高田なほ子の発言 (予算委員会第一分科会)
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○高田なほ子君 まあ、見るべきものとしては、青年の家の増強要望が、今度、大体通ったというくらいのもので、はなはだどうも失礼な話ではありますけれども、私ども民間人の考える青少年問題の抜本的な解消ということについては、はなはだ縁の遠い要望がされているように私どもには考えられる。
たとえば、今度、文部省でも青年の家を、国立中央青年の家というのを一億二千万で建てるようですけれども、これは冨士山麓に建てるということになって、予算が今度組まれておるわけですが、実際問題として、全国の青年たちが、中央青年の家に集まるという機会というものは、どれだけあるのか、そして全国の青年の何パーセントがここに集まれるのか、こういうようなことにも、私ども非常に疑問を持つのですね。それからまた都道府県にも、青年の家が大体五千万くらいの予算で、ことし十三カ所くらい文部省関係で取れているようです。まあ農林省の関係にも、若干あるようですけれども、しかしこのようなことで、果して青年が夢を持てるかというようなことになると、どうも宙に浮いているのですね。私に言わせるならば、青少年問題協議会は、本年度の重大な問題として試験地獄解消はいかにあるべきかというような問題が取り上げられなければならないと思うのです。おそらく青少年問題協議会では試験地獄をいかに解消するかというような問題については、これはほとんどお取り上げになったり、御研究になったりする機会はないかもしれませんけれども、むしろ、こういうところにこそ、焦点が当てられなければ、青年の家を幾つ建ててみたところで、こういうものは、どうも一部のボスが、これを利用するというぐらいの方向にいくのが落ちじゃないかという、これは、極論でありますけれども、危惧を持たざるを得ない。
たとえば青少年問題の事務局長さんがお見えになりましたから、私は特にお耳に入れておかなければならないことは、全くこれでは、青少年は救われないという実例をあげますと、今、準要保護児童というのが七十三万人おるわけです。その七十三万人の子供に、さらにプラスして、ボーダー・ライン層の児童というのが、もう実に百二、三十万はおるでしょう。こういうものに対して、今度の予算でも、教科書を持ってこれない、買えないという者に対して、文部省が組んだ予算というのは、ほんの一億九千万円ぐらいですからね。ですから、七十三万人の子供のうち、二分の一の子供は救えるけれども、あとの二分の一の子供は、もう野放しで、あとどうするのかという問題については、これはだれが取り上げるのか、これは文部省だけじゃ解決できない問題だと思います。
それから今度、給食費を持ってこれない者が、やはりこれに準じている。これに対する政府の本年度の施策というものは二億二千万円しかないのですね。ですから、食べられない子供の残った半数は、どうするかという問題、それから修学旅行の補助で、だいぶ新聞は、政府は、修学旅行にも行けるようにしたというけれども、これは該当児童の四・五%だけですよ。それから定時制高校というのは、今、中小企業青年に対する対策ということを言われましたが、定時制高校は百十七校あるのですが、毎年々々、これを減らしている。そして、これに対するその施設補助というのは千二百万円ですから、現在ある百十七校分にこれを分けて考えると一校十万円です。これが一年間の施設補助です。それから中小企業の青年の問題で問題になるのは定時制高校の教員の給与費等も問題になります。また通信教育施設設備の運営費というようなものが、大へん問題になるのですね。これは、今年もプラス・ゼロです。
それから青少年犯罪がしきりに行われるというような今日、電気のつかない学校は、まだまだ千三百校もあります。こういうところに電気をつける予算というのは、今年四十校きりつけない。ですから、ほとんど電気がつかない学校は、今年もまた電気のつかないまつ暗やみで、これでは、夜間修学もなにもできない。通学ハスは、全国で要望されておりますが、今年の予算では、全国でたった五台きり作れない。それから離れ島から本校に通う子供たちがおるわけですが、これは、ボートが必要なんですが、今年は、なんとボートは、国の予算では二隻分きり作れないのですね。給食もできない学校が九千三百八十校あります。しかし今度、これに施設を若干してあげられるというのが七百三十校でありますから、あと、ほとんどこれは給食設備というものはゼロになっている。それから育英資金、これは政府の大へんなキャッチ・フレーズなんですが、これは一万名が六千名に減らされたという現状、特殊学級においても、またしかり、そして試験地獄は毎年のようにひどくなっていく、青少年犯罪と同じような比率で試験地獄の激しさは、ひどくなっている。
こういうような根本問題にメスを入れないで、青年団に青年の家を建てるとか、子供クラブをどうするとか、子供クラブに出られる子供は、まだいいのですよ。しかし子供クラブにも出られない子供の問題をどうするかということについては、さっぱり、これには触れられていない。それは、ユーゲントのように外国に青少年を派遣することもけっこうです。しかし派遣せられる青少年というのは、どういう青少年ですか。選ばれた一部の青少年です。優秀な青少年であり、家庭のよい青少年が、その大部分を占めております。これに参加し得ない青少年を、どうするかという問題、こういう抜本的な青少年の隠れた問題が、この協議会で論議されない限り、青少年問題協議会というものは、これはあっても実際に血の通った存在にはならない。
ことしの予算を、しみじみ私は拝見いたしまして、特にあなたに、こういう現実というものを十分に考究せられて、しかる後にこの事務局長としての重任が果されるように、私はあえてここに数字をあげてあなたに、こういう隠れた問題をどうするか、青少年問題協議会というのは、こういうものに対しても、これはいろいろ要望する機関のようですから、要望するぐらいのことはできそうなものですが、一体、試験地獄などに対して、青少年問題協議会の発言権というものはないものなのか。これは、文部省だけでは解決できない問題でありますから、特にこの点についての、あなたの意見を聞かしておいてもらいたい。