栗山良夫の発言 (予算委員会第二分科会)
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○栗山良夫君 まあこの問題はその程度にしましてですね、その次に、私は経済の成長とそれから国家財政の規模を含めて、国民所得として国民に還元をしていくいろいろな方途について、二、三気づいた点をお尋ねしておきたいと思います。
実は昭和三十一年度の長期五ヵ年計画、あなた方お立てになった長期五ヵ年計画を基準年度にしまして、そして六・五%の成長率で国民所得というものをずっと当ってみまするというと、十年先の昭和四十二年には、七兆三千八百四十一億、これが十四兆七千五百八十億になるわけです。約倍になるのです、計算しますと十年間に倍になる。従って国民としてはもう自分でそろばんを入れておれば、日本の国民所得というのは十年たてば倍になるのですよ。今政府の約束した経済政策というものが進展していけばこうなるのですということはわかっているのです、はっきり。従って、国民のわからないのは、これだけ伸びていく国民所得を五年先なり十年先なりに政府はどう始末するであろうということがわからない、具体的に。そこで私は、過日防衛庁の長官に、大体自衛隊の費用を含めて、いわゆる軍事費というやつですね、軍事費というものは国民所得がどんどん増加していくのに対して同じ率で伸ばしていかれるかどうか、こういう質問をしたのですよ。そうしますとね、これは国立国会図書館で出している国会統計提要というのがありますが、それを見ますとね、昭和三十一年ごろからは国民所得に対する軍事費の率は一・七%なんです。ずっと変っておりません。そこでどうですと、こう言って詰め寄ったところが、伊能長官曰く、大体二・〇から一・七の程度で軍事費は要求していきたいと、こう言うのです。そうすると日本の国民所得に比例して同じ、定率で、防衛費、軍事費というものを取っていくならば、自衛隊というものはひとりでにどんどん、どんどんでかくなっていくではないか。自衛隊の頭打ちというのは一体いつくるのか、こういうことを尋ねた。そうするというと、実は空幕、陸幕、海幕の方で第二次の今計画を立ている。それに従って試算をするのだが、いずれもこのくらいの率におさまるように将来立てていきたい、こう言うのですね。そうすると、戦争前に軍部がですよ、自分で軍備計画を立てて国会を押え、もう何者も有無を言わさず予算を取っていったそのやり方と同じになるんですよ。やはり政治というものが、この軍事費というものについては客観的ないろいろな立場からコントロールしていかなければならない、そういう意味で軍事費の頭打ちというものはどうする、安保条約に基いて、のアメリカとの共同防衛態勢に入る、政府はしばしば日本の自衛隊はそんなでかくできないのです、アメリカとの共同防衛の立場において日本はやっているのです、こういうことを言いながら、一方においては国民所得の伸びに比例してふやしていくのだということになれば、これはまたロジックが合わないわけです。だからそういうことについて経済企画庁としては、国民全体の立場から日本の軍事費というものが安保条約態勢下においてこれくらいであるべきである、絶対額においてもうスロー・ダウンしていかなければいけない、率で同じに引きずってしまってはいけないのである、こういう方針というものがやはり明らかにせられなければいけないと考えるのです。