが、これは日本の戦火をこうむった国々であります。マラヤでもインドネシアでもビルマでもそうでありますが、従って外交上向うの善意な態度を日本に示してもらうことができないということは、これはやむを得ないのです。そこで、私がこの際お尋ねしたいのは、今世界の夜明けを迎えておるといわれておりますところのアフリカですね、このアフリカに対して、三年間くらいの期限を切った医療親善使節、お医者さんを派遣するということ、この使節を派遣していわゆるアフリカ土民の人々の救済に当らせるということは、日本との外交の将来というものを明るくするのじゃないかということを私は考えております。それでことに、ガーナという国はエンクルマ大統領がおりますが、これは野口英世博士が骨を埋めたところです。現在は銅像も立っておるそうでありますが、一昨年私はへーグで向うの大蔵大臣に会ってきたのですが、この国に医療親善使節をアフリカ各地に三年間くらいの期限を切って派遣すると同時に、ガーナというようなところには、合弁の医科大学を建てるということが非常に時宜に適したものと私は見ておるのです。なぜ私がそういうことを申し上げるかというと、一昨年エジプトに参りましたときに、アフリカ全体のこの医療はどうなっているかということを尋ねてみますというとですね、このアフリカ全土に対しては、英、仏の医薬品というものが全部販売されている、こう言うんです。なぜ日本の医薬品が入らないかということを聞きまするというと、アフリカの有名な医者というものは、ことごとく英、仏の学問を身につけて帰ったものだ、だから英、仏の教育を受けた医者がアフリカに帰って療治に当るという場合に、その使用する薬は、これは英、仏のものである、こう言うんです。だから現在、日本では今ダンピングが医薬品について行われておりますがですね。これはもったいない話いなんです。この医薬品というものを一つ大いに製造して、東南アジアのみならず、アフリカ全体に売り出すということは、その事前工作として医学校を建てるということ、いわゆるその学校によってりっぱなアフリカ向きの医者を育てるということが最も必要なことだと私は見ておるんです。だからとりあえず医療使節団というものを三年間くらい一つ期限を切って派遣すると同時に、一方においては将来の医薬品の販売路の拡張措置の確立ということからしまして、合弁の医科大学なんかを建ててみられるという御意図はないかどうか。ガーナには近く大使館が設置されるということを承わっているのでありますが、その大使館もけっこうでございましょう。しかしながら、アフリカ全体に対する政府の基本政策というものがなくちゃならぬと私は考えている。その第一歩としてこういう事柄をおやりになってはどうか、こういうことについてのお考えを承わっておきたい。
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藤山愛一郎#25
○国務大臣(藤山愛一郎君) 東南アジアもしくはアフリカ等に対しまして医療関係の使節を出す、あるいは医者の交流をやる、また医学生を受け入れて教育する、そういうような面を取り入れて参りますことは、私も非常に東南アジアの親善あるいは中近東、アフリカとの親善という意味においてけっこうなことだと思っております。また、厚生大臣もそういう面について特に熱心に考えられておられるようでありますから、こういう面を外交の面に取り入れますことはけっこうだと思います。ただ、ただいまお話しのありましたガーナーにおきまして日・ガーナ合弁の医科大学を作るというお話しでありますが、実は、私は一昨昨年秋ガーナに参りまして、あすこでりっぱな医科大学の校庭に野口英世博士の記念碑がございますのを見て参りました。私は医者にしろうとでありますが、相当設備はいいように思います。内容はどうですか、私の判断じゃわかりません。野口英世博士を大へんに、私参りましたときも、各方面の人が思っておられました。ことに医科大学の校庭に参りましたときは、みな私が野口さんの碑をたずねてきたということで喜んで案内してくれたこともあります。そういう関係もありますので、御意見を承わっておきまして、日・ガーナ合弁の医科大学ということについては、将来研究いたしたいと思います。
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中山福藏#26
