八巻淳之輔の発言 (予算委員会第一分科会)

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○政府委員(八巻淳之輔君) 先ほどの石坂先生からの御質問の御趣旨は、樺太における特定局長、昔特定局長をやった方々が、内地にお引き揚げになりまして、その方々については、恩給がついておらない、引き揚げた当時の一時金かなんかで決裁されておって、恩給がついておらない、この方々に対して、何らかの恩給法上の措置がしてやれないのかどうかと、こういう御質問だろうと思います。
 で、御案内の通り、特定局長と申しますというと、いわゆる内地では、三等郵便局長でございまして、これらは、戦前は俸給というものがございませんで、名目上の手当と、そのほか手数料と、こういうふうなもので報酬を得ておるわけであります。これは、公証人なんかと同じ立場でありまして、地方の名望家が、そういう地位におつきになった、それで俸給ということじゃなしに、そういった意味での報酬をお取りになった。従いまして、恩給法の扱いといたしましては、こういう方々は、いわゆる恩給法上の文官じゃなくて、準文官という扱いになっております。準文官と申しますのは、これだけで十七年おりましても恩給がつかない、しかし、もしもそういう方が、公務でけがをしたり、お亡くなりになったと、こういう場合には、恩給法上の傷病恩給、公務扶助料を差し上げると、こういう制度になっておりました。
 それで、樺太の特定局長を長く十七年以上おやりになっても、戦前の制度としては、恩給がつかないということになっておったわけです。
 ところで、そういう声が出てきたという事情は、こういう事情にあるわけです。戦後、昭和二十三年の一月一日に特定局長というものが、そうした俸給が給せられない職員、つまり一般の手数料等による報酬できておった、身分が、昭和二十三年一月一日から、今度は郵政事務官という官吏に身分が切りかわったわけであります。そこで郵政省といたしましては、こういうふうに、今まで純然たる意味の官吏でなかった者が、官吏の身分に切りかわったので、そうしますと、その際に、相当の退職金を出さなければならない、それでは困りますので、恩給を通算する、つまり特定局長時代の在職年は二分の一だけ通算してみよう、こういう措置を二十三年の一月一日にとったわけです。そこで、ちょうど二十三年の一月一日に特定局長から身分が切りかわった人、こういう人は、前の特定局長時代の在職年が半分通算になったと、こういうことでした。これで、そういう人はよろしゅうございますが、樺太の特定局長みたいに、外地におって引き揚げてきて、そうして身分が続いておらない、こういう人については、たとえば再就職、内地で特定局長になっても、その前の間が切れておりますから、前の特定局長時代というものが内地におって、ずっと引き続いておった人みたいに二分の一通算されない、そういう事態が生じたわけであります。
 でありますから、一番端的に比較論として問題になりますのは、樺太の特定局長を長くしておって、そうして内地で再就職をした人、こういう人は、たまたま二十三年の一月一日に引き続いておらなくても、引き続いたと同じように扱ってくれぬかと、こういう御要望があるわけです、そういう要望がある。それからまた、さらに延長して考えるというと、引き続かなくて、外地にいただけでも恩給がつかんか、こういう御要望になって現われている。
 しかし、この問題は、こういう、いろいろなケースがございまして、個人差があったわけでございますが、この問題につきまして、昭和三十二年に臨時恩給調査会が、御承知のような軍人恩給その他各種の恩給法上の問題につきましての問題を検討する、こういうために臨時恩給調査会というものができましたが、その臨時恩給調査会でも、この特定郵便局長の恩給に関する問題というのを俎上に乗せまして、いいろ検討したわけでございます。しかしながら、そのときの結論は、その二十三年の一月一日の身分切りかえに伴って、二分の一を通算するという措置は、身分切りかえに伴う、きわめて臨時的、異例の措置でありますから、これをさらに拡大していきますと、波及するところが非一常に大きい、そこで、なかなか財政上持てない、こういうことでございますので、制度変更以外の個々の事情によるものにまで、こういう制度を推し及ぼすということは、適当ではないのじゃないか、望ましくない、こういう意見にまとまってきているわけでございます。
 個々の方々の御事情というものは、十分にお察しするのでございますけれども、実情は、こういうことになっておりまして、ちょっと、それだけの、特定局長だけの期間で恩給をつけるという制度を、ここで新しく打ち立てることはなかなかむずかしい、こういうことでございます。

発言情報

speech_id: 103115266X00319590325_023

発言者: 八巻淳之輔

speaker_id: 22931

日付: 1959-03-25

院: 参議院

会議名: 予算委員会第一分科会