岸信介の発言 (予算委員会)

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○国務大臣(岸信介君) いわゆる三原則の第一である敵視政策を改めること、こういうことでありますが、私どもは従来中国に対して、いかなる意味においても敵視政策をとった考えもございませんし、またそういうことを全然考えておらないのであります。ただこの内容のうちに、日米安保条約を結んでおるということが、これが果して敵視政策という内容であるかどうかという点に関しましても、訪中国の方にもその意向を確かめたのでありますが、ごく明確な御回答はなかったのであります。これを直ちにやめろというようなことはもちろん中国側で考えているわけじゃなしに、ゆとりのある考えであって、直ちにこれをもって日本が敵視政策をとっているんだと、従って敵視政策をとらないことというために安保条約を廃棄しなければならぬというまで、突き詰めて考える必要はないんだというふうな御意見も訪中国の方からあったのであります。しかし、また全然安保条約というものを無視もできないというふうな意見もありまして、その点は明瞭でなかったのであります。しかし、あの共同声明全体を読んでみますると、とにかく安保条約を廃棄するということがやはり非常な大きな題目になっておりまして、こういうことがやはり三原則の精神に反しているんだというふうなことが共同声明の趣旨であろうと思うのです。私は、安保条約なるものができましたのは、言うまでもなく、今おあげになりました通り平和条約と同時にできたわけであります。で、決して特定の国を仮装敵国としてこれに対する考え方じゃなくて、あくまでも日本の自衛を全うするための安全保障の条約であることは御指摘の通りでございます。従って、これが敵視政策であるとか、またこういうことが私の内閣よりもずっと前にできておることから申しまして、その後ずっと引き続いて積み上げ方式の経済交流ができておったのでありますから、急に昨年来敵視政策ということが非常に大きく取り上げられたなにから言うと、この安保条約を敵視政策の一つに入れるということも適当でない。しかし共同声明を見るというと、安保条約というものがやはり敵視政策の内容であるような点もございまするが少くともこういう安全保障条約というようなものは、日本が自主的に日本の自衛のためにやっておるものである。これは全く日本の自主独立の立場からやっておるものであるということは、前提としてわれわれはどこへも主張できる。従って、これが特定の国に対する敵視政策ではないということはわれわれの確信でございます。

発言情報

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発言者: 岸信介

speaker_id: 6788

日付: 1959-03-31

院: 参議院

会議名: 予算委員会