○中山福藏君 大体この東南アジアにおいても、通商航海条約によって日本の医者の開業というものは禁じられている。ところがですね、たまたま今度ガーナのように、野口英世の遺徳を慕う国においては、これは特別な外交措置を講ずれば、そういう措置は当然成り立つんじゃないかという私は気持を持っているんです。それで他の場所とこのガーナというようなところを一つ区別していただいて大いに日本の医術というものを海外に宣伝する、あるいは施療を施すということが、国際親善の上に非常に効果があるのじゃないということを考えますがゆえに、外務大臣にお尋ねした次第でございますが、その次に、なお、これは外務大臣に対してお尋ねしておくんです。それで、ただいまユネスコの本部がパリーにありまして、文化、教育、科学というような面あるいはテレビ、ラジオというような面について、各国の平和のための基礎工作としての文化の流通をやっていく、これはけっこうでございますが、このユネスコと連絡をとって、各国の青少年、中学生、小学生というものを、暑中休暇を利用して海外に相互に派遣して、そうして子供のときからインターナショナル・マインドというものを植えつけるということは、非常に私は大事だとみているのです。幸い今、南米航路なんかも、渡航費が一航海八千万ぐらい要るという話でございますが、これは船客は足らない、現在は、ことにブラジルは、御承知のように今インフレに見舞われておりますから、ことに貨物の積み込みなんか至難になっておるわけです。こういう際に、暑中休暇を利用して、学生寮といったようなところに泊めるようにして、中小学生というものが、その船を利用して、一つ毎年々々暑中休暇に派遣されるということは、これは大きな私は親善の種をまくものだ考えておりますが、そういう点について、一つ外務大臣お骨折り願うことはできぬでしょうか、一つお伺いしておきたいと思います。
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藤山愛一郎#27
○国務大臣(藤山愛一郎君) 私もかつてユネスコ国内委員としてまたユネスコの総会にも参りましたので、ユネスコが、そうした青少年活動に努力しておりまして、ヨーロッパでは、そういう若干の事業をしていることを存じております。ユネスコの東洋における活動は、多分ニューデリーのときでありましたか、東洋部会というようなものを作ってやろうじゃないかという決議もできております。従って今後のユネスコ活動、ことにアジアにおけるユネスコ活動と申しますが、そういうものに、今お話しのようなことをユネスコに要請しますことは、非常にけっこうなことだと思いまので、前田国内委員長等に申し上げまして、なお外務省も努力して、そういうことの実現のできますようにやって参りたいと存じます。
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中山福藏#28
○中山福藏君 それからこれは総理大臣に一つ、お疲れでしょうけれどもお尋ねしたいと思います。私は教育問題には非常に興味を持っておる人間でございますが、現在世界が平和と人類の福祉を世界人権宣言でも、前文にうたっておる。日本の憲法でもこれを移し植えて、平和と人類の福祉をうたっておる。教育基本法にもこれはうたっております。そこで、この平和と人類の福祉というものが大事だと言っておりますけれども、さらばこれをどういうふうにして実現するかということはすべての点においてこれは脱落の状態にあるわけです。そこで私は、各国の風俗、習慣、人情、宗教、言語、その異れるものと共通のものというものを、これをユネスコに一つ談判をして、その同一のものが、あるいは差異のあるものかということを、小学生のときから日本の子供の頭に植えつけておく方が、将来世界人としての日本人の立場というものに非常に寄与するのじゃないかと考えております。ユネスコなんかと一つ連絡を保たれて、世界共通共学読本というようなものを一つ作って、国連の援助を得て、世界が共通の点と違った点とを小学校の生徒に教え込むという措置を講ずるということは、これは日本の私は人類の福祉に貢献する偉大な力をもたらすのじゃないかと考えておりますが、どうでしょう、そういう点は。
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岸信介#29
○国務大臣(岸信介君) お話しの通り、この次の世代を背負う青少年、特に少年の時代から、国際的な知識を持ち、世界人類に対して近親感と同時にいろいろ風俗、習慣、ものの考え方の差異というようなものについて、正しい認識を持つということは、それが成人した後において、これらの人たちが国際的に活動する上においても、また、各国の同じような年代の人たちと、互いに友情をもって、結ばれて、世界の平和と福祉のために手をつないでいけるというためにも、今お話しになりましたような、国際的の目を子供のときから開き、それに対して親しむような方向に教育をしていくことは非常に望ましいことだと思います。その方法として、あるいは今一つのお考えとして、国際的に共通の一つ読本であるとか、あるいは教材というようなものを、ユネスコやあるいは国連の国際的機関によって考えて、そうして適当に選択して、各国がそれを採用するというようなことができるなら、私は非常にけっこうだと、こう思います。
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